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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.70 アメリカ合衆国:バラエティコーヒー(Variety Coffee)
「ロースターがあるカフェ」を紹介しているシリーズ。今月はアメリカ・ニューヨークのお店を訪ねます。
市内でも人気が高まっている気取らないカフェは、従業員の成長にも積極的に取り組んでいます。
ローストを学んだバリスタがいれる、特別な一杯。
Vol.70 アメリカ合衆国:バラエティコーヒー(Variety Coffee) www.varietycoffeeroasters.com 気取らない、近所のカフェというイメージが定着している「バラエティコーヒー」。
2008年にオープン以来、コミュニティに根ざしたフレンドリーな接客が好評を得て、今では市内に4店舗を展開するほどまでに成長した。ブルックリン地区に3店舗、2017年には初のマンハッタン店もオープン。さらにアッパーイーストサイドに支店が今春オープンする。そんな人気のカフェだが、特にコーヒーファンを魅了しているのが広いスペースのブッシュウィック店。店内奥にロースターが設置され、焙煎したてのフレッシュなオリジナルのコーヒーが味わえるのはもちろん、誰でも自由にコーヒー豆がローストされる様子を見ることができる。
経営部門のディレクターのキイ・カトレンスキーさんは「当店はコーヒーとペストリーを提供するのみで、キッチンはありません。シンプルに美味しいコーヒーだけで勝負しています」と話す。
そもそもロースターを設置することになったのは、ユニークなストーリーが背景にある。バリスタの一人が「コーヒーのローストの技術に関して学びたいから、バリスタを辞めたい」とオーナーのギャビン・コンプトンさんに話した際に、ギャビンさんはロースターを購入。バリスタはロースターの学校に通って、ローストの仕方を学びスキルを身につけたのだという。
キイさんは「一人の従業員を辞めさせる代わりにロースターを購入したのはちょっとクレイジーな話かもしれませんが、個人の成長を助けるようなプラットホームがここにはあります。地域団体の慈善寄付などに必ず参加するなど、コミュニティを大切にする姿勢が地元の人々に受け入れられたのでしょう。私たちのカフェは、決してかっこいいカフェはありませんが、お客さんを友達のように思っています」と話す。
ホールセール部門のディレクター、ジェイ・マードックさんは「ロースターを持つ一番の利点は、多くのプロセスをコントロールすることでクオリティをコントロールできること。問題があった場合は、すぐスタッフが対応できる。何よりも、新鮮なコーヒーを提供できます」と話す。反対に大変なことは「ニューヨーク市保健精神衛生局の抜き打ち検査があるので、衛生面には極力気を使っています。ロースターに異物が混入しないように、スタッフは付近でフードを口にしないように徹底しています」と話す。
新鮮な味わいのコーヒーと気さくな接客も居心地よく、ロースターの過程も見学できる。毎日訪れたくなるカフェだ。
バラエティコーヒー(Variety Coffee) www.varietycoffeeroasters.com 146 Wyckoff Avenue Brooklyn, New York 11237 TEL. 718-418-2326 営業時間 7:00〜21:00 無休