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COFFEE BREAK

世界のコーヒー-World-
2013.10.23
内藤毅の世界探訪 Vol.7[カフェの看板19カ国]

お国柄の表れる内装は、旅を彩るカフェの思い出。
人々の憩いの場であるカフェの内装、飾ってある絵や置物にはお国柄が表れて面白い。治安の悪い国でもカフェは平和な場所。コーヒー豆の収穫風景などが描かれていた。 東アフリカのコーヒー産地ブルンジの首都ブジュンブラは、内戦はかなり前に終わっていたが治安が悪かった。街の中心の市場の前には小銃を手にした警官が非常に多い。市場に入ると親切なおばちゃんに「スラれるからバッグは前にかけな」と注意され、干し魚売り場では私のバッグに手をのせただけの男がスリと疑われ、何人もの男たちから殴られる。立場が逆になったらと思うとゾッとし急いで外に出た。ところが、一息入れて写真を撮っていると危うく小銭入れをスラれそうになる始末。オープンカフェでは小銃片手の警備員に撮影を止められた。一方、市場を離れたカフェは平和。店の人はカメラを向けると照れて逃げ出した。国産コーヒーが並び、窓にはコーヒー豆の収穫風景が美しく描かれていた。少し不気味な絵も、カフェでは愛されキャラ。
成長著しい南部アフリカのモザンビーク。訪れた内戦終結直後当時は全土に地雷が埋まり、まだ危険だった。だが、バスで着いた中南部のマシシは海に大きな帆の渡しが浮かぶ美しい街。泊まったドルフィンホテルは村上春樹の小説に出てくる「いるかホテル」と同名で、何故か嬉しい。 ただ、一階のカフェの不気味な絵にはビックリ。人間をデフォルメしたような坊主頭で裸の生き物たちが蠢いていた。人気があったのか、似た絵を首都の路上でも何枚も見かけた。だが再訪した2009年には一枚も見なかった。内戦と関係があったのか。 私の好きなノルウェーの国民的画家ムンクの代表作「叫び」も暗くて不気味だ。これが小さな人形になり、オスロのカフェに置かれていたのには仰天してしまった。世界的名画の人形化は許されるのか。でも、ノルウェーでは国民的アイドルなのかもしれない。カフェの棚の人形には不気味さはなく、可愛げすらあったから不思議だ。アジア & オセアニア Asia & Oceania






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内藤 毅(ないとう・つよし)
出版社勤務を経て、フリーランスへ転向。海外での取材・撮影歴が長く、訪れた国は120カ国以上。コーヒー愛好家でもあり、各国でカフェのある風景、人々を撮影している。『シリーズ日本の伝統工芸-染め物"京友禅"』(リブリオ出版、産経児童出版文化賞受賞)も手掛けた。