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COFFEE BREAK
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文化-Culture-
コーヒーに似合うスイーツ・レッスン【連載第1回・対談編】コーヒー豆の味
Amazing Sweets Recipes
パリのパティシエとコーヒー焙煎家に習うコーヒーに似合うスイーツ・レッスン
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豆を前に、コーヒー談義に花が咲く。シャングリ=ラ・ホテル・パリのサロン「ラ・ボーニア」にて。
【連載第1回】コーヒー豆の味
コーヒーとスイーツの組み合わせには、どんなコツと楽しみがあるのでしょう?美食の都パリの老舗焙煎店当主と一流ホテルのシェフ・パティシエ、彼らと一緒に考えてみる4回連載です。
※レシピ編はこちら
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パティシエ
フランソワ・ペレ
パリ16区の高級ホテル「シャングリ=ラ・ホテル・パリ」のシェフ・パティシエ。緻密な味覚構成のエレガントなお菓子に定評あり。
www.shangri-la.com
コーヒー焙煎家
エリック・ドゥショソワ
1858年創業パリ1区の老舗焙煎店「ヴェルレ」の4代目当主。生豆の買い付けで世界を巡る傍ら、ほぼ毎日自身でコーヒーを焙煎する。
www.verlet.fr
ドゥショソワ(以下ド):シェフはコーヒー、お好きですか?
ペレ(以下ぺ):朝と午後、1日に必ず2~3杯は飲みます。お菓子に使うのも好きなので、もっと詳しくなりたいなぁ、と思っているところです。
ド:では初回ですし、一番分かりやすいお題から考えましょうか。コーヒー豆には三つの「味の柱」があります。甘み、苦み、酸味ですね。そのうちどれが一番立っているかで、豆の個性を示すことが多いんです。まずは甘みの代表格、エチオピア産のモカ・シダモからいきましょう。
ぺ:いい香り!そしてなんともまろやかな口当たりですね。
ド:そう。軽やかで、ジャスミンのようなフローラル感があるでしょう?
ぺ:こういうコーヒーには、フルーツ系のお菓子は強過ぎるなぁ...同じまろやかな印象を寄り添わせたい。バターの香るマドレーヌに、ほんの少しレモンの皮を削って入れるとか。
ド:いいですね。軽さの割に余韻も長いので、バターはよく合いますよ。次は苦み。苦みと言えばロブスタですが、今回はより口当たりのよいインドネシア・ジャワ島産のアラビカ種、ジャンピットを選びました。
ぺ:ああ、これはお菓子が欲しくなる味ですね!(笑)コクのあるカラメルや、フルーティな味もいいだろうな。でもコーヒーに酸味もあるから、果物の酸味は切りたい。...うん、ジャムにしたフルーツだな。ラズベリージャムのシンプルなパイはどうでしょう?
ド:それはぜひ、食べたいなぁ!最後は酸味の立った豆、ケニア産カルマンディ。ベリー系の酸味が特徴です。
ぺ:うん!ぐっと来ますね。ワインのような渋みがある。これには折り重ねるように、まったく違う味わいを被せたい。ふんわりと甘さの広がるリ・オ・レ(お米とミルクの甘煮)とかが合います。コーヒーと交互に口にすると、気持ちいい緩急のついた食べ心地になりますよね。
ド:面白いねぇ!私もこのコーヒーを勧める時は、「カフェオレにするといいです」と言いますよ。キュッと口に来るからこそ、ミルクの広がり感と合うんです。食いしん坊はやっぱり、同じようなことを考えますねぇ(笑)。