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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.46 イタリア・シエナ市在住 フランチェスコ・マルティーニさん
コーヒーは世界の友達。地球上の至るところで味わい、楽しまれている飲み物です。全日本コーヒー協会では、各国の"コーヒー大好きピープル"たちに現地取材。"地球人のコーヒーブレイク"を紹介します。
美味しいコーヒーをいれる極意、5つの"M"とは?
Vol.46 イタリア・シエナ市在住 フランチェスコ・マルティーニさん
職業:カフェ経営、コーヒー焙煎業
1972年/マッサ・マリッティマ生まれ
イタリア中部の都市シエナ。城壁に囲まれた街は、かつて欧州北部からローマへの巡礼ルートとして繁栄を極めた。バール"カフェ・フィオレッラ"は、中世の街道沿いにある。間口は狭く、営業時間以外は通りすぎてしまうほど、さり気ない店である。にもかかわらず、日中は立錐の余地もないほどのお客さんで埋め尽くされる。店主のフランチェスコ・マルティーニさんがスタンド式カフェを始めたのは14年前のことだ。「僕はコーヒー焙煎屋の息子。子供のころから豆の香りに包まれて育ったんです」。仲睦まじくカウンターに立つのは夫人のフェデリカさんだ。なんと彼女の実家も別の町でカフェを営んでいるという。コーヒーという共通項が二人をしっかりと結びつけている。
店内の広さは20㎡に過ぎないが、お客さんの流れは実にスムーズだ。それを助けているのはイタリア人独特のコーヒーの味わい方である。入店、注文、カップを受け取る、砂糖を入れる、グッと飲み干す、会計ついでに店主と軽く会話、そして退出。これらをわずか3分程度で済ます。「オーナーは私の顔を見た瞬間に、もうマシンに手をかけているのよ」と常連の女性客は笑う。タッチ&ゴーで飲み干す一杯。店と客の間で交わされる"あ・うんの呼吸"がイタリア式バールを支えている。店主フランチェスコさんに話を戻せば、別に所有する工房で焙煎も手がけている。アラビカ80%にロブスタ20%を加えたオリジナルブレンドは、今や店の人気商品になった。
最後に彼は、古くからイタリアに伝わる、美味しいコーヒーをいれる極意を教えてくれた。Macinatura (挽き加減)、Miscela(ブレンド)、Macchina(マシン)、Manutenzione(メンテナンス) そしてMano(手作業)である。フランチェスコさんは5つの"M"を胸に刻み、今日も絶妙なリズムとともに、お客さんに最高の1杯を届けている。