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COFFEE BREAK
インタビュー-Interview-
八木亜希子【アナウンサー】
コーヒーと私の、ちょっと不思議な関係。
八木亜希子【アナウンサー】
私の1日は、朝のコーヒーをいれることから始まります。朝食はトーストとサラダが中心で、コーヒーは欠かせません。ドリッパーにペーパーをセットしてコーヒーにお湯を注いで香りが立ち上ってくると、だんだん頭もクリアになってくる気がして......ちょっとした毎朝の儀式みたいなものですね。
結婚する前は1日5杯くらいコーヒーを飲むこともたびたびありました。テレビ番組の本番前には必ずコーヒー片手に打ち合わせをし、本番中も合間に缶コーヒーを飲むことがあったくらい、頻繁に飲んでいました。
結婚してしばらくはアメリカで暮らし、その間は仕事のペースを落として大学時代に関わった心理学の勉強を再開しました。そのとき、教科書にコーヒーをよく飲む人の心理について書かれた部分があって、ちょっとおもしろいことがわかったのです。
結婚前にハードに仕事をしていた頃の私は、自分の気持ちを高めるためにコーヒーを必要としていたようです。だから、忙しければ忙しいほどコーヒーを飲む回数も増えていた。単に美味しいから飲んでいるだけではなくて、無意識の内に自分の気持ちを仕事に向けて集中させるためにコーヒーを必要としていたんですね。なるほど、納得してしまいました。
アメリカにいる間に徐々に1日3杯くらいのペースに落ち着きました。そうしたら、飲む回数が減ったことで今度はカフェインが効きすぎてしまうような気がしてきて(笑)、夜に飲むのは控えるようにしたのです。今もそのスタイルは変わっていません。
コーヒーを傍らに、本を読むひととき。
午後に飲むコーヒーは、たいてい読書タイムの1杯です。よく読むのはミステリー小説ですね。アメリカでは大学院の授業も英語で、英語漬けの日々を過ごしていたおかげで日本語の文字が懐かしくなり、日本の本を置いている書店に駆け込んでミステリーを買い漁ったこともありました。帰国して夜のニュース番組を担当するようになると、オフには日々の出来事とは違うフィクションの世界に行きたい気持ちが強くなって、さらにミステリーにはまってしまったような気がします。
またここ数年は、ニュース番組のゲストコメンテーターの方の著書を読む時間がぐんと増えてきました。取り上げるテーマによって、さまざまなジャンルで活躍されている方をお迎えするので、資料として彼らの著書を読むようにしているのです。本番前の打ち合わせが毎日午後3時半から始まるので、その前の1〜2時間は、カフェでコーヒーを飲みながら資料の本に集中します。新書がほとんどですが、普段なかなか自分では手にとる機会がないジャンルの本を読むことができるので、新たに気づかされることも多い毎日です。
昨年は連続ドラマに初めて出演させていただきました。初めて役者さんとしてのお仕事をいただいたのは今から10年以上前。映画でしたが、お受けするのもかなり迷いました。あれからずいぶんと年月が経って、不思議と今回の連ドラは、お話をいただいたとき、何の躊躇もなくやってみようと思うことができました。経験を重ねてきた今、きっとこんな私をおもしろがって起用してくださるのだなと思ったので、素直に楽しんで挑戦することができたような気がします。私はスタジオでの撮影がほとんどだったのですが、撮影前に自分で岩手県のロケ地を見学に行って現地の空気に触れてきました。それも自分にとって有意義な時間になりました。まだまだこの先も、素敵な出会いがあったら嬉しいですね。