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アートと触れ合う国民的カフェテリア デンマーク:デンマーク国立美術館カフェテリア
アートと触れ合う、国民的カフェテリア。
Vol.84 デンマーク:デンマーク国立美術館カフェテリア(Kafeteria Statens Museum for Kunst)
https://www.kafeteriasmk.dk
あまり知られていないが、デンマークはヨーロッパで一番歴史の長い王国で、コペンハーゲン市内には3つの城がある。そのひとつ、ローゼンボー城の対面に位置するのが、デンマーク国立美術館だ。19世紀に王室所蔵の絵画を一般公開するために建てられた荘厳な建物に対し、天井の高い内装は作品を引き立てるように装飾が省かれ白い壁にモダンな家具が配置された、まさに北欧インテリア。入り口左側にあるのが、リニューアルされたミュージアム・カフェ、「カフェテリア」だ。
「2018年春、オーナー・シェフのフレデリック・ビル・ブラエと現代アーティストのヨン・ヴォーのコラボにより、老若男女が日常的に立ち寄れる国民的カフェテリアとしてリノベーションされました。 テーマは、『アートと食で人々を繋ぐカフェ』。店内の家具や照明は国内外の巨匠デザイナーによるものですが、空間に溶け込むことを優先して選ばれています。メニューは、オーガニック食材を使ったスープやサラダなどのシンプルな一品料理がメインです。厨房で焼いた自家製パンやデニッシュ、スウェーデンの焙煎所から取り寄せているコーヒー豆も、もちろんオーガニックです」と、ショップマネジャーのリッケさん。
シェフのフレデリック・ビル・ブラエ氏といえば、市内のカフェ「アトリエ・セプテンバー」で、アボカドを使ったヘルシー朝食ブームを起こし、王立美大内の「アポロ・バー&カンティーナ」では、学生食堂をおしゃれなカフェバーに変えた実績をもつ。スウェーデンの焙煎所「コッピ」の豆をカフェで使い始めた、パイオニアでもある。フレデリック氏から信頼されバリスタを務めるのが、スウェーデン人のクラス・レンさんだ。
「いま、使っている豆はドリップコーヒー用にエチオピア産、エスプレッソ用にはコロンビアとブラジルのブレンドです。収穫期の天候によっても、仕入れる銘柄は変わってくるので、コッピのオーナーとのやりとりで決めています」と話すクラスさんは、コッピでの勤務経験もある熟練バリスタだ。
リニューアル後のドリンクメニューで人気があるのは、エスプレッソ入りのレモネード。ラズベリージュースを炭酸水で割って、エスプレッソを加えたものだが、甘すぎず、後味がさっぱりとした大人の味だ。
「アレンジコーヒー用には、フレッシュでデリケートな風味を残すような豆が合います。そういう微妙なニュアンスをコッピではよく理解してくれるのです」と、クラスさん。
店内では観光客だけでなく、赤ちゃんを連れたママたち、美術館員、打ち合わせ中のビジネスマン、リタイア後のカップルなどがリラックスして過ごしている様子だ。アートが非日常のものではなく生活の一部になるよう、カフェテリアは多いに貢献しているようだ。
デンマーク国立美術館カフェテリア(Kafeteria Statens Museum for Kunst)
www.kafeteriasmk.dk
Sølvgade 48-50, DK-1307 København K
TEL.(+45) 33748494
営業時間:11:00-17:00 (火〜日)、11:00〜20:00 (水)
休:月、祝(HPで要チェック)