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COFFEE BREAK
インタビュー-Interview-
南 果歩【女優】
仕事と私とコーヒーと。 Vol.19
南 果歩【女優】
はつらつとした笑顔が印象的な南果歩さん。一人息子が成人し、今は24時間、自分のための時間を慈しみながら美味しいコーヒーを味わっています。
朝から夜まで、コーヒーを飲まない日はないほど。仕事場にも自分で淹れたコーヒーを持参している。
「マグボトルを三つ用意して、それぞれにコーヒーとお茶と白湯を入れます。袋に小分けしたナッツやドライフルーツやチョコレートも一緒に。この〝飲み物とおやつバッグ〟をいつも持ち歩いているので、周りの人からは〝もしも今、災害が起きてもしばらく生きていけるね〟といわれます(笑)」
特にコーヒーは、気分を変えるための大切なアイテムの一つ。
「ドラマの収録の現場でちょっとした待ち時間ができるとまず手が伸びるのがコーヒー。その数分間が次のシーンに向かうための程よいクールダウンというか、リフレッシュになるんですね。苦味も酸味も強くないマイルドな味わいの豆が好きですが、特に銘柄を限定しているわけではありません。お店の人に聞いたり試飲したりして、その時の気分で選びたいから。同じ味がずっと続くのがダメなんです。変えて楽しむ。その時に欲するものを自分に与えたいタイプです」
季節や年月とともに変わる体と心。その変化に素直に順応したいという。
「私は昔から気持ちが先行するほうで、気持ちさえあれば体はついてくるものだと思っていた。でも、4年前に癌の手術をして、心と体のバランスをきちんととることの大切さを痛感しました。50代の今は、いかに体とうまく付き合っていい状態に持っていくかを考えながら、食べ物を選ぶようにしています。最近は、複数の選択肢がある場合にはオーガニックコーヒーを飲むことが多いですね」
被災地で励まされ、仕事への意識が変わった。
女優人生の一つの転機となったのが、2011年の東日本大震災だった。
「震災後、自分の仕事が世の中と結びつかない絵空事に思えて、モチベーションが保てなくなってしまったのです。それでとにかく自分にできることはないかと被災地の避難所を訪ねました。そこでお話をするなかで、みなさんが私に〝ドラマに出てね〟とおっしゃるのです。私たちは状況を掴むためにニュースをずっと流しているけれど、本当はドラマが見たいのだと。私は、ああ、人はこのような状況下にあっても物語を欲するのかと驚き、そして逆に励まされたような気持ちになりました」
それから何度か同じ避難所を訪れ、絵本の読み聞かせも行うようになった。
「読み聞かせは息子が小さい頃から学校でもボランティアで行っていました。仕事とは違う活動がまた仕事への活力になっているのかもしれません。お芝居の仕事をしている時も、被災地で出会ったあの人と私は繋がっているという、人との繋がりをとても強く感じるようになったのです。私の仕事は人々のお腹を満たすものではないけれど、心にちゃんと届くものなのだという確信を持つことができました」
現在も東北、熊本の被災地や、病院、幼稚園などで読み聞かせを行っている。
「今はコロナ禍でリモート配信ですが、これも一つの転機だと捉えています。リモートはより多くの人たちに届けられる利点もありますし、直接会えなくても繋がっていることをいつもみなさんに呼びかけています」
9/15スタート(毎週火曜日よる10時から放送)
松岡茉優演じるおカネを正しく使うことにこだわる"清貧(せいひん)女 "VS 三浦春馬演じる、とことんおカネにルーズな"浪費男"。人気脚本家・大島里美のオリジナル脚本でおくる、正反対の価値観を持つ2人の"じれキュン"ラブコメディ?
兵庫県出身。短大在学中に映画『伽倻子のために』(小栗康平監督、1984年)のヒロインオーディションに応募、主役に抜擢されてデビュー。数多くの映画、テレビドラマ、舞台に出演。9/15スタートのドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』にヒロインの母、九鬼サチ役にて出演。11/20より主演映画『脳天パラダイス』(山本政志監督)が全国で公開予定。
ヘアメイク/国府田圭 協力/くれは食堂(TEL.03-6875-5296)