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COFFEE BREAK
インタビュー-Interview-
サヘル・ローズ【女優】
仕事と私とコーヒーと。 Vol.7
サヘル・ローズ【女優】
大好きな母に勧められて飲み始めたコーヒー。サヘル・ローズさんとコーヒーとのつきあいは、時間を増していくほどにどんどん深まっています。
「私にとってコーヒーは母と密接に結びついているものです」 と話す女優のサヘル・ローズさん。 「私の生まれ故郷、イランは紅茶文化の国。でも、日本に来てから母はコーヒーをよく飲むようになりました。私が高校生になると、母から〝そろそろあなたもコーヒーを飲んでみたら? この苦さが美味しいのよ〟といわれたのです。いざ試してみると、やっぱり苦さの壁がなかなか超えられず、いつも一口で飲むのをやめていました。ところが、2年生のある日、突然、コーヒーが以前とは違う味に感じられたのです。〝あれ? なんて香りの美味しい飲み物なんだろう〟と。それからは毎日飲むようになりました」
母が愛飲していたインスタントのコーヒー。その味は今も大好きだ。 「尊敬する女性であり、偉大な母が毎日飲むコーヒー。同じように私自身もコーヒーを飲めるようになったとき、〝あ、お母さんに近づけたんだ〟という嬉しさがありました」
イランの孤児院にいた5歳のサヘルさんを引き取り、養女にした母。その3年後に来日し、多くの困難の中で二人は肩を寄せ合って生きてきた。 「血縁のない私をここまで育ててくれた母の強さが大好きですし、いくら感謝しても足りない。私が本当の自分をさらけ出して母と語り合う時間にも傍らには必ずコーヒーがあります。私にとって、コーヒーは私が母との時間を満喫する、まさに私たち親子にとって大切な家族のような存在なのです」
紅茶が主流のイランでも、トルコのコーヒー占いは昔から人気がある。 「人が集まると、占いをするのはたいてい一番年配の方。人生経験が多い人ほど読み解く能力が高いとされています。私は小さい頃からいろんな人が占うのを見て育ったので、そこで見聞きしたことが記憶に残っていて、今もリクエストがあれば占うこともあります」
コーヒーとのつき合いがさらに深まったのは、3年ほど前。
「知り合いからお土産でいただいたハワイの豆が美味しくて......私はそれまで、産地によって豆の香りや味に違いがあることを知らなかったのです。そして、挽きたての豆の香ばしい香りも! コーヒーはこんなに奥の深いものだったのかと感動しました。それからはさまざまな豆を試しています」
イランに児童養護施設を。その夢に向かって邁進中。
最近は、シナモンの香りをつけて飲むのがお気に入りだ。 「シナモン・スティックでかき混ぜると、香りが移ってさらに豊かな味わいになります。コーヒーの味の好き嫌いは香水と同じで、その人の身体との相性だと思うんです。〝美味しい〟と感じる味は、きっとその人の身体に合っているのだと思います」
いつかイランに児童養護施設をつくるのが夢。今も日本国内の施設に定期的に足を運び、支援を続けている。 「施設で暮らす子供たちの問題を世の中の人にもっと知ってもらいたいのです。そのためにはまずサヘル・ローズという存在を知っていただいて、耳を傾けていただくことが大事だと思っています。今は1日1日を大切にしながら、テレビや舞台の仕事に全力投球している毎日です」