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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.42 アメリカ合衆国・ニューヨーク市在住 エンリコ・ロレさん
コーヒーは世界の友達。地球上の至るところで味わい、楽しまれている飲み物です。全日本コーヒー協会では、各国の"コーヒー大好きピープル"たちに現地取材。"地球人のコーヒーブレイク"を紹介します。
NY最旬スポットで見つけた、イタリア仕込みの1杯。
Vol.42 アメリカ合衆国・ニューヨーク市在住
エンリコ・ロレさん
職業:カフェ経営
1966年/イタリア・ミラノ市生まれ
マンハッタンから川を隔てた先にあるブルックリンは、ここ数年、ファッションやアートなどニューヨークの最旬カルチャー発信地となっている。もちろん、コーヒーショップも同様。今回ご紹介する"アトラス・カフェ"は、日本人観光客にも人気のウィリアムズ・バーグ地区に位置し、とくに駅近でないにもかかわらず、本物の味を求める客で溢れている。
このカフェが本物であるゆえんはオーナーのエンリコさんがイタリア出身であり、人生におけるコーヒーの意義を知っていることにある。「コーヒー1杯を飲む5分間さえあれば、人々に会話が生まれる。それが仕事で疲れた神経を癒してくれる。だからこそ、この1杯を作ることは簡単なことではなかった」。とくにラテやカプチーノのベースにもなるエスプレッソへのこだわりは強い。味に深みを出してくれるアラビカ豆を80%使用し、さらに苦みを楽しめるようにと約20%ほどロブスタ豆をブレンド。使用している豆は、アメリカ国内はもちろんヨーロッパまで足を運び、約1年がかりで探し抜いて焙煎したもの。とはいえ最終的に頼りになるのは、イタリア仕込みの自らの感性。エンリコさんは店に来るやいなや、かけつけでエスプレッソを1杯味わい、満足げな表情を浮かべていたのが印象的だった。
味に関しては完璧主義者。うってかわって店内のインテリアは「完璧でない姿のほうが生き生きとしている」との理由で、どのテーブルもグラグラ、ガタガタ。あえて安定させないようにしているのだとか。「コーヒーカップを床に落としてしまってもいい。それが、お店のリラックスな雰囲気につながるから」。この計算し尽されたルーズさと、コーヒーの味の確かさが人々を惹きつけてやまない。