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コーヒー生産の経済的重要性
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コーヒーは、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピアの大生産国からホンジュラス、グアテマラ、ウガンダ、ルワンダ、イエメン、東ティモールなど経済的には豊かとは言えない国も含め世界70カ国以上で生産され、2500万もの農家の生活を支え、これら生産国の外貨獲得の重要な輸出産品となっています。
このため、日本などのコーヒーの大消費国における飲まれ方はコーヒー生産国の経済状況を左右すると言っても過言ではありません。
コーヒー消費量の拡大
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世界ではコーヒーの持つ魅力から愛飲される方が増えており、1980年以降の40年間でその消費量は2倍(約500万トンから約1,000万トン)になっています。この間、ブラジルなどの主要生産国における栽培技術の高度化や新たな大生産国としてのベトナムの出現などにより生産量は増大し、世界的な消費量の増大とのバランスが保たれている状況です。しかし、最近では、膨大な人口を有するインドネシア、フィリピン、ベトナム、中国などが大きく消費量を伸ばしており、今後さらなる生産体制の確保が必要になってきています。
コーヒー生産の危機
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コーヒーは繊細な作物であるため、栽培する場所は気温や降水量、標高などの条件が重要で、赤道をはさんで南北緯25度、北回帰線と南回帰線の間のコーヒーベルトと呼ばれる地域で生産されます。どこでも栽培できるものではありません。このように繊細な作物であるため、年によっては降霜、干害、病害虫の大量発生などによりその生産量を大きく減少させることがあります。
現在、地球温暖化による気温上昇が大きな問題になっていますが、民間の調査機関によれば、将来的に世界におけるコーヒー生産の適地が大幅に縮小するとの予測もあり、このような事態になりますとコーヒー生産国にとっては経済的なダメージ、また、消費国にとっては、この素晴らしいコーヒーを安定的に消費者の皆様にお届けすることが難しくなります。