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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
誰もが地球のパッセンジャー ホーチミンから
誰もが地球のパッセンジャー。
Vol.115 ベトナム・ホーチミンから。
ベトナムの多くのカフェでプラスティック製品をなくす取り組みとしては、まずプラスティック・ストローの廃絶があげられる。ベトナムではストローの素材も日々進化しており、紙やステンレス、ガラスのストローをはじめ、自然素材では空心菜、葦、竹で作られたストロー、またお米からできたストローなどなど、ベトナムならではのストローも開発され使われ始めている。
「パッセンジャーズ」は、2018年6月、ズーさんとガンさんのふたりがオープンしたカフェ。店名には「私たちは生まれてから死ぬまで、この地球上では一人の乗客と同じ」という意味がこめられているという。「環境にやさしく、ビーガンで」が「パッセンジャーズ」のコンセプトだ。
たとえばストロー。プラスティックごみによる環境汚染の原因となっている使い捨てプラスティック製のストローはできるだけ使わず、環境にやさしいストローを探して試行錯誤しているという。オーナーのズーさんに、いろいろなストローを使用してみての感想を聞いてみた。
「以前は冷たいティーやモヒートに、竹のストローを使っていました。竹のストローは丈夫で何度でも利用できますし、温かい飲み物にも冷たい飲み物にも合います。ただ、湿度に弱く、かびてしまうことが難点。一度かびてしまうと、処理をするのは非常に難しく残念ながら捨てるしかありません。また、米の国を自負するベトナムで開発・製造された米のストロー。見た目はちょっとマカロニを長くした感じで、現在日本をはじめ、ヨーロッパ諸国や他外国にも輸出・使用されています。天然の野菜で色付けされ色彩も楽しめ、食べることも可能で環境にも大変優しいストローなんですが、使用できる時間が非常に短く30分~40分たつと柔らかくなってしまうところが残念。今後の改良に期待しています」
ズーさんはこれらの経験から、現在では主にステンレス製のストローを使っているのだとか。ステンレス製は、耐久性があり保管しやすく、掃除もしやすいため衛生的にも安心とのこと。紙のストローや麦わらのストローは、主にテイクアウトやデリバリー用として使用しているそうだ。
また、「パッセンジャーズ」ではミルクにもこだわり、動物を傷つけることなく飲み物を提供したいという思いから、動物性ミルクを使わず植物性ミルク(素材は玄米、ハスの実、アーモンド、大豆、ココナッツなど)を使用している。ラムドン省で生産されるコーヒー豆を厳選し、無添加で焙煎してブレンドしたコーヒーとアーモンドミルクで作ったモカは、風味もよくフレッシュで栄養価も高くお勧めメニュー。コーヒー以外では、アロエベラやナタデココの入った玄米ミルクや仙草ゼリーの入ったハスの実ミルクも人気だ。
動物保護にも力を入れている「パッセンジャーズ」。看板犬のルーも、もとは捨て犬だった。道に捨てられている犬や猫たちを見つけると、見過ごすことはできないと保護し、健康状態を見て里親探しもしているという。
今ベトナムの多くのカフェが地球・環境について考え、「環境に優しく」を念頭に試行錯誤している。
若者パワーで経済発展真っただ中のベトナム、今後のカフェ文化の進化が楽しみだ。