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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
2015.04.10
内藤毅の世界探訪 Vol.9[オープンカフェ19カ国/アジア・アフリカ編]
アジア・アフリカの空の下、オープンカフェでのんびり。
世界中のどこでも、人が集まればそこはすぐにオープンカフェ。アジア・アフリカの美しい人と景色を愛でつつ、平和なコーヒーブレイクを。
エボラ出血熱が深刻な3カ国ではないが、西アフリカを旅したことがある。特に気をつけたのはマラリア。セネガルの安ホテルでは予防薬を飲み、蚊帳を吊り、蚊取り線香と殺虫剤を使用。喉と頭は痛いが、街は楽しい。市場の売り手の女性がパーティーに行くような豪華な服。着倒れのセネガルだ。オープンカフェのテーブルにも1着できそうな絞り模様の美しい青い布。
南部アフリカのモザンビーク。内戦終結直後の中部の街では、首都へのバスはないので小型機をチャーターしろと地元の人に言われ、空港で値段を聞くと10万円相当。だが実はバスがあると言う。おかげで無事、旅を進められた。2度目はマラウイから入国。国境で乗ったのは荷台が客席のアフリカ特有の自転車タクシー。次は大型トレーラーの運転席の後ろ。横転しないかとヒヤリとさせられた。
隣のジンバブエ。入国したのは超インフレで経済が破綻する前のいい時。提示の外貨が少ないので働くためと思われて入国拒否されないか心配した。首都ハラレは近代的ビルばかり。アフリカ的喧騒を探し、見つけたのはジャカランダ咲く紫色の並木道だった。シルクロードに伝わる、伝統的オープンカフェ。
中央アジアのウズベキスタン。かつてのシルクロードのオアシス都市、古都ブハラでバスから降ろされたのは、深夜の幹線道路脇。宿まではタクシーしかない。隣国キルギスで脅され、高い料金を払わされた記憶がよみがえる。ビビりながら乗ると、ここの運転手は親切だった。ブハラでは土色の建物ばかり目立ち、5月なのに暑い。街の中心にラビハウズという池があり、周囲に多くの中央アジア風喫茶店。男たちがのんびり胡坐をかき、遠いシルクロード華やかなりし頃を思い起こさせる。人を魅了する伝統的な店。私もこれを見るためにやってきたのだ。アジア Asia
ウズベキスタン 池の周りには多くの伝統的喫茶店が。木陰のテーブルでチェスを楽しむ男たち。とくに雰囲気のいいのは縁台を使った店だ。ひときわ目立つテーブルクロスは、伝統的な矢がすり模様。ブルネイ 対岸は世界最大の水上都市カンポン・アイール。水上タクシーで行くが、乗り場はカフェのそば。
カンボジア ふ化直前のアヒルの卵を食べている人がいた。割ると少しグロテスクなので苦手。
韓国 工事中のビルのカバーはシュルレアリスムの巨匠マグリットの『ゴルコンダ』の複製画。
マレーシア 大好きなペナンに行くために何度も通りすぎたアロースター。タイに近いカラフルな街。
モルディブ 首都マーレ。港町のホテルの屋上にオープンカフェ。青い海を進む白い小型船が目に入る。
タイ 貧乏旅行者のための安宿街だったバンコクのカオサンロード。宿の下にはカフェがあった。
アフリカ Africa
モザンビーク 初めて来た時、海の渡しに乗った。大きな帆の下、長旅で汚れた私のシャツを見て「洗ってあげようか」と笑顔の女の子。降りた浜の近くには、嬉しいことにオープンカフェが。セネガル 首都の沖合にあるゴレ島。カラフルで美しい。かつての奴隷貿易の拠点で、積出港があった。
エジプト カイロの中心街。男たちが水パイプでたばこを吸っている。エジプトのカフェならではの光景。
モロッコ 古都フェズ。世界遺産に選定された迷宮都市は旧市街(メディナ)。カフェが多いのは新市街。
モーリシャス インド洋に浮かぶ楽園の島と言われるので油断。入国審査が異常な厳しさ。でも海は見事。
ケニア ビクトリア湖北東部湖畔の街キスム。青空市場の青空カフェで現地の豆料理。まずい。
ジンバブエ 一面のジャカランダの紫色の花びらに歓喜。オープンカフェに元気なボーイたちが集まった。
エチオピア 隣国のジブチ、ソマリアにビザの関係で行けず、代わりに行ったのが両国に近いエチオピアのディレダワ。ソマリア人もいるし、カフェも写真で見たソマリアの店と少し似た感じ。
中東 Middle East
ヨルダン 斜面に茶色の建物がギッシリ並ぶアンマンの大通り。一歩入った裏通りで見つけた店。レバノン 地中海に沿って長く並ぶ椅子。新たな客がベイルート・カフェから道路を渡って持ってきた。
アフガニスタン 熱気のあるカブールの市場。地面に敷物を広げた店はアフガン的オープンカフェか。
トルコ 最大の都市イスタンブール。ボスポラス海峡を渡るフェリーもいいが、オープンカフェもいい。
内藤 毅(ないとう・つよし)
出版社勤務を経て、フリーランスへ転向。海外での取材・撮影歴が長く、訪れた国は120カ国以上。コーヒー愛好家でもあり、各国でカフェのある風景、人々を撮影している。『シリーズ日本の伝統工芸-染め物"京友禅"』(リブリオ出版、産経児童出版文化賞受賞)も手掛けた。