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Vol.32 ドイツ:カフェ・フラウ・クリューガー(Café Frau Krüger)
ベルリンではいま「コーヒーと環境」に取り組むカフェオーナーたちが増えてきています。紙コップに20セントの課税が取りざたされる中、リユースカップ持参で割引キャンペーンを張るカフェも登場しました。
リユースカップを持って来たら、20セント安くなる!
Vol.32 ドイツ:カフェ・フラウ・クリューガー(Café Frau Krüger) www.cafe-fraukrueger.de 年間28億個という膨大なテイクアウト用紙コップの廃棄物に悩まされるドイツ。ベルリンでは対策として、紙コップに20セントの課税をしてはどうかという提案もなされている。
これに先駆けて、昨年10月から「テイクアウトの場合にリユースカップを持ってきたら、20セント引き」というキャンペーンを始めたカフェが「フラウ・クリューガー」だ。自家製のケーキやキッシュが評判の店は大きな公園の向かいにあり、日曜日ともなれば家族連れで賑わう。テイクアウトでコーヒーを買って公園で飲みたいという人も多そうだが、評判はどうなのだろう?
「店の前の看板や、レジ前の注意書きを見て『次はリユースカップを持ってくる』と言うお客さんがほとんど。それだけでなく、テイクアウトはやめて店内で飲もうと考え直す人も多いんです」とオーナーのジルケ・クリューガーさん。紙コップに20セントの賦課をするのではなく、リユースを使えば割引というシステムも良かったようだ。「少なくとも週に1人はリユースカップを持って来るお客さんが増えているように思います」。
店でリユースカップが買いたいというリクエストに応え、現在オリジナルデザインのカップを注文している。ステンレス製や保温可能なタイプなどと迷ったが、いつも気軽に持ち歩けるのが重要だと考えて、軽いプラスチック製をセレクトした。
「夏場はフローズンヨーグルトも販売しているんですが、1日終わると店の前のゴミ箱がカップであふれかえっているんです。今夏からはワッフルを使った食べられるカップで出そうと思っています」。
このような決断をしたカフェはまだ少ない。しかしクリューガーさんの看板を見てリユースカップを使い始めた人たちのように、一度気づけば、積極的にゴミを出したくないと思うお客さんは多いだろう。ベルリンのコーヒービジネスに一石を投じる、小さいけれども、大きな一歩だ。