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COFFEE BREAK

世界のコーヒー-World-
2013.09.09
内藤毅の世界探訪 Vol.6[カフェの看板21カ国]

カフェの看板は、香り高き旅のスパイスだ。
旅で出会うカフェは、いわば土地の顔。看板の文字やアートにも国ごとの表情がうかがえる。トラブルもあれど、美味いコーヒーがあれば帳消しだ。21カ国を写真とともに紹介しよう。
旅先でカフェの看板を見つけるとうれしくなってシャッターを押す。殆どの国で自由に撮ることができたが、数少ない例外はルワンダだった。
ルワンダは東アフリカ内陸の小さな国。コーヒーの輸出が好調で経済の成長が著しい。だが、1990年代には80万人が虐殺された国だ。隣国ウガンダからバスで入ると身が引き締まった。入国係官は「国外の大使館でコンピュータ申請する必要がある」と予期せぬことを言う。やはり簡単には入国できないと諦めかけると「ビザ代は40ドル」と。許可してくれたのだ。
首都キガリは緑の多い平和な街だったが、ガイドブックを見て驚いた。人だけでなく建物を撮る場合にも所有者に許可を得よ、と書いてあったのだ。誇張かと思い観光案内所で確かめると「その通り」。そこでカフェの看板はわざわざ店の人を呼んで撮った。トラブル回避と思いきや、カザフスタンでは連行!
トラブルは旧ソ連圏のカザフスタンで起きた。隣のキルギスから入ると、緑の草原が広がる。看板のキリル文字「kaϕe」が新鮮で、同国最大の都市アルマティではそればかりを撮っていた。そして出国前、バスターミナルのカフェの客を撮っていたところ、警官に連行されたのだ。狭い通路を奥へ奥へ。悪い予感。以前、同じ旧ソ連圏のグルジアで警察官に危うく金を巻き上げられそうになったことがある。まずい。だが、奥の詰所でパスポートを見せると無事解放してくれた。 同じ旧ソ連圏でバルト三国のひとつリトアニア。5月の首都ビリニュスはタンポポの花咲く黄色の都。カフェの看板はキリル文字ではなくリトアニア語「kavine」だ。とあるカフェのドアに大きく日本語で「扉」と書かれていたのでビックリ。中に入ると、カウンターの向こうにいたのはなんと日本人の若い男の留学生だったのだ。北米 & 中南米 North America & Latin America





ヨーロッパ Europe








アジア Asia




中東 Middle East


アフリカ Africa


内藤 毅(ないとう・つよし)
出版社勤務を経て、フリーランスへ転向。海外での取材・撮影歴が長く、訪れた国は120カ国以上。コーヒー愛好家でもあり、各国でカフェのある風景、人々を撮影している。『シリーズ日本の伝統工芸-染め物"京友禅"』(リブリオ出版、産経児童出版文化賞受賞)も手掛けた。