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美味しいコーヒー1杯がコーヒー産地に「よいこと」をもたらす ドイツ:コーヒーサークル
東西ドイツが統一して30年。再び統一ドイツの首都となったばかりのベルリンは、実は新しいビジネスアイデアが次々と生まれる場所でもありました。近年は欧州スタートアップのメッカとしても知られています。SDGsをテーマとしたコーヒービジネスを追うシリーズ、今回はサスティナブルなコーヒー・スタートアップの中から、先駆け的存在の「コーヒー・サークル」を紹介します。
美味しいコーヒー1杯が、コーヒー産地に「よいこと」をもたらす。
Vol.103 ドイツ:コーヒーサークル(Coffee Circle)
www.coffeecircle.com
2010年に設立された「コーヒーサークル」は、近年勢いのあるコーヒー関連のスタートアップのパイオニアだ。
「美味しいだけでなく、その一杯で良いことができる」。これが、コーヒーサークルが提案するコーヒービジネス。厳選した高品質のコーヒーを、可能な限り農家から直接仕入れて、ベルリンで自家焙煎し、オンラインで消費者の下に直接届ける。コーヒー豆1kgの売り上げに対して1ユーロが、コーヒー豆産地のソーシャルプロジェクトに入るというシステムだ。
創業メンバーの3人がこのアイデアを思いついたのは、エチオピアでのこと。孤児のための教育施設を作る仕事をしていた彼らは、ここでエチオピアのコーヒー文化と出会った。
「世界有数の高品質なコーヒー豆を作っている農家の人々が、子どもの学校のために1か月20セントを支払うことすらできない。この状況をどうやったら変えられるか、考えた」と、創業メンバーのひとり、モーリッツ・ヴァルトベルク=ヴァルテンベルクは語っている。
彼らのコンセプトには、個人だけでなく国内外のカフェやオフィスからも次々と賛同が寄せられ、4年前、市内でもまだ家賃が安かったヴェディング地区にオフィスと焙煎所、倉庫を構えた。いまやひと月に約20トンのコーヒーが出荷されるほどに成長している。
2019年頭には、焙煎工房とオフィスのあるビルにカフェをオープン。オフラインでも「コーヒーサークル」が取り扱う、多彩なコーヒーを楽しむことができるようになった。
「コーヒーは、全ての感覚を刺激するものです。オンライン販売だけでは直接伝わりにくいものも、カフェで実際にコーヒーを飲んでもらえれば伝わることがあると思うのです。それにコーヒーは鮮度が重要。焙煎所と直結したこのカフェならコーヒーの味が最高の状態で楽しんでもらえますからね!」
近所の人から、コーヒーサークルの名前を聞いて訪ねてくる国外からのお客まで、客層は様々。より美味しいコーヒーを届け、コーヒーをさらに好きになってもらうことで、農家からお客まで、誰もが利益を得られるようになる透明性のあるバリューチェーン。それが、コーヒーサークルの目標だ。
Lindower Strasse 18, 13347 Berlin
営業時間 8:30〜18:00(月〜金)9:30〜18:00(土・日・祝)
www.coffeecircle.com