COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2015.09.01

Vol.23 イタリア:ビストロ・ミラノ・チェントラーレ(Bistrot Milano Centrale)

世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
イタリアのミラノには、懐かしい昔ながらのコーヒーを再確認する人々が登場しています。Vol.23では、ミラノ中央駅のカフェ「ビストロ・ミラノ・チェントラーレ」で一番人気、ナポリ式コーヒー"ラ・ククマ(La Cuccuma)"をご紹介します。

ミラノ駅で飲める、1杯0.9ユーロのナポリ式コーヒー。

Vol.23 イタリア:ビストロ・ミラノ・チェントラーレ(Bistrot Milano Centrale)
www.autogrill.com/en/brands/bistrot-milano-centrale

ビストロ・ミラノ・チェントラーレ

ミラノ式コーヒーはコーヒーポット "カフェ ラ ククマ"を使っていれる。1回の抽出で、写真のカップに3杯分がとれる。客からのオーダーを受けてコーヒーが供されるまで約6分。コーヒーの香りが漂ってきて、気持ちもゆったりとしてくる。

 ミラノの中央駅構内のカフェ「ビストロ・ミラノ・チェントラーレ」。経営はイタリアの高速道路沿い中心に650軒のカフェ&レストランを経営するアウトグリル社で、北から南までイタリア中からのビッグデータをもつ。「ビストロ・ミラノ・チェントラーレ」のコーヒーメニューは、国外からの客層にも気を配り、イタリア人のコーヒーに対する嗜好も幅広くなってきたことを受け、エスプレッソからアメリカンコーヒーまで10種類以上をそろえる。

サービスのよさで評判が高いカフェ

[左]サービスのよさで評判が高いカフェ。コーヒーを飲む客、食事する客、お土産を探す客など、いつもたくさんの人でにぎわう。[右]ナポリ式コーヒー( 1杯0.9ユーロ)とクロワッサン(1.2ユーロ)。パンの種類も豊富だ。

 中でもユニークなのが、ナポリの家庭で愛されているコーヒーポット "ラ・ククマ(La Cuccuma)"でいれるナポリ式コーヒー。抽出に時間がかかるため、ナポリでもカフェで提供されることはあまりないという、 "おうちコーヒー"だ。「ビストロ・ミラノ・チェントラーレ」のコンセプトを作ったアレッサンドロ・ジューディチ氏は、ナポリ式コーヒーの魅力をこう語る。
 「駅のカフェで電車を待つ時間、家でくつろいでいるようなひとときを味わってほしいんです。エスプレッソは蒸気の圧力で一気に抽出しますが、"ラ・ククマ"はお湯が落ちるのを静かに待ち時間をかけて作るため、同じ豆でも香り高く切れ味のあるコーヒーになります。 ナポリ式コーヒーこそ、リラックスタイムにふさわしいコーヒーですよ。5つの豆をブレンドした香り高く苦味を抑えたオリジナルのコーヒーを使っていて、これがまたとても評判がいいんです」。

イタリアの郷土料理が並ぶ

[上]手作りのポテトチップスが美味しい。ウインナーなどのメニューと合わせてオーダーすることが多い。(3ユーロから) [左下]インボルティーニ・ディ・カラマリ(イカの詰めもの)やチキンのローズマリーグリルなど、イタリアの郷土料理が並ぶ。 [右下]店内は無線LANサービスが使える。

 この店は料理も見逃せない。朝はクロワッサン、カップケーキから、昼はサラダ、サンドウィッチに、夜はパスタや肉料理、郷土料理、伝統料理、インターナショナルな料理まで本格的で、しかも客を待たせないシステムだ。
 大きなテーブル席の壁には時刻表がデジタル表示され、まるで空港のラウンジにいるような雰囲気。最近ミラノで2 号店がオープン、ミラノのドゥオーモのガレリア横という最高の立地条件もあり、そちらの店も大人気だ。

ビストロ・ミラノ・チェントラーレ(Bistrot Milano Centrale)
www.autogrill.com/en/brands/bistrot-milano-centrale
Tel. +39 02 6748 1995
Piazza Duca d’Aosta
営業時間 6:00〜21:00 無休

*1ユーロ=約137円(2015年8月現在)
写真=フランキー・ヴォーン
文=坂本きよえ
ミラノ市在住

更新日:2015/9/1

PAGE TOP