- TOP
- COFFEE BREAK
- 健康
- コーヒーが睡眠の質を改善する?
- コーヒーが睡眠の質…
COFFEE BREAK
健康-Health-
2024.07.17
コーヒーが睡眠の質を改善する?
「コーヒーを飲むと睡眠の質が下がる」と考える人は多いのではないでしょうか。 ところが、その取り入れ方によっては、睡眠の質を改善することもできそうです。 コーヒーと睡眠の関係、健康効果や効果的な飲み方についてご紹介します。
教えてくれたのは...... 古賀 良彦さん
杏林大学名誉教授。医学博士。うつ病、睡眠障害、統合失調症、認知症などの治療・研究のエキスパートとして、日本催眠学会名誉理事長、日本臨床神経生理学会名誉会員などの要職を務める。コーヒーの香りが認知機能に与える効果なども研究している。コーヒーが睡眠の質を改善する2つの理由
コーヒーにはさまざまな魅力がありますが、その一つが、800種類以上あるといわれる香り成分。「豆の種類や焙煎方法、焙煎時間などによって、コーヒーの複雑な風味が生まれています。また、成分といえば、近年話題のクロロゲン酸。コーヒーや赤ワインなどに多く含まれ、 体内の活性酸素の働きを抑える抗酸化作用や、血糖値上昇抑制作用、血圧改善作用など、その機能性に期待が集まっています。では、その理由を見ていきましょう。
古賀先生 コーヒーは、カフェインのイメージから、『飲むと睡眠の質が下がる』と考える人が多いかもしれません。しかし、摂取の仕方によっては、睡眠の質を改善することもあるといえるでしょう。
①日中を活動的に過ごすことができ、夜はぐっすり眠れるから
古賀先生 睡眠は、覚醒と表裏一体。理想は、昼間しっかりと目覚めて活動し、夜はぐっすりと眠ることです。日中にコーヒーを飲んでカフェインを摂取することで覚醒度が上がると、 活動的に過ごすことができます。また、カフェインと香りの効果で血流を増やし、脳の働きを活発にすることができます。すると、夜に深く眠ることができ、質の高い睡眠を得ることにつながります。
②香りの効果でリラックスできるから
コーヒーの香りには、豆によってα波を増やす効果があります。α波は、リラックスした状態のときに多く出現する脳波です。
古賀先生 被験者にさまざまな種類のコーヒー豆の香りを嗅いでもらい、脳波を測定する実験を行ったのが次の図です。暖色の部分はα波の量が多いことを表しており、α波が最も多く出現したのはグァテマラとブルーマウンテンでした。
反対に、マンデリンやハワイコナはα波量が少ないという結果に。リラックスしたい、覚醒したいなど、シチュエーションに応じて豆の種類を選ぶのもよいでしょう。
コーヒー豆の香りの違いによるα波量(10.5-11.0Hz)の差異
睡眠の質を改善させるコーヒーの飲み方
コーヒーのリラックス効果を活用するためには、その香りを堪能することが重要です。
古賀先生 まず、コーヒーを淹れる行為を楽しみましょう。アイスかホットなら、香りを感じやすいホットコーヒーがおすすめ。ごく少量のコーヒーであっても、香りを感じることはできます。 たくさん飲む必要はなく、存分に香りを味わうことが大切です。香りによって鎮静効果を得ることで、良い睡眠へと誘われます。
就寝前に多量のカフェインを摂取すると、利尿効果や覚醒効果によって睡眠を邪魔することになります。
古賀先生 寝る前は、コーヒーの量は50ml程度に抑えましょう。ミルクで割ってカフェオレにするのもおすすめです。もちろん、デカフェのコーヒー豆を活用してもよいでしょう。 ゆっくりとコーヒーを淹れる行為を楽しみ、香りを愛で、気分によって飲み方や豆を選ぶ。その日の自分に合った一杯を作ることを楽しめば、リラックス効果はより高まります。
- コーヒーを淹れる行為を楽しむ
- アイスよりもホットで飲む
- ミルクを加えてカフェオレにする
- デカフェも活用する
仮眠前のコーヒーで目覚めスッキリ!
カフェインの作用は30分ほどで現れて数時間持続するため、仮眠の前にコーヒーを飲むことで、15〜30分の睡眠でもスッキリ起きることができます。
古賀先生 ランチのときにコーヒーを飲み、リラックスした状態で仮眠に入りましょう。15〜30分もするとカフェインの効果が現れるため、 スッキリと目覚めることができるはずです。『午後は眠くて仕事にならない!』という人はぜひ試してみてください。
寝る前にコーヒーを飲むときの注意点
カフェインには覚醒作用のほか利尿作用もあり、摂り過ぎは禁物です。
コーヒーの香りや、ゆっくりと淹れる豊かな時間を楽しみながら、良質な睡眠を手に入れましょう。
古賀先生 カフェインの量は、一日200mg以下に抑えましょう。目安として、コーヒーカップなら3〜4杯、マグカップなら2杯程度のコーヒー量です。 また、カフェインの効果は数時間続くため、たっぷり飲みたいなら夕食前までにしましょう。
- 一日の摂取量はコーヒーカップ3杯程度まで
- たっぷり飲むのは夕食前まで
まとめ
- 昼にコーヒーを飲んで活動的に過ごすと、夜ぐっすり眠れる
- コーヒー豆の種類によって、香りの効果が異なる
- 夜は50mlまでのホットコーヒー。カフェオレやデカフェも◎。香りを十分に楽しむこと
- 仮眠前にコーヒーを飲むとスッキリ起きられる
- 過剰摂取は避け、一日にコーヒーカップ3〜4杯程度まで。たっぷり飲むのは夕食前まで