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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.39 英国・ロンドン在住 ピート・トムリンソンさん
コーヒーは世界の友達。地球上の至るところで味わい、楽しまれている飲み物です。全日本コーヒー協会では、各国の"コーヒー大好きピープル"たちに現地取材。"地球人のコーヒーブレイク"を紹介します。
もとはビクトリア時代の公衆トイレ...でもラテは最高!
Vol.39 英国・ロンドン在住
ピート・トムリンソンさん
職業:職業・カフェ経営
1977年/英国・シェフィールド生まれ
今年の春、ロンドンの繁華街オックスフォード・ストリート近くに珍なるカフェが開業し、多くのメディアで話題になった。19世紀のビクトリア時代に設置された男子公衆トイレを改築したカフェ"アテンダント"である。
発案から改築工事を経て開業まで6年を費やしたというピートは「125年前の美しい陶器製の朝顔をなんとか再利用し、他とは違うカフェを開きたかった」もちろん、元公衆トイレというユニークな話題だけに頼らず、ディテールへも目を光らせる。硬水のpH度を中性に保つ浄水設備から始まり、コーヒー豆は、いま旬の焙煎所キャラバン社から数ヶ月おきに季節に合うブレンドを注文。
ミルクは、英国西部サマセット州の小さな酪農家からわざわざ直接取り寄せる。脂肪分が高く濃厚なジャージー牛乳をベースにしたラテやフラット・ホワイトは、まろやかな味で、コーヒーの酸味との相性は抜群。常連客が「もう他のカフェのラテは飲めない」と宣言するほど。
また、エスプレッソをコーヒーカップに注ぐ際の角度にもこだわって最適なデザインのカップをアメリカから輸入したという徹底ぶり。狭いカフェの右半分には、カウンターとミニキッチンがある。ピート自らここに立ち、朝食のマフィン用の目玉焼きや昼のサンドイッチに挟むローストビーフなどを手際よく調理する。
「客席が少なく、メニューも限られているだけに、提供するものには完璧を目指したい」と熱っぽく語る。
開業から数ヶ月で、朝は常連客でカウンター前に行列ができるほどになった。互いにファーストネームで挨拶をし、黙っていても好みのコーヒーが出てくる。この心地のよさがますますラテをおいしくするのであろう。