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COFFEE BREAK
コーヒーの基礎知識-Basics-
コーヒーができるまで
(2)焙煎
(3)ブレンド
(4)グラインド
(5)インスタントコーヒー
(1)栽培・精選・輸出・商品化・おいしい入れ方・健康
コーヒーは、種を撒いて3年目くらいから深緑の2枚の葉の間に小さな白い花を咲かせます。そこに緑色の小さな実が現れ、花が咲いてから約8ヶ月かけて深紅色に熟したら収穫となります。収穫後は脱肉、水洗、乾燥、脱穀、選別などの精選作業が行われます。
次いで、カップテスト、サイズなどによる等級選別作業を経て麻袋詰めされ港から船で輸出されます。その後輸入されたコーヒー生豆は品質鑑定を受け、各工場へ到着すると、用途ごとに分類され、カップテストなどのチェックを受け、様々な製品になります。
動画で見る「コーヒーができるまで」
コーヒーは生産する国々の風土や社会、文化と融合し、自然と人間の共同産物として人びとを魅了する味わいを作りあげてきました。一杯のコーヒーの中には沢山の人の汗と知恵が込められているのです。香りと酸味や苦み、コクなどの味わいを考えた生産国ならではの工夫や様々なプロセスを経て私たちのもとへと届けられています。
(A) コーヒー豆と主なコーヒー生産国
コーヒー豆はコーヒーの木の実です。サクランボに似ていることからコーヒーチェリーと呼ばれ、葉の根元に群生して実ります。栽培されているコーヒーの木の種類は主にアラビカとロブスタの2つです。
(B) コーヒー栽培(苗床・堆肥・栽培管理・収穫)
一般的には発芽用ベッドに種まきをします。種をまいてから2,3年で花が咲くようになり、開花した後には小さな緑の実がなり、6〜7カ月経つとコーヒーチェリーと呼ばれるように実が赤くなります。この段階になるといよいよ収穫です。
(C) コーヒー生豆の精選・処理
コーヒーは収穫した後の工程も重要です。原料の品質を決定づける重要な要素になっているからです。コーヒーチェリーは短時間で腐敗するため、外果皮や果肉などを取り除き種子を取り出します。
(D) 選別(比重選別・スクリーン・電子選別)
生豆を取り出された後も、さらに未熟豆や異物を取り出します。ブラジルやコロンビアでは選別作業に機械が導入されています。インドネシアでは機械選別の他に、多くの人の手による選別作業=ハンドピックも一般的な方法としてよく行われています。
(E) 格付け・袋詰め・倉庫・積み出し
選別された良質のコーヒー豆は倉庫に運ばれ袋詰めにされます。コーヒーの輸送に欠かせない麻袋(またい)にも細心の注意が払われています。もちろんその国の植物貿易法や食品衛生法に基づいた検査も行われた後、各地の輸出港から世界中に輸出されます。
(F) 輸出したコーヒー生豆の日本での荷揚げ・検査
コーヒー豆を輸入するためには国の植物検疫、食品検疫を受ける必要があります。輸入業者は国の検査を受ける前に、世界一厳しい残留農薬基準をクリアするために自主検査を行い、基準値をクリアしたもののみを通関しています。
製造
レギュラーコーヒーの場合は、品質鑑定、焙煎(ロースト)、配合(ブレンド)、粉砕(グラインド)といった製造工程を経て各々包装され、厳しい製品チェックを受け、商品が完成します。
インスタントコーヒーや液体コーヒーの場合は、レギュラーコーヒーの作業に抽出工程が加わります。その工程を経て、ビンや袋やボトルに詰められ、製品チェックを受け、店頭へと運ばれていきます。(G) レギュラーコーヒーの製造工程
レギュラーコーヒーの場合は、焙煎、配合、粉砕といった製造工程を経て、おのおの包装され、厳しい製品チェックを受け、商品が完成します。インスタントコーヒーの場合は、さらに抽出、乾燥工程が加わります。
(H) インスタントコーヒーの製造工程
インスタントコーヒーの場合は、焙煎、配合、粉砕まではレギュラーコーヒーと変わりませんが、抽出、乾燥といった工程が加わります。乾燥の仕方によって、スプレードライ方式と、フリーズドライ方式の2種類があります。
※こちらの映像「コーヒーができるまで」のDVDをご覧になりたい方、およびメディア関係でのご利用を希望される方は、当協会事務局までお問い合わせ下さい。(A)〜(F) は「コーヒーに込められた汗と知恵を探る」、(G)〜(H) は「Coffee World」。
(2)焙煎〜豆本来の味と香りを引き出す
コーヒー製品化の過程で、焙煎(ロースト)の工程は非常に重要な意味を持ちます。
コーヒーの生豆は青くさいだけで、コーヒーらしい味も香りもほとんどありません。それが焙煎することにより、皆さんがお使いになる茶褐色のコーヒー豆になり、同時にコーヒー本来の味と香りを作り出します。さらに、産地により異なるコーヒー豆の味の特徴や、その独特な香りを引き出すのも、8割が焙煎によって決まると言われているほどなのです。
焙煎方法は、生豆の種類や特徴、使い方を考慮して時間と熱を変化させ、その度合いは浅炒り、中炒り、深炒りの3段階に大別されます。
一般には、浅炒りほど酸味が強く甘い香りが際立ち、炒り方が深くなればなるほど、酸味が失われ、苦味と香ばしさが出てきます。
浅炒りはアメリカン・コーヒーに、中炒りは家庭や喫茶店で多く飲まれるレギュラーコーヒーに、深炒りはエスプレッソコーヒーやアイスコーヒーなどに用いられます。
(3)ブレンド〜独創な味わいと調和が生まれる〜
味の創造、独自性の発揮、品質の安定化といった目的のため、コーヒーはブレンド(配合)されます。
味の創造と独自性の発揮では、種類の異なるコーヒー豆をブレンドして、1種類の豆では出せない新しい香り、酸味、苦味などの味の調和を引き出します。
また、品質の安定化という面でも、ブレンドは欠かせない技術です。コーヒー豆は産地や品種によって、香りや味に多様な特徴があります。また同じ産地や品種であっても、豆の収穫時期の違いや作業工程の違い、さらに焙煎の度合いなどによっても風味に違いが生じます。ですから、常に一定の風味をつくり、維持するためにもブレンド技術が必要になるのです。
工程としてブレンドを考えた場合には、生豆の状態でブレンドして焙煎するプレミックスと、焙煎豆をブレンドするアフターミックスに大別されます。それぞれにメリットもデメリットもありますが、いずれの工程も独特の美味しい風味を求めるという基本は同じです。
(4)グラインド〜器具と好みに合わせて挽き方を選ぶ〜
焙煎したコーヒー豆をミルで粉砕することを「グラインド」といいます。
最近はご家庭でグラインドする方も多くなっていますが、グラインドとは、ただ豆を細かく挽くことではないことをまず知っていただきたいと思います。
入れた時のコーヒーの香りや風味を十分に楽しむことを意識しながら、挽いていただくことが大切です。豆を挽く際の注意点は、細かい部分や粗い部分が混在するような「挽きムラ」を作らないことです。粒の大きさが均一でないと、本来の風味を十分に堪能できません。また、使う器具に合わせて、挽き方を変えることも忘れてはいけないポイントです。
作曲家ベートーベンは、毎朝60粒の豆を数えミルに入れ、丁寧に豆を挽き、朝のコーヒータイムを楽しんだと言われています。
ミルで挽く作業とは、グラインドされつつある豆からの素敵な香りを十分に楽しみながら、これから味わうコーヒーに胸躍らせる、そんなひと時でもあるのです。
(5)インスタントコーヒー
日本でインスタントコーヒーが気軽に楽しめるようになったのは、わずか40年ほど前。その後、おいしいコーヒーをいつでもどこでも、手軽に楽しめる、そんなインスタントコーヒーの魅力が理解されるに従って、皆様に広く愛されるようになりました。
今では、各種ブレンドだけでなく、エスプレッソやカフェオレなど種類も豊富になり、また、アレンジコーヒー、お菓子や料理作りなどにもインスタントコーヒーを利用する方も増えています。
製造法
インスタントコーヒーは。コーヒー抽出液から水分を除去したものです。だからこそ、水分を再度加えれば元のコーヒーに戻るわけです。
インスタントコーヒーの製法には次の2つがあります。
スプレードライ方式
高温の乾燥塔の中で、濃縮されたコーヒー液を噴霧し、瞬間的に水分を蒸発させます。すると乾燥した粉末状のコーヒーができます。
フリーズドライ方式
濃縮されたコーヒー液を零下40度ほどの低温で凍結させ、真空状態で昇華(固体が液体にならずに気体になること)させます。すると氷のあった部分がそのまま空間として残り大粒の粒子ができます。この製法は低温処理のためコーヒーアロマがよく保存させます。
歴史
1901年、ニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会で、日本人の化学者、加藤博士が「ソリュブル・コーヒー(=溶けるコーヒー)」と名付けて発表したのが、インスタントコーヒーの始まりです。
その後1937年にスイスで初めて工業化され、次第に普及していったのです。