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COFFEE BREAK

世界のコーヒー-World-
2014.09.30
内藤毅の世界探訪 Vol.8[カフェの看板娘15カ国]

思い出すのはコーヒーの味、それを彩る看板娘の笑顔。
多くの国のカフェでコーヒーを頼み、カメラを向けた。不思議なことにほとんどが断らない。むしろ喜ばれる。1杯のコーヒーが百年来の知己と思わせるからなのか。
19世紀のフランスの天才詩人ランボーが移り住んだのがエチオピア東部のハラール。ここで生産されるコーヒーがモカ・ハラーだ。市場は詩情にあふれ、ところどころに女性のコーヒー屋がいる。そんなひとりがエチオピア式コーヒーポットのジャバナを使っている。撮影許可を求めると「手だけよ」というのでカメラを向けると周りの人がどっとわく。
首都の空港には華やかな伝統的カフェがある。コーヒー発祥の地ともいわれる同国には日本の茶道に似たコーヒー道なるものがあるが、それを行うエチオピア式コーヒー道具が揃っている。いれる女性も民族衣装だ。
旧ソ連圏のバルト三国のひとつ、リトアニア。夜、レストランでびっくり。カウンター内の女性の前にあったのは容器に入った砂だ。そこには柄の長いトルコ式コーヒーポットのイブリックが。砂は熱せられコーヒーを煮立たせている。他の店でも砂の中のイブリックを発見。出来上がるとカップに上澄みだけをゆっくりと、ほろ酔いの主人が注ぐ。カメラを向けると、出てきた店の女性と酒を豪快に飲み干した。黒海からカスピ海への旅。グルジア的笑顔に救われる。
コーカサス三国のグルジア。実に人がいいのだが、首都トビリシでは悪徳警官に危うく金を巻き上げられそうに。泊まったのはアブハジア難民の住む荒れ果てたホテル。でも、嬉しいことに裏手が市場で、カフェには珍しいロシア式湯沸かし器のサモワール。旧市街のカフェでは、満面の笑みを浮かべた女性がコーヒーを持ってくる。 南のアルメニアに行って戻るとひどい下痢。なんとか治し東のアゼルバイジャンへ。首都バクーの空港でまた災難。係官にパスポートを他の日本人のものと間違えられた。戻るのを待つ部屋でコーヒーが配られていた。猛烈に飲みたかったが、自分には来なかった。アジア & オセアニア Asia & Oceania





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内藤 毅(ないとう・つよし)
出版社勤務を経て、フリーランスへ転向。海外での取材・撮影歴が長く、訪れた国は120カ国以上。コーヒー愛好家でもあり、各国でカフェのある風景、人々を撮影している。『シリーズ日本の伝統工芸-染め物"京友禅"』(リブリオ出版、産経児童出版文化賞受賞)も手掛けた。