COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2019.06.01

新しい北欧インテリアの魅力に触れるカフェ デンマーク:ルイーズ・ロー・ギャラリー・コンセプトストア

 世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
 北欧デンマークの首都コペンハーゲンで、最近目につくのは、家具、服、フレグランス、文具、本を集めた「ライフスタイルショップ」。そして、そこにはこだわりをもったカフェが併設されているのが特徴です。  昨年オープンした、「ルイーズ・ロー・ギャラリー」もそんな店のひとつ。元ファッション・デザイナーのオーナーの好みを反映したカフェを訪ねました。

新しい北欧インテリアの魅力に触れるカフェ。

Vol.91 デンマーク:ルイーズ・ロー・ギャラリー・コンセプトストア(Louise Roe Gallery Concept Store) louiseroe.dk

デンマーク:ルイーズ・ロー・ギャラリー・コンセプトストア(Louise Roe Gallery)

お店に入って右側にはダイニング、リビングをイメージして、カーペット、ガラス器などが、彩りよくディスプレーされている。白い空間を温かみのある雰囲気に演出するスタイリングは、自宅にも取り入れたいセンス。左側にはカフェと雑誌のコーナー。家具を見に来た顧客との打ち合わせにもカフェがよく使われている。


 コペンハーゲンの観光スポットのひとつ、「ローゼンボー宮殿」に近い、ガメル・ムント通り。1500年代には造幣局があり、国内最初の貨幣が作られた由緒ある建物が並ぶ通りだが、現在では、老舗の音楽出版社、広告会社、レトロな床屋、デンマーク王室御用達の花屋、ファッションやインテリアブランドのフラッグシップストアと、様々なジャンルの店が集まり、新旧ショーウインドーのコントラストが楽しめる通りとして知られる。デザイナーのルイーズ・ローさんの店、「ルイーズ・ロー・ギャラリー」は、2018年10月、この通りの中心部にオープンした。
 広い店内には大理石のテーブルに背面に籐をあしらった椅子、マットなメタルの背の高いキャビネットというモノトーンの家具が置かれ、グリーンやピンク、ブルーのガラス器が彩りを添える。カフェには、ベビーカーを押したママ達、打ち合わせ中の男性、PCで仕事中の女性と、多くの客がいるにもかかわらず、天井が高いせいか、どこか静謐な雰囲気が漂っている。

デンマーク:ルイーズ•ロー・ギャラリー・コンセプトストア(Louise Roe Gallery)

[左上]デンマークの国鳥を描いたカプチーノ、35DKK、ラズベリージャムを挟んだクッキーサンド、「ヒンベア・スニッタ」は国民的菓子のひとつ、25DKK。[右上]生ハムとスプラウトをたっぷりのせたオープンサンドやサラダなど、オーガニック食材を使ったランチメニューも人気。ランチは一皿75DKK〜。©Frederic Smith[下]白い大理石のカウンターが美しいカフェコーナー。大きな観葉植物や家具の配置で顧客のプライバーシーが保たれるように工夫されている。


「2010年にブランドを立ちあげて、オリジナルの家具や小物を作り、メッセやフェアなどに出展し多くのバイヤーさんに立ち寄っていただきましたが、限られた空間と期間の展示では、プロダクトの特徴を伝えられないと思いました。そこで、コンセプト・ストアをオープンし、ブランドの世界観を表現することにしました。」と、オーナーのルイーズさんは話す。
「ファッション、インテリア、食、すべてがライフスタイルを作るものです。ここにカフェを作るのは当然のなりゆきでした。ギャラリーやショールームは立ち寄りにくいものですが、カフェなら気軽に利用していただけますから」というのが、カフェを併設した理由だという。

デンマーク:ルイーズ•ロー・ギャラリー・コンセプトストア(Louise Roe Gallery)

[左]バリスタのニコラスさん。プロ用の講習会でコーヒーのいれ方を学んだが、まだ修業中だそうだ。©Chieko Tomita[右]カウンター席で外を眺めながらコーヒーを飲んだり、PCで仕事をする常連客も多い。カプチーノ35DKK、ブラウニー、クリーム添え35DKK〜。


 カフェのメニューは、朝食、ランチのほかに、ケーキやチーズなどの軽食もあり、旅行者やビジネスランチでの利用も多いという。オーガニックの野菜を中心にした食材を使っている。コーヒー豆ももちろん、オーガニックかつダイレクト・トレードのものだ。
「イタリアンコーヒーの特徴的な苦味がおいしいと思うので、うちではエスプレッソ用の豆をアレンジして使っています。いまは、ウガンダのオーガニックファームからのもので、挽き方は中挽きです。ヴァニラとハチミツ、アーモンドのような風味です」と、バリスタのニコラスさん。
 「近年、北欧のゆったりとした生活を表した「ヒュッゲ」が注目され、コペンハーゲンへの訪問客が増えています。今後はファッションやデザインをテーマにしたイベントを開催し、より多くの人にルイーズ・ローのプロダクトの魅力を知っていただきたい。」と、ルイーズさんは話す。店内のカフェも大きく貢献するにちがいない。

〈カフェ情報〉
ルイーズ・ロー・ギャラリー、コンセプト・ストア(Louise Roe Gallery Concept Store) louiseroe.dk Vognmagergade 9, 1120 Kφbenhavn K TEL: (+45) 3535-0110 営業時間 8:00-18:00 (月〜木) 8:00〜19: 00(金)10:00 〜17:00(土)
*1DKK=デンマーク・クローネ:約16,54円(2019年5月現在) 
写真(クレジット記載カット以外)=Louise Roe Gallery Concept Store 取材・文=冨田千恵子(コペンハーゲン市在住)
更新日:2019/6/1
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