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生産者と焙煎士の共同プロジェクト「サスティナブル・プロファイル・コーヒー」 コペンハーゲンから
生産者と焙煎士の共同プロジェクト、「サスティナブル・プロファイル・コーヒー」。
Vol.117 デンマーク・コペンハーゲンから。 ヨーロッパの他都市同様、コペンハーゲンでも新型コロナウイルスの感染予防のため、社会的距離を保ち公共交通利用時はマスクの着用が義務づけられているが、人々の生活は平常に戻りつつある。ようやくカフェ通いもできるようになった2020年6月、市内中心部から車で10分ほどの住宅地、ウスタブロの一角に「エイプリル・コーヒー(以下、「エイプリル」)」のショップ兼ショールームがオープンした。
「エイプリル」は、焙煎士として長年のキャリアを積んだスウェーデン、ヨーテボリ出身のパトリック・ロルフ・カールソンさんによって、コペンハーゲンの再開発地区で2016年にスタート。現在はカールソンさんを含めて4人の焙煎士およびバリスタのスタッフで運営している。「エイプリル」が焙煎したコーヒー豆は、国内外のカフェやネット販売を通じてコーヒー好きの間で話題になっていたが、少量生産のため試飲する機会が限られていた。そこで、焙煎所とは別に顧客が行きやすい地域に、コーヒー豆からドリンク、カプセル、ドリップパックなど、オリジナル商品が購入できるショップ兼ショールームを開くことにしたという。
さて、SDGsという観点から「エイプリル」が力を入れているのは「サスティナブル・プロファイル・コーヒー(以下SP Coffees)」というプロジェクト。設立時には複数のコーヒー生産者に少量ずつオーダーしていたが、カールソンさんが現地に赴いて生産者とコーヒーの質について話し合いを持った際に、コーヒー豆の品質向上は生産者と焙煎士が細やかなコミュニケーションを保って発展させていくべきだと実感したいう。
「私の焙煎士としての経験をもとに、高品質の豆を提供してくれた生産者を選んで、彼らの言い値で大量に取引することにしました」
例えば、コスタリカの生産者、ヴォルカン・アズール農場との取引は、プロジェクト前は年間の注文数が42㎏x14袋だったのが、2019年のプロジェクト開始時に69kgx100袋へと増え、1kgあたり2.54ユーロだった価格を5.24ユーロにまで引き上げた。
「サスティナビリティとは、人々とのコラボレーションにあると思います。スペシャルコーヒーの分野で焙煎士として長い経験と熱意を持つエイプリルのチームは、世界中の優秀なプロフェッショナルとともにコーヒーを学び、発展させ、よいプロダクトをシェアしていくことを目的としています」と、カールソンさんは語る。現在、SP Coffees の取引先は、ブラジルとコスタリカの生産者の2軒だが、2021年に4軒、2022年に6軒を目標にしている。
最後にスウェーデン人のカールソン氏が、コペンハーゲンでコーヒービジネスを始めた理由を聞いてみた。
「コペンハーゲンにはコーヒーの品質にこだわる人が多いですし、ここは革新的でダイナミックな北欧の食都だからです」
今後は「格別な一杯のコーヒー」が自宅でも楽しめるよう、手動のミルやハンドドリップ器具など、オリジナル商品を発展させていくという。ファンがますます増えそうだ。
April Coffee Store & Showroom aprilcoffeeroasters.com