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COFFEE BREAK
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【連載第4回】むくみ解消に役立つコーヒーの利尿作用
むくみ解消に役立つコーヒーの利尿作用
近藤和雄(医学博士)
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倉田真由美(美容ジャーナリスト)
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倉田真由美(美容ジャーナリスト)
朝の目覚めや仕事のブレイクタイムになにげなく飲んでいるコーヒー。そのコーヒーに美容効果があることは、科学的にも証明されつつあります。では、コーヒーを飲んでキレイになるためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
全日本コーヒー協会では、"コーヒーと健康"を研究するドクター・近藤和雄さん&美しい人生を追求する美容ジャーナリスト・倉田真由美さんに「美人をつくる、コーヒーの飲み方」について語り合っていただきました。
お酒を飲んだ後の一杯のコーヒーが、利尿促進と代謝の活性作用で翌朝の「むくみ」を予防してくれる
むくみ解消に役立つコーヒーの利尿作用
倉田 よく「コーヒーには"むくみ"を解消する作用がある」と言われます。これはどのようなことなのでしょう。
近藤 医学的に「むくみ」とは、体内の水分バランスがうまくできなくなり、過剰な水分が蓄積された状態を言います。一方コーヒーには、体内に貯まった老廃物質や余分な水分を尿として排出させる「利尿」といわれる作用があります。特に、過剰に蓄積された水分は「むくみ」の原因でもあるので、結果としてコーヒーの利尿作用は「むくみ解消」に役立つ可能性があるといってもよいかもしれません。
倉田 余分な水分が排出されるから"むくみ"が解消するかもしれないわけですね。
近藤 体にむくみが出る背景には、「循環」がうまく行っていないことを示しています。コーヒーは自律神経に働きかけて交感神経の動きを活発にします。すると「循環」が盛んになって、むくみ解消にも役立つのです。
倉田 コーヒーを飲んだあとに、何となく体がスッキリするのはそのせいなんですね。むくみの予防にもコーヒーは役立つそうですね。
近藤 むくみの解消に重要なポイントの一つに利尿を促進させることがあります。もしもコーヒーを日常的に飲んで、日頃から体の水分バランスを保たせるができれば、むくみ予防の上でも意味のあることといえるでしょう。
階段の上り下りは、脚のポンプ運動になるのでむくみ解消に効果的です。(倉田)
倉田 お酒を飲む人から、「飲み過ぎた翌朝は顔がむくむ」という声を聞くことがあります。また、塩分の強い食事の後でも、同様に顔のむくみを感じることが多いようです。
近藤 それはまさに水分が貯まり過ぎている証拠ですね。特に「むくみ」は、男性よりも女性に多く見られる傾向があるんですよ。
倉田 男性は筋肉が発達しているので、女性ほどむくみを感じないのかもしれません。女性の、特に「脚のむくみ」は、明らかに筋力不足が関係していると言われています。
近藤 運動習慣も大事ですね。
倉田 飛行機や新幹線に長時間乗っていると、脚がむくむことがあります。そんな時は、空港や駅に着いたら "動く歩道"やエスカレータを使わずに、歩いたほうがいいんです。特に階段の上り下りは、脚のポンプ運動になるのでむくみ解消に効果的。乗り物の中では、足の"グーパー運動"なんかもいいですね。
遅い時間の食事や飲酒は、むくみを助長します。(近藤)
近藤 もう一つ重要なのが「食事」です。遅い時間の食事や飲酒はむくみを助長します。
倉田 夜遅くの食事は「冬眠前のクマ」と同じで、食べたり飲んだりしたものが、そのまま蓄積されてしまいますから(笑)
近藤 それに、深酒をしたまま寝ると、睡眠の質が低下するとも言われています。
倉田 お酒に酔ったまま眠ると、レム睡眠とノンレム睡眠が正常に現れなくなって、体がきちんと休まらない----という報告がありました。二日酔いになりやすいのもそのためだと。本来であれば、お酒を飲んだ後は少し酔いが抜けるのを待ってから寝るのが理想的なんですね。
近藤 お酒にも"いい酒"と"悪い酒"があることは事実です。特に日本酒などは、同じ量を飲んでも"いい酒"と"悪い酒"では翌日の体調が明らかに違いますよ。
倉田 私はお酒を飲まないので分からないのですが、お酒好きの友人が「飲んだ翌朝は、コーヒーを飲むとスッキリする」と話していました。私は夜寝る前にはカフェインの入っていないハーブティーなどを飲むのですが、寝る前にコーヒーを飲んでもいいのでしょうか。
近藤 たしかに「眠れなくなる」という人はいます。私などはまったく問題ないのですが......。これは気にするかどうかの問題で、カフェインを飲んでも眠れる人なら大丈夫です。
倉田 余分な水分を排出する作用は、ビールなどにもあると言われますよね。
近藤 飲み物にはどれもそれなりに利尿作用はあります。ただ、ビールは飲む量が多いので、すぐにトイレに行きたくなることもあります。排尿のシグナルは膀胱内の尿量の150mℓ前後から始まり、250mℓでは赤信号です。
倉田 その点コーヒーは、一度に大量に飲み過ぎるという性格のものではないので、「むくみ予防」という目的で飲むには最適ですね。
近藤 生活の中でコーヒーを楽しみながら、朝目覚めた時、食後、休憩の時----と、健康づくりに役立てたいですね。
医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養部室長、お茶の水女子大学大学院生活環境教育研究センター長を経て、現在東洋大学食環境科学部教授。日本栄養・食糧学会会長。 赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防の効果をいち早く実証し、世界的な医学雑誌『Lancet』で報告。
美容ジャーナリスト。女性誌編集部、編集プロダクションを経て独立し、女性誌の美容ページや新聞のコラムなどで執筆活動を続ける。現在は「フィガロジャポン」(CCCメディアハウス)をはじめ雑誌などで活躍。また近年は、美容や健康にまつわる講演を行なうなど活動の場を広げ、 女性のライフスタイル全般における啓蒙活動にも力を注いでいる。近著は『しあわせ美人のつくりかた』(ぶんか社文庫)。