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COFFEE BREAK
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世界のコーヒー-World-
地域コミュニティをつなぐ、ロンドンの個性派カフェ。
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The Proud Archivist プラウド・アーキヴィスト
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運河沿いのカフェには自然光が入り明るく、白と黒が基調のコンテンポラリーなインテリアがより際立つ。
昨年10月、ロンドンで最も旬のエリア、リージェント運河にオープンし、一躍この地区を代表するカフェになった「プラウド・アーキヴィスト」。オーナー、ヘクター・プラウドさんは、過去にアート展やイベント企画を手掛けた経験を生かし、カフェ、イベント会場、ライブラリーなどを併設した空間を作り上げた。
一階の広いスペースでは、昼は母子の体操教室、夜はこの地区を基盤に活動するアーティストの展覧会やトークショーを主催する。
ワールドカップ開催中は、サッカーファンのヘクターさんのアイデアで大型スクリーンを設置し、町内皆で英国チームを応援し、サッカー観戦を楽しんだ。
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左:経営者もデザインに関わったコンテンポラリーな空間。 右:ライブラリー兼ギャラリースペースがある二階。週末の夜は予約ですぐ埋まる。
幅広い層に愛される、地元密着カフェ。
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スタッフや常連客から慕われる経営者、ヘクター・プラウドさん。
ヘクターさんは「このカフェを地元民に愛される場にしたいんだ。だから食材も可能な限り、地元で調達しているよ」と言う。コーヒー豆がその食材のひとつ。カフェで使用する豆の8割を、運河沿いにある大手の焙煎所から取り寄せる。残りは、近所の家族経営の焙煎所から。「同じ時期にビジネスを始めた焙煎所だからね」。
コーヒーメニューは、定番のエスプレッソやカフェラテのほか、リストレット、ホワイト・アメリカーノなど、ロンドンのカフェには珍しい種類もカバーしている。
「このエリアには、各国から観光客が多く来るため」とメニュー構成にも配慮する。若者から家族連れまで幅広い層に愛される地元密着のカフェ。開店から1年足らずにして、すでにファンに根付いたようだ。
左:フラット・ホワイト、2.80ポンド。 中央:自家製ギネスビール入りケーキ、4.50ポンド。 右:ブランチにぴったりのほうれん草入りエッグ・フロレンティーン、7.50ポンド。
Look Mum No Hands ルック・マム・ノー・ハンズ
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混雑時も笑顔で接客してくれるマネージャー、ロザーナさん。
朝のコーヒーを楽しみつつ、カフェでタイヤの空気調整を。
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左:自転車修理コーナーでも迅速な対応。 右:大人も子供も空気入れに立ち寄る中庭は、サイクリストたちのコミュニティの場。
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バリスタのヤーナスさん。
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平日の朝は通勤族で賑わうが、週末はサイクリストと通常の客がほどよくミックスされている。
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左:近くの焙煎所のブレンド豆と濃厚なミルクで作るカフェラテ、2.80ポンド。 中央:シナモンバター添えのレーズンパン"チェルシー・パン"、3ポンド。 右:英国式朝食、9.50ポンド。奥はエスプレッソ、2ポンド。
Climpson & Sons クリンプソン&サンズ
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日曜は必ずここで一服するというカップル。カフェ内でも犬同伴可能というフレンドリーさがうれしい。
12年前、オーナーのイアン・クリンプソンさんは旅先のオーストラリアで出会ったコーヒー文化に触発された。帰国後、豆の輸入、焙煎を手掛け、オーストラリア仕込みのコーヒーを飲ませる屋台をブロードウエイ・マーケットで開始。流行に敏感な若者が、すぐさま、フラット・ホワイトの味を求めて押し寄せた。屋台では行列をさばききれなくなり、カフェをオープン。さらには、その勢いでカフェ近くに焙煎所も設けたほどだ。
コーヒーは、この地区にフラット・ホワイトを紹介し、その人気に火をつけただけあり、誰にも負けない自信がある。ご自慢のフラット・ホワイトには、フルーティな味を際立たせるために生豆を水洗いしたケニア・キアワムルルを使い、
濃厚なミルクとともにゆっくりゆっくりとカップに注ぐ。
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左:焙煎豆をチェックするマット(右)とエリーシャ(左)。 中央:奥が焙煎所。手前はバーベキューテラス。 右:業務用カフェマシンを改造した炭火焼きグリル。
コーヒー道を追究する、オーナーの次なる夢は?
カフェから徒歩数分の場所にある焙煎所では、毎週600キロの豆を焙煎。取引先は、国内はもちろんのこと、パリ、ベルリン、香港のカフェも。人気の高さがうかがえる。週末になると、焙煎所はバーベキューレストランに早変わり。コーヒー豆の甘い香りにとってかわり、炭火で焼く肉の煙と香りが漂ってくる。なるほど、若者や子連れの家族で賑わうはずだ。
「クリンプソン&サンズ」の成功に続けとばかり、このエリアには続々とお洒落なカフェが開業した。ブロードウエイ・マーケットの名を高めたカフェの先駆者イアンさんの次なるプランは、
コーヒー・アカデミーの開校だ。豆の知識とコーヒーのいれ方を教え、皆が楽しく学べる学校にしたいと、コーヒー道普及の夢は、さらにふくらむ。
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左:フェネルサラダ付き鯖グリル、13ポンド。焦げ目が香ばしい。 中央左:人気の朝食、アボカドトースト、4ポンド。ラテ、2.60ポンド。 中央右:炭火焼きのそら豆にエスプレッソがよく合う。焼そら豆&リコッタチーズ、9ポンド。エスプレッソ、2ポンド。 右:ピカイチのお味、フラット・ホワイト、2.60ポンド。
Timberyard ティンバーヤード
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アフォガートの大ファンという地元のカップル。
学生の人生相談にものる、親身な店長の親心。
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左:フラット・ホワイト、2.50ポンド。奥はチョコボールケーキ、3.30ポンド。 右:お口直し用〝カスカーラ(コーヒーの実の果肉を煎じた飲物)〟付きのアフォガート、5.50ポンド。
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左:おしゃべりに興じつつ、iPadでゴシップ検索も楽しむという。 右:イタリア人バリスタ、マリオさん。