全日本コーヒー協会

COFFEE TIMES

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2014.02.26

コーヒー消費から見る、オーストラリア人のライフスタイル

コーヒー消費から見る、オーストラリア人のライフスタイル

カフェ経営者 サルヴァトーレ・マラテスタ氏

 オーストラリアでは2012年の1年間で21億杯を超えるコーヒーが購入された。これを同国の同年人口2,268万人で割ると、1人当たり、約93杯となる。また別のデータによると、オーストラリアの国民1人当たりが消費するコーヒーは年間2.9kg。50年前は0.6kgだったから、約5倍に増えたことになる。かつてイギリスの植民地だったことから、この国の家庭で飲まれる温かい飲み物の主役は紅茶だったが、先頃家庭におけるコーヒーの消費量が初めて紅茶を上回ったことがわかった。このようにコーヒー消費が確実に伸び続けているオーストラリアのコーヒー事情について、メルボルンの複数の人気カフェを経営し、"コーヒー業界のドン"といわれるサルヴァトーレ・マラテスタさんに聞いた。

オーストラリア風カフェは、カルチャーとして海外へも。

「この国のコーヒー消費はカフェの動向と密接につながっています。20年くらい前まで、レストランなど外食の場で飲むコーヒーは品質も悪く、ブラック(ストレート)かホワイト(ミルク入り)の選択肢しかありませんでした。しかし、家庭内では、1950年代からイタリア、ギリシャ、フランス、トルコなどからの移民たちによって、本格的なコーヒーが飲まれていたのです」  80年代後半になると、主にイタリア系の人々によって、ラテやカプチーノといったエスプレッソ系ドリンクを提供するカフェが次々と現れ、これらが人々に「新しい飲み物を飲む、新しい場所」として受け入れられた。ロング・ブラック、フラット・ホワイトなど、独自の表現も登場して、コーヒーの飲用はこの国独自のカルチャーとして人々に浸透していく。 「アーティストや起業家がカフェやコーヒーを面白がって、次々に新しい店ができました。そういった動きが自由を好むこの国の国民性によくマッチして、ムーブメントになりました。そうしてコーヒーは〝家の外〟で楽しむ飲み物として広まりました。人々は、朝、仕事の前にカフェでコーヒーを飲みます。午前中はカフェで仕事をしながら一杯。ランチタイムにはまたカフェで昼食の後に一杯。午後には友だちとおしゃべりしながら一杯......という具合に1日を過ごしているのです」

 オーストラリアで磨かれた新しいコーヒー文化は、今や海外に輸出され、世界のコーヒーシーンに影響を及ぼしている。ロンドンやベルリンでもフラット・ホワイトが認知され、アジアの大都市でもメルボルンで修業した人がコーヒーショップを開いている。産業リサーチ会社の予測によると、オーストラリアのカフェやコーヒーショップのビジネスはこの先5年間、毎年2.6%ずつ成長し、49億6,000万豪州ドルの売り上げに達する見込みである。 「われわれは現状に満足せず、常に新しいことをカフェで展開しています。それを顧客の側も面白がってくれています。コーヒーで表現できることはまだたくさんあると思っています」

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Australia オーストラリア オーストラリア主要情報 ■ 面積 : 769万平方キロメートル(日本の約20倍) ■ 人口 : 約2,294万人 ■ 首都 : キャンベラ ※外務省HPより(2013年12月現在)
取材、文・ 浮田泰幸 / 写真・片岡弘道 更新日:2014/02/26