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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
2014.06.27
カリオカたちの笑顔が待っている、リオ・デ・ジャネイロのカフェ。
カリオカたちの笑顔が待っている、リオ・デ・ジャネイロのカフェ。
サッカーにサンバ、コルコバードのキリスト像やイパネマ海岸など、魅力の尽きないリオ・デ・ジャネイロ。そんなブラジルNo.1の観光都市の郊外は、その昔、コーヒー産業の発端となった地域だった。いよいよ開幕するサッカーW杯に先駆けて、カリオカ=リオ・デ・ジャネイロっ子の笑顔があふれるカフェを紹介。
Confeitaria Colombo コンフェイタリア・コロンボ
リオ・デ・ジャネイロの中心街を貫くリオ・ブランコ大通りを歩けば、通りを覆うように立ち並ぶ厳かな建築に、かつてこの街が国の首都であった名残を感じるだろう。 活気みなぎる大通りの裏通りに立つ「コンフェイタリア・コロンボ」は、〝古き良き時代〟の輝きを携えた歴史情緒豊かなカフェとして人気で、観光客が絶えない。 トロピカルなまぶしい日差しにさらされた後に入店すると、しばらく店内が暗く感じられるが、慣れてくると店内装飾の豪華さがじわじわと伝わってくる。パリの歴史あるカフェのようなクラシカルな建物は、元はポルトガル人移民によって上流階級のサロンとして1894年に建てられたもの。そこには、かつて世界的に知られた音楽家エイトール・ヴィラ=ロボス、国民的作家マシャード・デ・アシス、あるいは計画都市ブラジリアの建設に取り組んだジュセリーノ・クビチェック大統領などのVIPも足を運んだ。
装飾麗しい空間で、立ち飲み、座り飲み。
1階の喫茶フロアの両側の壁に掛けられた、高さ6メートル、幅3メートルという巨大な8枚の鏡が見ものだ。これらは1912年に行った改装の際に、ベルギーのアントワープから輸入したものだという。今では希少となった木材ジャカランダを用いた、美しい額装が施されている。床全面に敷かれた幾何学模様のタイルは大理石のテーブルとともに西洋的な格式を醸している。その空間を肌で感じようと、訪問客は昼前から行列を作る。
店の人気は約30種の菓子類だ。トロピカルフルーツを使ったタルト、キンジン、ブリガデイロなどブラジルならではの一品からブラウニー、ミルフィーユ、プリンなど定番の菓子までを揃えている。
コーヒーを飲むなら、テーブルに座ってケーキとともにゆっくりと味わうのもよし、また観光スポット巡りに忙しいなら、内装を見やりながらカウンターで立ち飲みするのもいいだろう。
せっかくのリオ・デ・ジャネイロなのだから「カフェ・カリオカ(リオ風コーヒー)」を一度は飲んでみよう。なんてことはないエスプレッソ(場所によってはフィルターコーヒー)をお湯で割ったものなのだが、郷に入っては郷に従って、地元のコーヒー消費文化を体験してほしい。
Confeitaria Colombo
コンフェイタリア・コロンボ
街の歴史を今に残す創業120年のカフェ。リオ・デ・ジャネイロ州の歴史・芸術遺産に指定されており、必見の観光スポットに数えられ外国から訪れる人も多い。
■ www.confeitariacolombo.com.br
Armazém do Café アルマゼン・ド・カフェ
これまで約1世紀半にわたってコーヒー生産量世界一の座を守ってきたブラジルだが、その消費文化が洗練されてきたのはごく最近のことだ。
ブラジルの経済が自由化された1990年、コーヒーの流通や価格を規定していた国営のブラジル・コーヒー院が解体された。それによって、国内市場に競争が生まれ、商品が多様化し、次第に良質なコーヒー豆が国内でも出回るようになったのだ。
コーヒーの美味しさを、啓発する専門店。
リオ・デ・ジャネイロにおいて、コーヒー専門店として先陣を切って97年に登場したのが「アルマゼン・ド・カフェ」だった。
経営者のマルコス・モジアーノさんは、コーヒー輸出を営む一家に育ったエコノミストだった。投資銀行勤務に疲れて旅行したパリで、現地の品数豊富で洗練されたコーヒー豆販売店に感銘を受けた。コーヒー業界の動向に詳しいマルコスさんは、経済自由化後の起業のチャンスを逃さなかった。
イパネマの繁華街に建つ1号店は、カウンターとテーブル5卓のみの狭い店舗ながら、専門店としての風格を備える。棚にはマグカップやエスプレッソメーカーなど各種コーヒー関連グッズが陳列されている。コーヒー豆の産地ごとに音楽のジャンルが商品名としてつけられて並ぶ。「カフェ・サンバ」は名産地スール・デ・ミナス産、「カフェ・ルンバ」はセラード・デ・ミナス産といった具合だ。またリオ・デ・ジャネイロ州ドゥーアス・バーハスで少量生産されるコーヒーも、入荷できたときには限定販売している。
経済自由化以前に国内に流通していたコーヒーがいかに低品質だったかを知るマルコスさんは、「ブラジル・コーヒーの本当の味を楽しんでほしい」と、市内各地で7店舗のカフェ兼コーヒー豆販売店を展開中だ。
Armazém do Café
アルマゼン・ド・カフェ
コーヒーを楽しみたいならココ!とカリオカやツーリストに人気のコーヒー専門店のパイオニア。種類豊富なブラジル・コーヒーは、リオ・デ・ジャネイロ土産に好評だ。
■ www.armazemdocafe.com.br/
Besi ベジ
リオ・デ・ジャネイロにはコーヒーを自家焙煎する専門店は少ないが、洗練された空間で、軽食やケーキとともに種類豊富なコーヒーを提供するカフェがますます増えてきている。 雑貨店とカフェを兼ねた「ベジ」は、セントロ地区にある数少ないお洒落カフェとして人気だ。デザイン雑貨とコーヒーの、ハーモニーを嗜む。
ビジネス街の裏側、落ち着いた風情の路地に建つ「ベジ」は、2008年のオープン以来、女性ファッション誌やインテリア雑誌に頻繁に取り上げられ注目を集めてきた。取り扱う食器などの日用品は、派手な色遣いのものが多く、カリオカの好みが垣間見られるようだ。
店舗は古いレンガ造りの3階建て家屋を改装したもの。吹き抜けのカフェスペースは、自然光が高い位置から優しく降り注ぐゆったりした空間だ。昼どきにもなると、商品の並ぶ雑貨販売フロアにずらりと行列ができる。奥にある人気のカフェをめざす客たちだ。
「サンドイッチやキッシュ、サラダなど軽食がメインなのだけれど、どれも美味しいし、量と価格がちょうどいいの。『ベジ』みたいなお洒落でくつろげる店は、セントロには少ないわ」と、常連のひとりが語ってくれた。
コーヒーはエスプレッソを基本に、カプチーノ、マキアートなどそれをベースにしたコーヒードリンクが種類豊富に揃う。〝リオ40度〟という常套句のとおり、猛暑となる真夏のリオ・デ・ジャネイロでは、コーヒーの消費が減る。「ベジ」ではカフェ・フラッペやアイス・カプチーノなど、まだ珍しい冷たいコーヒーを用意している。
いよいよ今年2月には、満を持してイパネマに3号店をオープンした。そのセンスのよさと、観光客の多い街の流行の発信地に登場したことで、今後さらに注目されそうだ。
Besi
ベジ
リオ・デ・ジャネイロにまだまだ少ない雑貨店兼カフェ。新興エリアのバーハ・ダ・チジュッカのショッピングセンターに2号店、そしてイパネマの繁華街に3号店を展開。
■ www.besi.com.br
La Bicyclette ラ・ビシクレッテ
リオ・デ・ジャネイロの観光名所にジャルジン・ボタニコ(植物園)がある。元はブラジルに亡命した宗主国ポルトガルの王室が1808年に作った王立農業試験場だった。胡椒やシナモンなど、当時ヨーロッパで重宝されていた外来の植物が試験的に栽培されたのだが、コーヒーも同様に研究の対象としてここで栽培された。「朝のコーヒー」から始める、リオ・デ・ジャネイロ観光。
そんなブラジル・コーヒーにゆかりのある植物園の敷地に、2012年に開店したベーカリー・カフェが「ラ・ビシクレッテ」だ。
自転車を意味するフランス語の店名どおり、オーナーは自転車愛好家のフランス人とブラジル人の夫婦。開店前は自転車で手作りパンを配達するケータリングを行っていた。
店の売りは天然酵母による各種の自家製パン。「コーヒーにも手作り感のある小規模農園のものを選びたかった」と、オーナーのアナ・パウラ・ジェンチルさん。
「ラ・ビシクレッテ」で使っているコーヒー豆は、サンパウロ州モジアナ地方のペセゲイロ農園のもの。この農園は家族経営で、アナさんのお眼鏡にかなった。香りも味もすばらしく、高級食材店などで市販もされる人気商品だ。エスプレッソやカプチーノなど6種類のコーヒードリンクを提供している。
週末はブランチ目当てに訪れる客が多く、コーヒー、ジュース、パン、サラダなど組み合わせの異なる5タイプのモーニングセットが人気だ。
朝食のことをブラジルの公用語ポルトガル語ではcafé da manhã(カフェ・ダ・マニャン)という。直訳すれば「朝のコーヒー」。すなわちブラジル人の一日はコーヒーから始まるということだ。コーヒーゆかりの植物園で味わう一杯のコーヒーから、リオ・デ・ジャネイロ観光を始めてはいかが?
La Bicyclette
ラ・ビシクレッテ
フランス人とブラジル人の夫婦が2010年にオープンしたベーカリー・カフェ。本店は植物園と同名のジャルジン・ボタニコ地区の住宅街に。植物園内の店舗は2号店。
■ www.labicyclette.com.br