COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2018.10.15

Vol.80 ブラジル:イミ・カフェ(Imi Café)

世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
今月は、ブラジル・サンパウロから、日本のスタイルを取り入れて人気のカフェ2軒をご紹介します。「イミ・カフェ」は、昨年オープンしたジャパンハウス・サンパウロで憩いの場を提供しています。

隈研吾設計のジャパン・ハウスの人気カフェ。
Vol.80 ブラジル:イミ・カフェ(Imi Café)

www.imicafe.com.br

今年、日本移民110周年を迎えたブラジルには親日家が多い。そんななかジャパンハウス・サンパウロは日々盛況で、日本文化が好きな人たちが、コーヒータイムに「イミ・カフェ」を利用している。ブラジルで手に入らない書籍が読み放題なのが嬉しい。

 日本文化の発信地ジャパンハウスは、昨年5月にサンパウロ一番の目抜き通りパウリスタ大通りにオープンして以来、イベントごとに多くの集客を呼び込み盛況だ。一年間で数えた訪問者数はおよそ77万人と、目標のおよそ5倍であった。
 地上階の展示スペースに面した「イミ・カフェ」は、ジャパンハウスのオープンと同時に営業を開始したカフェで、隈研吾設計の建築の中にあって憩いと談話のひと時を提供している。
 イベント訪問の半ばにコーヒーを飲む客が多いが、「ほぼ毎日コーヒーを飲みに来てくれるお客さんもいますよ」と共同経営の一人であるフェリペ・レイチ・ウエマツさんが語るように、カフェを目当てに来る人も少なくない。

[上]パウリスタ大通りにあって、日々訪問者を呼び込んでいるジャパンハウス・サンパウロ。[下左]ハリオ・ドリップ・コーヒー(15レアル)と抹茶スペシャルケーキ(15レアル)[下右]さわやかな若いスタッフが接客。右端がフェリペ・レイチ・ウエマツさん。

 コーヒーは日系農家の豆を使用して、10種類のドリンクを用意している。食べ物は、抹茶のショートケーキやシュークリームなど、和のテイストを加えた品も人気だ。ドリップコーヒーには日本メーカーの器具とフィルターを使用している。
 オーナーたちにとってカフェを経営するのは、この店が初めてだ。
「隣町で食料雑貨店を経営しているのですが、ジャパンハウスから声をかけて頂き、この店を開けました。カフェを開くのは、私の長年の夢でした」ともう一人の経営者ミノリ・ナガイさん。
 このカフェの魅力の一つは、背後に広く高々と陳列された2000冊を超える日本文化紹介のビジュアル本の数々だ。食文化、ファッションから、建築、伝統工芸、アートまで、日本語を読めなくても日本文化が写真やイラストで楽しむことができる。書籍は全てジャパンハウスが所有するものだが、カウンターでカフェを飲みながら閲覧することも可能だ。

[上]隈研吾デザインのカウンターとブラジル人家具デザイナーのアリステウ・ピレスによる椅子。[下]日本式ショートケーキ類をメインに食べ物は16種類、コーヒードリンクは10種類から選べる。

 レジからカンター席へとつながる、くの字型のカフェスペースも隈研吾による設計だ。カウンターの天板にアルミを使うことに建築家はこだわったそうだ。それを知っているかどうかはさておき、一杯のコーヒーを飲みながら、現代日本を感じに訪れる客が絶えない。

〈カフェ情報〉
イミ・カフェ(Imi Café)
www.imicafe.com.br
Av. Paulista, 52 Bela Vista
TEL. +55(11) 99966-8855.
営業時間 10:00~22:00(火~土)、10:00~18:00(日曜、祝日)
月曜定休
*1レアル=約27円(2018年9月現在)
写真・文=仁尾帯刀(サンパウロ市在住)
更新日:2018/10/15
PAGE TOP