COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2017.09.15

Vol.60 イタリア:Tralerighe トラレリーゲ

世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
ミラノでは、フィルターコーヒーの人気が上昇中。中でもジェラートと一緒に楽しめるフィルターコーヒーが話題になっています。今回は、インターナショナルな品揃えで人気の店を紹介します。

新鮮なジェラートをフィルターコーヒーで。

Vol.60 イタリア:Tralerighe トラレリーゲ
www.tralerighelatocafe

イタリア:Tralerighe トラレリーゲ

アメリカンスタイルを意識した明るい店内には「手作りジェラートに本物のコーヒー。顔がほころぶデザート」というキャッチフレーズが。子どもからお年寄りまでさまざまな年齢の人たちで一日中賑わう、とてもフレンドリーでフレッシュな店だ。

 ミラノの東、ランブロ公園近くの開発地域に2年前にオープンしたジェラート店。人気は、ケーキにクッキー、スムージー、そしてもちろん手作りのジェラート。添加物を使わずフルーツをふんだんに使ったジェラートは、後味もサッパリ。またたく間に地域の人に愛されるようになり、子どもからお年寄りまで、さまざまな年齢の人たちで一日中賑わう人気店となった。
 ミラノ出身のオーナー、アリエレさんはジェラート職人になろうと修業先を探したがなかなか見つからず、やっと見つかった修業先はなんとロンドンのイタリア人が経営するジェラート屋だった。その修業中に出会ったのが、最先端のサードウェーブコーヒーと日本製の円錐型フィルターでいれるフィルターコーヒー。自分のジェラート屋を開くときには、エスプッソ以外にフィルターコーヒーを絶対に置きたいと思った。6年前のことだと言う。

イタリア:Tralerighe トラレリーゲ

[左] オーナー夫人でブラジル出身のメリリさん。彼女のコーヒーは「正確で本格的」。温度にこだわり、何度も測って入れる。[右上]ロンドンのジェラート屋で修業したオーナーのアリエルさん。毎日16種類ほどを少しずつ作って常に新鮮なものを提供する。[右下]一日かけて出すダッチコーヒーはジェラートとも相性抜群。ダッチコーヒー 3ユーロ、ジェラート 2.6ユーロ。

 その後ミラノに戻ったアリエレさんはブラジル出身メリリさんと出会い、結婚と同時にこの店をオープン。奥さんのメリリさんはケーキ作りが好きでコーヒーが好き。オープン当初は手作りケーキを出して店を支えた。今ではケーキは職人が作ったもの数種類を置くようになったが、コーヒーをいれる担当はメリリさんに移りつつあると言う。
「コーヒーは後味にこだわりがある」というアリエレさんが選ぶ豆は、100%アラビカコーヒーを使用。メキシコ、ペルー、グアテマラのものを主に取り寄せている。特にフィルターコーヒーには、値段は少し高いがブルンジ産YANDAROというブランドの、コクがありつつ、さっぱりしていて切れ味のあるコーヒー豆を使うのがこだわりだ。フィルターコーヒー、エスプレッソのほか、アレンジコーヒーなども含めて店では常時35種類ほどを出している。

イタリア:Tralerighe トラレリーゲ

[左] アップルタルト、チーズケーキ、ブラウニーなどイタリアには珍しいアメリカンケーキも揃えている。[右] ミラノの夏には欠かせない、カフェシェケラート 2.5ユーロ。その他、約35種類のコーヒーが楽しめる。

 アリエレさんは毎日16種ほどのジェラートを少しずつ作り、売り切れたら作り直すことで新鮮さを保つ。ケーキは職人が焼いたものを毎日4〜6種類。ジェラートもケーキも、常に新鮮なものが食べられるのがこの店の自慢だ。
「イタリアにいながら、イタリア以外のインターナショナルな食べ物を楽しめる場所を目指しているんだ」というアリエレさんの言葉通り、アップルタルトやブラウニー、カップケーキなどイタリアでは珍しい品揃えもこの店の魅力のひとつ。イギリスで修業をして日本製のフィルターに出合い、ブラジル出身の奥さまとこの店を営むアリエレさんならではのインターナショナルでオープンな空間に、今日もお客が詰めかける。

〈カフェ情報〉
Tralerighe
www.tralerighelatocafe
Via Teodosio 44 milano
Tel.02-91762549
営業時間 8:00〜23:00(3〜9月)、8:00〜20:00(10〜2月)
月休

*1ユーロ=約131円(2017年8月現在)
写真=フランキー・ヴォーン 文=さかもときよえ(ミラノ市在住)
更新日:2017/9/15

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