- TOP
- COFFEE BREAK
- 世界のコーヒー
- Vol.33 ブラジル:サント・グラォン(Santo Grão)
- Vol.33 ブラ…
COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.33 ブラジル:サント・グラォン(Santo Grão)
コーヒーのグルメ化に伴い、ブラジルのサンパウロでは、カフェが運営するバリスタ講座が賑わっています。Vol.33では、上質のコーヒーをサービスするとともに、社交場としても賑やかな「サント・グラォン」のバリスタ講座を紹介します。
海外での就職を目指して、バリスタ講座を受講。
Vol.33 ブラジル:サント・グラォン(Santo Grão) www.santograo.com.br/ サンパウロに数あるカフェの中でもひときわ、お客の会話で賑やかなのがサント・グラォンだ。ここにいると、カフェがまさに人と人が一杯のコーヒーによって会話を弾ませ、発想豊かにする場であることを感じる。商談や面接にサント・グラォンを利用する客も多い。
2003年創業のサント・グラォンは、市内で最も早くコーヒー講座を開設したカフェだ。開店から間もない5週間後に講座を開設したのは、教えることによって自分たちも成長したいというオーナーのマルコ・カークミースターさんの意向からだった。テイスティングから始まったコーヒー講座に、その後バリスタ基礎講座、ラテ・アート、家庭でのコーヒーの入れ方のレクチャーなどの科目が増えていった。開講当初2週間に1度程度だった講座は、現在は週3度の頻度で行われている。
今年1月下旬に行われたバリスタ基礎講座には、4人の若者の学ぶ姿があった。3夜連続の講座では、コーヒーの歴史、カネフォラ種ロブスタとアラビカ種の違い、コーヒー豆生産の行程などの講義とエスプレッソの入れ方、ミルクの温め方、そして各種器具の手入れや扱い方についての実践が施された。
すべての講座で指導するケイコ・サトウさんは、大学の美食学科(ガストロノミー)で、人材の管理と育成を学んだ。サント・グラォンでバリスタの経験を積んだ後に指導者となって今に至る。今年は、米国カリフォルニアでバリスタ・インストラクターの資格を取得する予定だ。
ブラジル経済が下降線をたどるなか、参加者のうち2人は、バリスタのスキルを身につけてオーストラリアに移住したいと講座に臨んだ。彼らのように最近海外で職を得るべくバリスタ講座を受講する若者が増えているとサトウさんは言う。
「バリスタの技をしっかり身に付ければ、海外でも仕事ができる時代になりました。ブラジルはコーヒーの生産国なので、意欲があれば生産から消費までの過程のすべてを学べます。」とオーナー。
2人の若者のエスプレッソマシンを操作する姿は未だ覚束ないが、バリスタ移住の夢にエールを送りたい。
現在講座は、客間の奥にある焙煎カウンターと2階の研修室で行われる。受講者の増加にともない手狭になってきていることもあって、サント・グラォンは焙煎から客へのサービスまでのすべてが学べる研修館を開設する予定だ。個人の受講者のみならず、コーヒー豆販売先の飲食店などクライアントの社員研修も行っていく。
「人と人の会話の場として評価を頂いているサント・グラォンですが、これからはもう一つの経営の軸として、コーヒーのすべてを体験できる場を提供していきます。まだ詳細をお伝えできませんが、研修館は年内にここサンパウロで開設することだけお教えしておきましょう。」とオーナーは微笑んだ。
サント・グラォン(Santo Grão) www.santograo.com.br/ Rua Oscar Freire, 413 Cerqueira César, São Paulo Tel. 55(11)3062-9294 営業時間 月)9:00〜深夜1:00 火〜木)7:30〜深夜1:00 金)7:30〜深夜2:00 土)8:00〜深夜2:00 日)8:00〜24:00 定休 なし