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COFFEE BREAK
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さまざまなアレルギーの悩み解決にはコーヒーを飲むといい?
アレルギーの代表格といえば、国内で約3000万人が罹患しているといわれる日本で最も多いアレルギー疾患の花粉症。発症した人の多くが悩む鼻水や肌のかゆみなどアレルギーによる不快な症状を軽減させるには、医療機関を受診し適した医薬品を使うことが近道ですが、日々の"1杯"が効くという研究結果があります。今回は、花粉症やほかのアレルギー疾患の症状を緩和させるコーヒーの効果を紹介します。
体を守る機能が引き起こすアレルギーのメカニズム
春先の風物詩といえば、ニュースで毎日報じられる花粉の飛散。くしゃみや鼻水や目のかゆみなどの不快感ある症状が伴うため、コンタクトを装着できない、肌荒れによりメイクができないなど、悩みは尽きません。
なぜ、このようなアレルギー反応が起こるのでしょう? 症状を引き起こす原因物質であるアレルゲンが体内に入ると、体は「異物」として認識し、体から排除しようと働きかけるためです。
この時に体内で活躍するのが免疫グロブリンである「IgE抗体」。アレルゲンから体を守るために、ヒスタミンやプロイコトリエン、プロスタグランジンといった化学伝達物質を放出して異物を外に出そうとします。ところが、同時に血管や末梢神経を刺激するため、くしゃみや肌のかゆみという不快な症状も起きてしまいます。
これらの症状の緩和に、コーヒーが役立つ可能性があるのです。
コーヒーの成分のひとつ、クロロゲン酸に抗アレルギー作用の可能性
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)炎症薬物学研究室の准教授・杉本幸雄さんが着目したのは、コーヒーに含まれる成分のひとつである「クロロゲン酸」。ポリフェノールの一種で、抗酸化や脂肪や糖のエネルギー代謝に作用する成分です。
杉本さんが手がけたのは、コーヒー成分の抗アレルギー作用に関する基礎研究。コーヒーに含まれるポリフェノールの「クロロゲン酸」を含んだ水を、アレルギー性鼻炎モデルとアレルギー性皮膚疾患モデルを持った2種類のマウスに飲ませる実験を行いました。
アレルギー性鼻炎モデルのマウスは、継続的にクロロゲン酸を含んだ水を飲むことで、くしゃみと鼻掻きの回数が抑えられたという結果に。また、かゆみでは明快な有意差は出なかったものの、症状が緩和する可能性があると考えられています。鍵となるクロロゲン酸の継続的摂取について、今後も研究をすすめるそうです。
体内の炎症を抑え、不快な症状を緩和する「乳酸菌✕コーヒー」の組合せ
アレルギー症状を緩和したり、感染症を減らしたりなど免疫系に影響を与えるとされる「乳酸菌」。腸内環境を整える身近な食品としても人気ですが、コーヒーと一緒に摂るとより効くという研究結果があります。
ポイントとなるのは、免疫細胞が過剰に働くことを制御して、アレルギー反応や炎症反応を抑える働きがある「制御性T細胞」。「乳酸菌」を食べると「制御性T細胞」が増えるという論文を発表していた東京農工大学大学院農学研究院教授・好田正さんは、健康的な人に比べてアレルギー疾患者は「制御性T細胞」が少ないという他の研究報告を知り、新たな研究に着手しました。
「乳酸菌」にさまざまな食べものを加えて、その相乗効果を確かめる実験にすすむ段階で、好田さんは多くの人が日常的に飲むコーヒーに着目。アレルギー疾患を起こすマウスを用意し、10日間コーヒーを自由に飲めるようにした上で、乳酸菌を1~2日おきに同じ期間投与する研究を行いました。
すると、コーヒーが「制御性T細胞」を増やすことと、乳酸菌と相乗効果でさらに効くことが判明したのです。この結果は、アレルギーの予防や症状の緩和に効果を発揮する可能性を示唆しています。
ちなみに、研究で使われたのは漬物由来の乳酸菌ですが、他の食品の乳酸菌にも同様の効果が期待できると考えているそうです。もしかしたら、近い将来コーヒーと漬物やヨーグルトの食べ合わせがアレルギー対策として注目される日が、訪れるかもしれません。
花粉症の患者さんにとっては対策グッズが手放せない季節がやってきますが、毎日コーヒーを飲むことで鼻水の出る量が減れば、鼻の頭が赤くなることも周辺の肌荒れも少なくなります。体の炎症を抑えることができれば、アレルギーだけでなくさまざまな疾病の発症予防にも。仕事や家事合間のコーヒーブレイクは、心の休息だけでなく体の中からもきれいにしてくれるようです。
参考:『アレルギー性疾患を、コーヒーが緩和する?』
https://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/88health/『体内の「炎症」を、コーヒーが抑える?』