ホーム > コーヒー海外事情 > コーヒー消費から見る、ブラジル人のライフスタイル

コーヒー海外事情

コーヒー消費から見る、ブラジル人のライフスタイル

 「Açúcar ou adoçante ?(砂糖ですか?ダイエット・シュガーですか?)」とは、ブラジルの飲食店でコーヒーを注文した際によくされる質問だ。その二者択一の問いには最初からブラックで飲むことは想定されていない。問いを拒んでブラックで飲めば、怪訝な顔をされたりすることもある。

 そんな反応は地方や低所得者の生活圏に行くほど多く見られる。大衆的なバールでコーヒーを頼めば、既にたっぷりと甘いこともごく普通だ。

ブラジルコーヒー産業協会(ABIC)会長
佐藤・アメリコ・タケミツ氏

 国土の広いブラジルは、地域、人種、所得格差などの多様性がダイナミックで、地球上のもうひとつの惑星といってしまえるほど。そんなお国柄に加えてコーヒー生産大国であるがゆえに、コーヒー文化も多様だ。今回紹介したカフェは一杯の値段が比較的高価なので、一般大衆が日常的に利用するような店ではない。では大衆的なコーヒーはといえば、先に挙げた飲食店の甘いコーヒーや、路上でケーキとともに売られている一杯。多くは安価な豆を布製フィルターでいれたものだ。なお、ブラジルでは家庭でコーヒーをいれるための方法も布製フィルターがポピュラーだが、これもその経済性によるところが大きいといわれる。 

 この多様な顔をもつ国ブラジルのコーヒー文化の傾向を知るべく、ブラジルコーヒー産業協会(ABIC)の佐藤・アメリコ・タケミツ会長を訪ねた。

特に外食での消費がアップ。空前のコーヒーブームの到来。

 「ブラジルで最も消費される食品は、実はコーヒーなんです」と佐藤氏。この言葉を裏付けるのはブラジル地理統計院(IBGE)の2009年度の調査で、ブラジル人は1人当たり1日平均215.1gを消費しており、驚くのは主食の米(160.3g)とフェイジョン豆(182.9g)を超える数字であることだ。

 また外食でコーヒーを飲むケースが顕著に増えているという。ABICの調査によると2005年にはわずか14%の人が外でコーヒーを飲むと答えていたのに対して、2010年には57%を記録した。実に4倍である。佐藤氏によれば、コーヒーを美味しくいれるためのエスプレッソマシンやその他の器具が飲食店に普及したことが原因だというが、それに加えて経済成長により国民の購買力が確実に上がっていることも挙げられるだろう。

 ほとんどの市販コーヒーの外装にはABICの「Selo de Pureza(純粋コーヒーの証印)」が印刷されている。これは、過去に他の穀物を混ぜたコーヒーが流通していたためで、証印は1973年に発行された。

 「証印はコーヒーの純度を示すものであり、品質の良し悪しを保証するものではありません。昨今消費者はグルメになってきて、ますます高い品質を求めています。ABICはその現状に応えるべく、品質のランクを示す別の証印を作成する予定です」と佐藤氏はいう。

 いま、ブラジルは空前のコーヒーブームにある。生産大国の国内消費のあり方には世界が注目している。

※クリックで拡大します。

Brazil
ブラジル

ブラジル主要情報
■ 面積:約851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍) 
■ 人口:約1億9,400万人(2008年、国連統計)
■ 首都:ブラジリア ※外務省HPより(2011年5月現在)

文・写真 仁尾帯刀
更新日:2012/02/27



  • ラブドリ
  • 日本インスタントコーヒー協会
  • 全日本コーヒー商工組合連合会
  • 日本家庭用レギュラーコーヒー工業会