- TOP
- COFFEE BREAK
- 世界のコーヒー
- Vol.48 ドイツ:レフギオ・カフェ(Refugio Café)
- Vol.48 ドイ…
COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.48 ドイツ:レフギオ・カフェ(Refugio Café)
今月のドイツは、「難民」がテーマです。ヨーロッパで最も多くの難民を受けいれているドイツ。しかしあまりの短期間に大勢がやってきたため、受け入れ態勢も完全には整っておらず混乱が続いています。百万人近い難民の保護ももちろん大変ですが、その全員に未来を与える----自活の道を見つける手助けをするのは、大仕事なのです。
今回は難民の人たちが手に職をつけるための一助となるカフェの活動をご紹介します。
難民からベルリンっ子へ----コーヒーで未来をつかむ。
Vol.48 ドイツ:レフギオ・カフェ(Refugio Café)
www.refugio.berlin
コーヒーを鍵に、自活の足がかりを作る場所、それがレフギオ・カフェだ。
シェアハウス「レフギオ」の一階に、2016年9月にオープンした。「レフギオ」は、もともとホームレス救済団体が所有しているこの場所を、シェアハウスという形で、故郷を離れて暮らすことを余儀なくされた人たちが共同で暮らす場にしようと、2015年夏に始まったプロジェクトだ。
このシェアハウスでは、シリア、アフガニスタン、パレスチナなどから来た難民とドイツや北欧出身の20〜30代の40人ほどが共同生活を営む。リーズナブルな家賃で人気があるが、何か人の役に立つ特技があることが入居の条件。それは料理でも家電の修理でも、何でもよい。
「難民の一番の問題は、社会の中で自分の役割、居場所を見つけられないこと。だから、カフェでは毎週バリスタの無料講習会を行っています」と、カフェ担当のアンディ・ロマイケさんは言う。
「バリスタの腕があれば世界中どこでも働くことができるでしょ?」
トルコ風のモカやアラブコーヒーを皆で試すこともある。
カフェのスタッフとして働いているバシャーは、シリアからの難民だ。ここでバリスタの研修を受け、時々ちょっとした軽食を出していたところ評判を呼び、近々周辺のカフェへのケータリングを始めるという。「将来的には、これで独立したい」と意気込む。
近所にある焙煎所から仕入れるこだわりのコーヒーの味はもちろん、いまベルリンで最も人気があるノイケルン地区の一角という立地も手伝って、老若男女入り交じり、いつも賑わっているこのカフェ。毎週水曜日に開催している難民との語学交流イベントには、毎回100〜200人が集まりコーヒーが飛ぶように売れる。
「難民」からベルリンっ子に。この地にしっかりと足をつけ羽ばたいて行くきっかけが、ここから始まるのだ。
レフギオ・カフェ(Refugio Cafeacute;)
Lenaustrasse 4, 12047 Berlin
www.refugio.berlin
営業時間
10:00〜18:00 日月休