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デザート感覚で楽しめる3層の進化系"エッグコーヒー" ベトナム:オッキオ
ベトナム・ハノイ発祥のエッグコーヒーは、かつて大事なお客様をもてなすときにのみ作られたといわれています。そんなエッグコーヒーが今ホーチミンでひそかに人気です。今月はみんなが独自にアレンジし、進化してきたエッグコーヒーを提供する2軒をご紹介。村上春樹ファンのオーナーが経営するカフェでは、オリジナルの上質なエッグコーヒーが味わえます。
デザート感覚で楽しめる、3層の進化系"エッグコーヒー" 。
Vol.98 ベトナム:オッキオ OKKIO www.facebook.com/okkiocaffe
「村上春樹が突然小説を書きたくなったように、突然カフェをやりたくなった」というオーナーのダットさん。多くの運命的な出会いによって数カ月でお店をオープンした。オリジナルタイルで明るく落ち着く店内で、オーナーお気に入りのエッグコーヒー(70,000vnd)をどうぞ。
2018年にオープンした「OKKIO」。店名は、オーナーのダットさんがイタリア語で目を意味する"OCCHIO"からアレンジし、2つの意味を込めた。ひとつは、村上春樹の世界観が大好きなダットさんの「視点」だ。村上作品によく登場するジャズが流れる大人の渋いバーを、ダットさんの独自の視点でカフェとして再現してみたのだという。もうひとつは、第三の目で見えない何かをこの店で感じて欲しいという願い。
「OKKIO」が入る建物はフランス統治時代のコロニアル建築で、歴史あるレロイ通りにある。100年以上の歴史を刻むベンタイン市場、開通を待つ新しい地下鉄など、新旧が混在するエリアだ。いろんな文化がここにはある。
「コーヒーも文学や音楽、映画のように文化だと思うし、ここではコーヒーだけでなく、いろんな文化にも触れてほしい」とダットさん。

[上]さわやかなバナナの酸味が残るホームメイドのバナナブレッド(右50,000vnd)とオッキオ特製ミルクを使ったカフェラテ(左75,000vnd)。[下左]オープン当時からオッキオで働いているマネージャーでバリスタ歴4年のミーさん。[下右]ココナッツフレークをのせたフラペチーノ・ココナッツコーヒー(左70,000vnd)とワイングラスでいただくコールドブリュー(右80,000vnd)はどちらもお店のお勧め。
「OKKIO」では当初エッグコーヒーを出す予定はなかったが、サブメニューで入れたところ人気に火が付いた。ハノイに行った時にはいつもエッグコーヒーを飲むというダットさんのオリジナルレシピだ。コンデンスミルクに極上のベトナムコーヒーを入れ、卵黄と砂糖で作ったオリジナルクリームを入れると3層のエッグコーヒーが完成。クリームはまるで濃厚なティラミスのようでデザート感覚で楽しめ、コーヒーは苦味も少なく飲みやすくなっている。
そもそもエッグコーヒーは、1946年、フランス系5つ星ホテルでバーテンダーとして働いていたMr.ザーンが「ベトナム人にも西洋人が味わうようなコーヒーを楽しんでほしい」と生み出されたコーヒー。当時の牛乳は輸入品で高価だったこともあり、どうにかして牛乳のようなクリームが作れないかと卵黄と砂糖のみを使用し作られたという。エッグコーヒーは、誕生から70年以上の時を経て今もなお進化を続けているのだ。

[上]客層は学生や芸術関係者が多く、赤い螺旋階段を上った先にあるお店はインスタ映えすると話題。[下左]コーヒーはもちろんのこと、文学・音楽・映画をこよなく愛するオーナーのダットさん。[下右]店の雰囲気も人気で、若い女性たちがよく撮影しているという。「写真も文化」というダットさん。
エッグコーヒー以外のメニューでは、シンプルな中に新しさを追求。
「飲んだら感動する、本当のコーヒーを提供したい。コーヒー豆を一生懸命育ててくれている農家の方のために、バリスタも一生懸命それにこたえる。バリスタはお客様の好みを覚え、お客様はリラックスしながらコーヒーを飲み、バリスタとの会話を楽しむ。そんな空間を作っていきたい」とダットさんはいう。毎月4~5種類のコーヒー豆を世界中からチョイスし、コーヒー好きのお客様を飽きさせないようにしている。
大きな窓に明るい陽射し、街の中なのに緑あふれる高い天井の店内、音楽、そしてコーヒー。この穏やかで心地のよい時間をお楽しみあれ。
オッキオ OKKIO 120-122 Le Loi St., Dist. 1, HCM city, Vietnam TEL: +84 848 011 118 営業時間 7:30~22:00 休み:第一月曜日
www.facebook.com/okkiocaffe