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コーヒー・ワンダーランド

コーヒー歴史トリビア・クイズ 〈コーヒーの味わい方の変遷編〉

謎めいているからおもしろい!コーヒー歴史トリビア・クイズ
〈コーヒーの味わい方の変遷編〉

いまや世界中の人々に愛されているコーヒー。ドラマに満ちたその歴史には多くの謎が潜んでいる。クイズ形式のコーヒー歴史トリビア、第9回はコーヒーのさまざまな味わい方がテーマです。
Question1

コーヒーが現在のようないれ方(生豆を焙煎し、粉砕して、お湯または水で抽出する)をされる以前は、別の形の飲み物だった。どのような飲み物だったか?

Answer1 果実酒やコーヒーウォーター

900年ごろアフリカで熟したコーヒー豆の外皮と果肉から取った液体を発酵させ、一種の果実酒を作っていたことがわかっている。また、ペイヤンという人物が次のように述べている。〈初めて飲まれた時にはコーヒーを煎ることには考えがおよばなかった。しかし、乾燥した豆の香りに引きつけられたので、豆を水に浸し、香りの移った水を飲んだ。生豆を外皮のままつぶして水に浸すのは、その後の工夫である〉

Question2

アフリカの一部ではコーヒーは長らく食べ物として利用されていた。煎って細かく砕いた豆と一緒に混ぜて団子を作る際に用いられたものは次の4つのうちどれ?

a 砂糖
b 獣脂
c 小麦粉
d キャッサバ粉

Answer2 b 獣脂

スコットランド人探検家、ジェームズ・ブルースがナイル川の源流を発見した探検旅行(1768-73)の途上、コーヒーを団子にして食べる習慣が数世紀にわたって続いていることを知った。また他の著述家によると、アフリカ遊牧民のガラ族は遠征の際、ビリヤード球くらいの大きさのコーヒー団子を携行食として身につけていた。これらの用途は、コーヒーに多く含まれるたんぱく質を活用しようとしたものである。コーヒー豆には14%ものたんぱく質が含まれている。ちなみにピーナツは24%、小麦粉は11%である。たんぱく質は水に溶けにくく、またフィルターを使う抽出法ではたんぱく質は漉されてしまうので、われわれはコーヒーのたんぱく質をコーヒー殻と一緒に捨ててしまっていることになる。

Question3

ウガンダで嗜まれていた「メンガイ」という甘い飲み物の材料はコーヒーともう一つ別のあるものだった。それはつぎの4つのうちのどれ?

a 牛の血
b 木の樹液
c バナナ
d サトウキビ

Answer3 c バナナ

ウガンダの人々はコーヒー豆を生のまま食べる習慣があった。メンガイの詳細は明らかではないが、豆ではなく、果皮や果肉の部分を使い、バナナとともに煮詰めたのではないだろうか。コーヒーの果肉には多少の糖分が含まれる。Q1に登場するコーヒー酒もそうだが、種子以外の部分の利用は意外なほど広範囲にわたる。例えばギアナではコーヒーノキの若い芽を摘んで、茶を作っていたという。〈乾燥させた芽を少し熱した銅板の上で伸す〉との説明があるが、これは紅茶や半発酵系の中国茶を作る際に行われる萎凋のような作業なのかもしれない。

Question4

18世紀初頭、イエメンの宮廷やレヴァント地方(現在のシリア、レバノン、ヨルダンなど)の著名人たちの間で飲まれていたコーヒー由来の飲み物は、見た目がイギリスでポピュラーなある飲み物とよく似ていたという。その飲み物とは?

Answer4 ビール

この飲み物の作り方は──まずコーヒー豆の外皮を土器のポットに入れて炭火にかざす。そこにシルバースキン(種子を包む果皮は外側のパーチメントと内側のシルバースキンの二層になっている)を少量加えて、焦げるまでかき混ぜる。外皮とシルバースキンの割合は4:1。これを沸騰している湯に入れてさらに30分以上煮立てる。これについて記述したラ・ロークは「正すべき苦味はなく、甘味を加える必要はない」としているので、まさに上等のエールのような香り高い飲み物であったと想像される。

Question5

16世紀、レヴァント地方で長い柄のついたコーヒー沸かし器「イブリック」が普及した。これでいれるコーヒーにしばしば添加されたものは、次の4つのうちどれ?

a シナモン
b クローブ
c 砂糖
d 竜涎香

Answer5 4つすべて正解

イブリックを使ったコーヒーのいれ方は、煎って粉にしたコーヒーをイブリックの沸騰した湯に入れ、湯が煮立つたびに火から下ろす作業を数回繰り返すというもの。これによりそれまでの長時間煮出す方法よりも短時間でコーヒーをいれることができるようになった。好みでシナモンやクローブを沸騰している間に加える。同じタイミングで砂糖を入れるのはトルコで始められた習慣。竜涎香(マッコウクジラの腸内にできる結石。極めて高価な香料)はフィンジャン(小ぶりなカップ)に注いだコーヒーに一滴垂らす。

Question6

17世紀、フランスのコーヒー商人で文筆家、哲学者のフィリップ・シルベストル・デュフールは、トルコやアラビアでのコーヒーの飲まれ方について、「コーヒーは飲むものではなく、△△△するものだ」と記している。△部分は次の3つのうちどれ?

a 舐める
b 食べる
c 吸い込む

Answer6 c 吸い込む

〈コーヒーは飲むものにあらずして吸い込むものにて、しかも耐えうる限り熱いままなり。火傷せぬためには舌を碗に入れず、縁を持ちて上下の唇にて挟み、縁に軽くつけ、縁には押しつけなきようにする。そして啜る。言うならば一滴一滴吸い込むものなり〉舌の使い方まで丁寧に述べられていて笑える。火傷の危険をおかしてまで熱々にこだわる様は落語に出てくる江戸っ子の銭湯での作法を思い出させる。デュフールの記述は次のように続く。〈ポットのコーヒーをかき混ぜるは誤りなりて、コーヒーかすには値打ち皆無なり。レヴァント地方にては、かすを吸い込む者は僅かなり〉

※参考文献/『オール・アバウト・コーヒー―コーヒー文化の集大成』(TBSブリタニカ)

文・構成 浮田泰幸 / イラスト・マツモトヨーコ
更新日:2018/04/18



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