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COFFEE BREAK
文化-Culture-
コーヒーに似合うスイーツ・レッスン【連載第2回・対談編】焙煎の度合い
Amazing Sweets Recipes
パリのパティシエとコーヒー焙煎家に習うコーヒーに似合うスイーツ・レッスン
【連載第2回】焙煎の度合い
コーヒーとスイーツの組み合わせには、どんなコツと楽しみがあるのでしょう?美食の都パリの老舗焙煎店当主と一流ホテルのシェフ・パティシエ、彼らと一緒に考えてみる4回連載です。
※レシピ編はこちら
ドゥショソワ(以下ド):今回のテーマは「焙煎の度合い」でいきましょう。豆の焙煎は、コーヒー豆のアロマを引き出す重要な作業。浅過ぎてはアロマが十分に出ず、深過ぎてはアロマの広がりを打ち消してしまいます。うちでは中煎りを理想にしつつ、豆の個性や状態に合わせて、温度や時間を調整しています。今日は浅煎り・中煎り・深煎りの3段階で、違いがわかりやすいものを選びました。抽出方法はエスプレッソで、3種類を飲み比べましょう。
ペレ(以下ぺ):まずは浅煎りから。
ド:エクアドル産パカマラです。甘酸っぱく繊細なアロマを生かすよう、飲むときに焙煎香がほとんどしないくらいに仕上げます。
ぺ:本当だ。しかもすごくオイリーですね。舌をしっとり覆うように広がる。
ド:すーっと後味が馴染むでしょう?火入れが少ないので脂分が残るんです。次は中煎り、セント・ヘレナ島産ブルボンです。スカッと抜ける、きれいな酸味があります。
ぺ:〝すぐり〟のような、軽い酸味。苦みや焙煎香が一体化して、バランスよくまとまっているなぁ。美味しい!
ド:そう、そのバランスのよさが、中煎りの魅力なんです。最後はローマ・ブレンド。イタリア風のぐっとくるエスプレッソのため、数種のアラビカをブレンドし、深く焙煎しています。
ぺ:うわ!香りからドカンときますね。飲み口はドライ。炒りごまのような...。
ド:これだけ煎ると、残るアロマはカラメル香くらい。酸味も切れるので、ドライな印象になるんです。
ぺ:うーん、浅煎りと深煎りは正直、スイーツを合わせるのは難しいかな。浅煎りはそれ自体が甘酸っぱい風味だから、甘いものが欲しくならないように感じます。深煎りは味も香りも強過ぎて...。中煎りは、わかりやすい〝コーヒー味〟と酸味のバランスがいいので、いろいろ思い浮かびますね。
例えばグレープフルーツを使ったチーズケーキ。酸味と苦みを備えているので、コーヒーの味わいがよりクリアに浮かび上がるかな、と。チーズのクリーム感も、この「濃すぎず、薄すぎず」の中煎りにハマると思います。
ド:僕はセント・ヘレナ島のコーヒーとは、ビターチョコレートを合わせるのが好み。ほのかな酸味を共鳴させる合わせ方なのだけど、そう聞くと、チーズケーキもかなりよさそうですね。