COFFEE BREAK

コーヒーの基礎知識

コーヒーの基礎知識-Basics-

コーヒー豆
コーヒーができるまで②

加工処理・選別

自然環境の異なる地で育てられたコーヒーがどのような方法で一杯のコーヒーになるのでしょうか?
豆の個性を引き出すために最適な3つの精製方法と、生豆の選別について紹介します。

Purification精製〜コーヒーチェリーから生豆へ〜

コーヒーチェリー
水洗式(ウォッシュド)

コーヒーチェリーから果肉を除去し、豆についた粘液質(ミューシレージ)を発酵させてから、
きれいな水で洗い、乾燥させる製法です。

① 選別
選別

手摘みで収穫されたコーヒーチェリーは水槽に入れられ、沈んだ完熟豆を選別。

② 果肉除去
果肉除去

果肉除去機で、外皮と果肉を取り除き、ミューシレージ(粘液質)の付いたパーチメント(硬い殻)の状態にする。

③ ファーメンテーション(ミューシレージ除去)
ファーメンテーション(ミューシレージ除去)

種子を覆っているパーチメントを取り除きやすくするために、1日発酵させたあと水洗いをする。

④ 乾燥
乾燥

天日乾燥または機械乾燥をする(生産国の気候に合った方法がとられる)。この時点ではパーチメントはついた状態。

⑤ 脱穀
脱穀

脱穀機を使いパーチメントを除去し生豆を取り出す。水洗式のコーヒー生豆は、全体的に緑色っぽいのが特徴。

水洗式(ウォッシュド)の味の特徴は?
水洗式(ウォッシュド)
水洗式(ウォッシュド)の味の特徴は?

焙煎豆の特徴は、センターカットが白っぽく、豆全体がみずみずしい印象。
 透明感のあるフルーティな酸味、すっきりとした印象の味わいです。

非水洗式(ナチュラル)

果肉がついたままのコーヒーチェリーを天日干しで乾燥させて、
その後、脱穀してコーヒー豆を取り出す製法です。

① 選別
選別

収穫した実を色を見ながら完熟実をさらに選別する。

② 果肉除去
乾燥

収穫したコーヒーの実を乾燥場に広げ2週間程度、天日で乾燥させる。乾燥状態を均一にするため、熊手のような道具で毎日定期的に攪拌する。夜は湿気を防ぐためにシートで覆う。

③ 脱穀
脱穀

脱穀機にかけ果肉とパーチメントを取り除き生豆を取り出す。非水洗式の生豆の色は、全体的に茶色っぽい。

非水洗式(ナチュラル)の味の特徴は?
非水洗式(ナチュラル)
非水洗式(ナチュラル)の味の特徴は?

センターカットが茶色っぽく、からっとした印象。 濃厚でコクのあるコーヒー本来の風味が楽しめます。

コーヒーの葉
スマトラ式(セミウォッシュド)

コーヒーチェリーを水洗いしてから、外皮と果肉を除去し(ミューシレージは完全に除去しない)、
その後、乾燥させる製法です。

① 選別
果肉除去

収穫されたコーヒーの実は水を使用せず果肉除去する。

② 果肉除去
乾燥

ミューシレージ(粘液質)が多少ついたまま、約半日天日乾燥する。

③ ファーメンテーション(ミューシレージ除去)
脱穀

水分を含んだまま脱穀し、生豆を取り出す。

④ 乾燥
乾燥

再度乾燥させる。スマトラ式のコーヒー生豆は、オリーブのような緑色。豆がふぞろいになる。

スマトラ式(セミウォッシュド)の
味の特徴は?
水洗式(ウォッシュド)
スマトラ式(セミウォッシュド)の
味の特徴は?

焙煎豆は形や表面がふぞろいで、ヴィンテージ赤ワインのような個性的な風味が特徴です。

各国に広がる
新しいセミウォッシュド方式

近年、中米エリアではセミウォッシュドの改良型が実践されています。コスタリカで行われている精製方法は「ハニープロセス」と呼ばれ、ウォッシュドよりも水の使用量を抑えています。同時に、外皮と果肉を除去する際に、少々果肉を残しています。この結果、果肉の成分が豆の中に凝縮され、蜂蜜のような甘さと深いコクをもたらします。

コーヒーを飲む人

Sorting選別〜鑑定〜

選別 〜鑑定〜

生産国ごとに等級の選別の基準は異なりますが、「外観」と「風味」の2因子で鑑定します。

外観
サイズによる見分け方

生豆の大きさは穴のあいたふるい(スクリーン)を通して、大粒から小粒まで仕分けられ、選別されます。

ブラジルのコーヒーは最高格付けの"サントスNo.2"から"サントスNo.8"までの7つの段階に分かれている。
欠点豆による見分け方

不完全な豆や混入した異物の数によって選別されます。不具合のある豆は「欠点豆」と呼ばれます。

「クラシフィケーション・シート」と呼ばれるマットの上で、欠点豆の数をカウントし目視によりチェック。
風味
味(カップ)による見分け方

カップテストでは特に「異味異臭」がないかをチェックしてから出荷されます。ブラジルでは、伝統的に味を段階に分けて選別する方法も取られており、鑑定士(クラシフィカドール)の養成にも力を入れています。

チェックするのは8項目(香り・苦味・甘み・酸味・渋味・力強さ・安定感・後味)。同時に、カビ臭や発酵臭などの「オフフレーバー」 と呼ばれる欠点がないかも調べる。
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