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COFFEE BREAK
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Vol.21 ブラジル:「アーロ27」(Aro 27)
ブラジルのサンパウロでは、いま街中のサイクリングが大ブーム。自転車レーンが市内に拡張されるなか、自転車をテーマにしたカフェが注目を集めています。Vol.21では、サイクリストたちのニーズに応えるサービスが充実した「アーロ27」をご紹介します。
シャワー室も備えた、自転車カフェの先鋒。
Vol.21 ブラジル:「アーロ27」(Aro 27)
www.aro27.com.br
2013年からサンパウロ市内各地で自転車レーンが拡張されると、ペダルをこいでサイクリングを楽しむ市民が急増した。人口1189万人を擁するサンパウロで、日常的に自転車に乗る人は約26万人を数える(2014年調べ)。一見、人数はまだ少ないようだが、前年同期比では約50%の増加というから驚きだ。
そんな自転車ブームに先駆けて、2013年7月にオープンした自転車カフェが「アーロ27」だ。場所は、商業エリアに移行中の住宅街ピニェイロス地区で、そもそもは日曜日の飲食業営業に不向きなエリアだったのだが、いまや「アーロ27」は平日の昼どきには近隣で働くビジネスマンでにぎわい、日曜日は9割以上がサイクリストで埋まる人気カフェとなっている。
「これほどまでの自転車ブームが訪れるとは思っていませんでした」と話すのは、「アーロ27」の経営者であるファビオ・サモーリさん。
ファビオさんが自転車カフェの開店計画を練っていた頃には、まだ自転車レーンの拡張工事すら始まっていなかった。しかし、ヨーロッパに暮らした経験をもつファビオさんは、かの地での自転車の普及率の高さを知っていた。いずれサンパウロにも自転車の時代が訪れると固く信じて、「アーロ27」を開店したのだった。
「アーロ27」では、飲食サービスのほか、自転車グッズの販売、自転車整備、駐輪スペース、シャワー室などのサービスを揃えて、サイクリストのニーズに応えている。シャワー室を備えたカフェの存在を知って、クルマを売って自転車で通勤するようになったお客もいるという。ラテやモカ、あるいはアルコール入りなど種類豊富なコーヒードリンクのメニューもこの店の魅力だ。
「アーロ27」の名は、自転車カフェの先鋒としてすでに国内の他の街にも波及している。今年下旬には、パラナ州クリチバ市に、地元の経営者によるフランチャイズ店を開店する予定だ。
「従来のフランチャイズって、いかにも資本主義的で好きじゃない。名称や経営方針を共有しながら、見返りを求めない平等なパートナーでありたいと思っています。サイクリングがブラジル各地で普及するなか、私たちのカフェが自転車文化の発展に一役買えたなら、これほど嬉しいことはありません」と語るサモーリさん。その視線は、ブラジル中に広がる自転車レーンのはるか先に向けられているようだ。
www.aro27.com.br
Tel. 55(11)2537-1918
Rua Eugênio de Medeiros, 445 Pinheiros, São Paulo
営業時間 8時〜20時(月〜金)、10時〜16時(日) 土曜定休
更新日:2015/7/1