コーヒーは、焙煎した豆を粉砕して抽出するレギュラーコーヒーをはじめ、手軽なインスタントコーヒーやコーヒー飲料など淹れ方や飲み方が多様で、日常的な様々なシーンで気軽に楽しまれている飲料の代表格です。
そんなコーヒー文化が日本に根付くと同時に、日々数杯飲むことで健康に役立つことが全日本コーヒー協会の研究により明らかになってきました。
カフェ酸、クロロゲン酸、カフェイン、トリゴネリンなどコーヒーに含まれる数多もの成分が、生活習慣病をはじめさまざまな疾病を予防し、健康維持に貢献しているというのです。
研究テーマ
研究テーマ1
死亡リスクを低下させる
長期に渡り病気の発生を追跡した9万人の大規模調査で、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、ほとんど飲まない人に比べて24%も低いことが分かっています。死因別にも踏み込んだことで、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の死亡リスクが下がることも認められました。
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コーヒーを飲むと、死亡リスクが減る。記事を読む
研究テーマ2
がんを予防する
1981年に日本人の死因第1位となったがんは、高齢者のみならず、現在は若い世代でも増加傾向。
コーヒーに含まれる成分は、そのがんに対しても肝がんの浸潤を抑制する、乳がんの治療薬の治療効果が改善されるなど、細胞株や動物実験での研究報告があり、その可能性が注目されています。
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コーヒーの中の成分ががん細胞を抑制する?記事を読む
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糖尿病予防にカフェインが効く?記事を読む
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乳がんの治療効果をコーヒーが改善する?記事を読む
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大腸ガンとコーヒー、 両者の関連とは?記事を読む
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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担癌ラットにおける癌増殖・転移および癌性高脂血症に対するコーヒーとコーヒー成分の作用解析(矢ヶ崎一三/東京農工大学農学部生理化学研究室)
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コーヒーの抗大腸癌作用の機構解明(岡本能弘/千葉大学薬学部 免疫微生物学研究室)
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コーヒーの持つmicroRNA機能の増強作用を介した脂肪肝と肝発癌の予防効果の検討(大塚基之/東京大学医学部付属病院 消化器内科第225研究室)
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コーヒー成分による細胞膜ナノドメイン制御を介した癌の浸潤・転移抑制作用の検討(村井稔幸/大阪大学大学院 医学系研究科 感染免疫医学講座)
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蛍光標識化コーヒーポリフェノールを用いた大腸癌増殖抑制機構の視覚化(小林謙一/東京農業大学応用生物科学部 生物応用化学科)
関連論文
研究テーマ3
循環器系に作用する
加齢と共に衰えていく心機能や血管は、日本人の死亡原因の上位である心筋梗塞、脳内血栓やくも膜下出血などの脳血管疾患を引き起こします。
コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールは、その原因となる血栓を作りにくくする、溶かすなどの作用が研究により明らかになりました。
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コーヒーに備わる、血栓を溶かす力。記事を読む
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コーヒーの中の成分ががん細胞を抑制する?記事を読む
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毎日飲むコーヒーが、脂肪肝を抑制する。記事を読む
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血栓をつくりにくい?コーヒーの不思議な力。記事を読む
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コーヒーで下がる、脳卒中のリスク。記事を読む
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乳がんの治療効果をコーヒーが改善する?記事を読む
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隠れた脳出血を、コーヒーが予防。記事を読む
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ポリフェノールは脳卒中リスクを軽減する?記事を読む
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コーヒー摂取で減る、心拍数と死亡リスク。記事を読む
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大事な心臓にもコーヒーが有効?記事を読む
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毎日3~4杯飲むコーヒーが、脳卒中による認知機能低下を防ぐ?記事を読む
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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コーヒー摂取は飲酒者の高血圧を改善する(船津和夫/財団法人三越厚生事業団 三越総合健診センター)
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健常者の微小血管機能に対するコップ1杯のコーヒーの急性作用の解明(筒井正人/琉球大学大学院医学研究科薬理学)
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コーヒー摂取と脳血管障害予測因子との相関性 :脳ドック受診者における頚部内頸動脈プラークと微小脳内出血への影響(篠田正樹/聖路加国際病院 脳神経外科)
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コーヒーポリフェノールクロロゲン酸による脳卒中予防の検証とその作用点の解明(山澤德志子/東京慈恵会医科大学 分子生理学講座)
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習慣的なコーヒー摂取は、心拍数を減少させ、全死亡を低下させる。(足達 寿/久留米大学医学部地域連携講座 疫学研究室)
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コーヒーの日常的な消費が動脈硬化と認知機能に及ぼす影響~20年の疫学的縦断研究~(野原 夢/久留米大学医学部内科学講座 心臓・血管内科部門)
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クロロゲン酸による新しい心血管病治療および予防法の開発(鈴木淳一/東京大学大学院 医学系研究科 先端臨床医学開発講座)
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コーヒー摂取習慣が脳卒中後の長期的な認知機能に与える影響の解明(須田 智/日本医科大学大学院 薬学研究科 神経内科学分野)
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研究テーマ4
消化器系に作用する
摂取した食物を消化し吸収する消化器官は、人間の生命活動において重要な役割を果たしています。
コーヒーは長年、消化器官の疾患と関連するとされてきましたが、近年は因果関係がないと認められただけでなく、
含まれる成分が疾病の抑制に寄与すると分かりました。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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メタボリックシンドロームを背景とした脂肪性肝炎・肝細胞癌自然発症マウス(TSODマウス)を用いたコーヒー(及び含有成分)の肝腫瘍抑制効果の解析(常山幸一/富山大学大学院 医学薬学研究部 病理診断学講座)
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コーヒーの持つmicroRNA機能の増強作用を介した脂肪肝と肝発癌の予防効果の検討(大塚基之/東京大学医学部付属病院 消化器内科第225研究室)
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コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸およびカフェイン酸による膵炎に対する炎症抑制・組織傷害改善効果の解析(大川原辰也/北海道大学 薬学研究院 臨床病態解析学)
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研究テーマ5
糖尿病を予防する
厚生労働省が重要疾患として定めた5疾病のひとつである糖尿病。進行すると全身の毛細血管や神経に障害が出て重篤な合併症を招きます。
その発症をコーヒーが防ぐという報告が世界で続いたことから予防のメカニズムまで研究が広がり、
現在インスリンの感受性が向上される可能性が示唆されています。
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コーヒーを飲む人は糖尿病になりにくい?記事を読む
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糖尿病予防には、デカフェがいい?記事を読む
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コーヒーと健康、「科学的知見」の今。記事を読む
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全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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コーヒーポリフェノールの抗肥満、抗糖尿病効果の作用機序に関する系統的検討(阿部 啓子/東京大学大学院 農学生命科学研究科)
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コーヒーの膵臓ランゲルハンス氏島β細胞保護効果を介した抗糖尿病作用の検証(堀尾 文彦/名古屋大学大学院 生命農学研究科 応用分子生命科学)
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自己免疫性膵臓β細胞破壊による1型糖尿病に対するコーヒーの発症抑制効果(堀尾 文彦/名古屋大学大学院 生命農学研究科 動物栄養情報学)
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研究テーマ6
肥満を抑制する
運動不足や食べ過ぎによる肥満は、高血圧、高血糖、高中性脂肪などの要因になり、心臓や血管の疾病を招くことに……。
ところが、コーヒー習慣を取り入れることで、代謝が促され、肝機能が改善するとの報告が。
メタボリックシンドロームから脱する機会になるかもしれません。
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毎日飲むコーヒーが、脂肪肝を抑制する。記事を読む
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母のコーヒー習慣で、子が太りにくくなる?記事を読む
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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コーヒーと脂肪肝(船津和夫/財団法人三越厚生事業団 三越総合健診センター)
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焙煎を想定したコーヒー成分による食生活型生活習慣病予防能の検証(増田俊哉/徳島大学大学院 ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
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コーヒー成分カフェインおよびクロロゲン酸類と運動による抗メタボリック症候群およびストレス効果に関する実証的研究-単回投与による急性効果および長期投与による慢性効果—(鈴木 政登/東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座)
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コーヒーの有するメタボリックシンドローム、脂肪性肝炎抑制効果の作用機序の解明:動物モデルを用いた腸内細菌叢と代謝産物の網羅的解析(常山幸一/徳島大学大学院 医歯薬学研究部)
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研究テーマ7
認知機能・学習能力を高める
高齢化社会で焦点が当てられるのが健康寿命。加齢による認知機能の衰えや認知症の発症をできる限り避けるためには、どうしたら良いのか?
ひとつの方法としてコーヒーを飲むことがリスク回避につながるとの研究があり、
コーヒーによる神経細胞の疾病発症を予防する研究が進められています。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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高齢者におけるコーヒー摂取が脳容量・認知機能に及ぼす影響(辻 一郎/東北大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学分野)
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コーヒーによる脳の認知機能向上効果の分子生物学的なメカニズムの解析(古賀 農人/北海道大学大学院 医学研究科 身体運動科学研究室)
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コーヒー摂取による認知機能予防効果の分子基盤の解析(田村 悦臣/慶応義塾大学 薬学部衛生化学講座)
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コーヒー由来カフェオイルキナ酸の認知機能改善効果に関する研究(繁森 英幸/筑波大学 生命環境系天然物化学研究室)
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研究テーマ8
精神神経に作用する
コーヒーの香りをかぐと心が癒やされる、集中力を上げたい時に飲むなどはよく知られていますが、科学的にも解明されつつあります。
さらに、難病指定を受けている神経変性疾患のパーキンソン病の発症を抑えたり、時期を遅らせたりなどの研究が進んでいます。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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パーキンソン病での先行性腸管神経障害に対するコーヒー成分による神経保護効果(浅沼 幹人/岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経機構学分野)
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研究テーマ9
抗酸化力を活性化する
体が酸化すると血管の老化が進み、生活習慣病を招き重篤な疾病につながりやすくなります。
原因とされる活性酸素の発生や働きを抑制する物質としては、ポリフェノールが有名。
ポリフェノールを豊富に含むコーヒーの抗酸化力は、活性酸素に有効なことが指摘されています。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸およびカフェイン酸による口腔内炎症疾患の改善効果(庭野吉巳/東北大学大学院 歯学研究科 生体適合性計測工学講座)
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コーヒー摂取は抗糖化作用をもたらすか -メタボロミクス/リピドミクス解析を用いた検証-(江川 達郎/京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知・行動化学講座)
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コーヒーの高齢マウスの筋衛星細胞の増殖能と分化への影響(牛 凱軍/東北大学大学院医工学研究科 健康増進医工学研究分野)
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研究テーマ10
抗加齢力を高める
「アンチエイジング」が市民権を得て、食生活や運動などで体の内側から整えることも一般化した抗加齢研究はコーヒーでも行われています。
老化の原因のひとつの活性酸素に働きかける、老化のスピードを遅らせる、加齢による筋肉の衰えを予防するなどの実験結果を得ています。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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高齢マウスを用いたコーヒーの摂取による寿命延長(アンチエイジング)効果の検証(石神 昭人/東京都健康長寿医療センター 老化制御研究チ-ム)
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加齢性筋肉減弱症に対するコーヒー摂取の効果-再生能からの検証-(後藤 勝正/豊橋創造大学大学院 健康科学研究科)
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研究テーマ11
美容に役立つ
コーヒーのポリフェノールには「シミ」の予防に役立つ可能性があるほか、利尿作用が水分バランスを整え「むくみ」の解消に役立つ可能性があるなど、美容にも役立つと考えられます。
全日本コーヒー協会助成研究
※研究者名および所属は、助成研究実施時のものである。
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コーヒーによる紫外線照射後皮膚炎証および色素沈着予防効果の検証(山手百合香/大阪市立大学大学院 医学研究科 皮膚病態学)