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Vol.22 ブラジル:キング・オブ・ザ・フォーク(King of The Fork - KOF)
ブラジルのサンパウロでは、いま街中のサイクリングが大ブーム。自転車レーンが市内に拡張されるなか、自転車をテーマにしたカフェが注目を集めています。Vol.22では、サイクリングの気分を店舗イメージに取り入れた、コーヒー豆にこだわる本格派カフェの「キング・オブ・ザ・フォーク」をご紹介します。
コーヒーにこだわる、自転車カフェのニューフェイス。
Vol.22 ブラジル:キング・オブ・ザ・フォーク(King of The Fork – KOF)
www.kingofthefork.com.br
サンパウロのピニェイロス地区中心部には、センスの良さやこだわりを売りにした飲食店が集中している。昨年地区内に地下鉄フラジッキ・コウチーニョ駅が新設されたことで、ますます飲食のトレンドスポットとして発展していくだろう。2014年6月に同地区に開店した「キング・オブ・ザ・フォーク(KOF)」は、いま市内で最も新しい自転車カフェだ。そもそもは住居用だった一軒家の店舗は、アットホームな居心地をそのままに、店主のコーヒーと自転車への愛が感じられる空間となっている。
二人の店主、パウロ・フィーリョさんとカミーラ・ロマーノさんはサイクリングで知り合った仲。幼少より自転車好きだったパウロさんは、2013年に自転車でイギリス縦断を成し遂げた。その際に各地で立ち寄った自転車カフェに感銘を受けて、サンパウロで同様の店を開きたいという思いを抱いた。帰国後、その思いをサイクリング仲間に語ると、経営に賛同したのがカミーラさんだった。ロンドンに暮らしたことのあるカミーラさんは現地で自転車カフェに通った経験があり、パウロさんのアイディアに共鳴したのだ。こうして、二人の自転車カフェへの挑戦が始まった。パウロさんは建築業界から、カミーラさんはデザイン業界からの転身だった。
「カフェをオープンするにあたっては、海外のトレンドを確かめたい」----開業を決めたパウロさんは、カフェの流行発信地である北米のポートランドに旅立つ。そこで学んだことのひとつがコーヒー豆へのこだわりだ。現在KOFで使用している豆は、サンパウロ州内の2つの小規模なコーヒー農家が生産するもので、エスプレッソ用とドリップ用で使い分けている。
「生産者たちとは、コーヒー豆の品質に関して頻繁に意見交換しています。共に育っていけるという実感こそが、小規模生産者と仕事をする醍醐味だと思います。また当店向けのオリジナルブレンドも作ってもらっています」とパウロさん。
サンパウロの飲食店には、スタッフに任せっきりでオーナーが店舗に立たない場合も多いが、二人はスタッフとともに店の仕事をこなす。「お客さんとの密な関係を築くことこそが、カフェ経営の楽しみだと思うの」とカミーラさん。
店内には、パウロさんの私物の自転車関連アイテムが数多く飾られている。
「自転車好きな僕たちのアイデンティティを表現した空間にしたいんだ」とパウロさんは語る。わずかながら販売している自転車アクセサリーについては、「コーヒー同様に、僕らが本当に薦めたい品しか扱いません」という。お客様とのコミュニケ-ションツールとしての役割が大きそうだ。
「自転車愛好家でもそうでなくても、一杯のコーヒーとともにサイクリングの魅力を感じてもらえたら」とパウロさん。客層はオシャレな若者がほとんど。二人の若い店主が営むカフェは、自転車を含むライフスタイルの流行発信地として発展していきそうだ。
www.kingofthefork.com.br
Rua Artur de Azevedo, 1317 Pinheiros, São Paulo
Tel. 55(11)2533-9391
8時〜20時(月〜金)、10時〜16時(日) 土曜定休
更新日:2015/7/15