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コーヒー海外事情

コーヒー消費から見る、フランス人のライフスタイル

フランスコーヒー協会会長
ジャン=ジャック・ルーナー氏

 フランス人と言えば「カフェオレとフランスパン」の紋切り型のイメージがあるが、意外にも、コーヒーの消費量はさほど多くない。2012年の国民ひとり当たりの年間平均消費量は5.66kgでヨーロッパ8位。1位フィンランドの半分以下だ。その背景にある興味深い歴史を、フランスコーヒー協会会長のルーナー氏が教えてくれた。

「フランスでは、一般家庭で飲むものと言えばとにかくワインが主流でした。朝食もワインを飲んでいたため、朝からずっとほろ酔い加減、という人も。その改善策として、覚醒効果のあるコーヒーが朝食に取り入れられるようになったのです」

 産業が急成長した19世紀に、この風潮は加速。以来朝の食卓ではコーヒーが主役となり、子供までカフェオレを飲む習慣ができたのだという。

「あとは昼食後に濃い目の一杯を飲むことが、フランス人の定番ですね。これは消化促進と、午後の仕事への目覚ましのためです」フレンチレストランで食後に必ずコーヒーを勧められることには、こんないわれがあったのだ。

ロブスタ豆から、単一生産地のアラビカ豆へ。

 フランスのコーヒー消費にはもうひとつ、歴史的な特徴がある。ロブスタ豆の消費が多いことだ。これはフランスの旧植民地の多くが、アジアのロブスタ生産地であったため。昨年の生豆輸入元データでも、1位ブラジル(20.16%)に僅差で次ぐのはベトナム(19.37%)だ。「現在では、年間消費の約4分の1がロブスタで、残りはアラビカと言われます。そしてアラビカは年々増加している。ロブスタより高価ですが、味で勝るアラビカの需要が増えているのです」

 実際、フランスのコーヒー輸入量はここ3年で減少傾向にあるが、輸入額は順調に伸びている。これは単一生産地銘柄のアラビカ豆の人気が上がっているため、とルーナー氏は分析する。

「家庭用のカプセル型エスプレッソマシンが普及したことが大きな要因ですね。カプセルでは単一生産地のアラビカ豆を大きく謳っているので、豆の生産地に対する消費者の意識がぐんと高くなりました。現在パリで若い焙煎家たちが目覚ましい活躍をしているのも、こうした消費者の成長があってのこと。今彼らは、品種やテロワール(土地柄の特徴)でワインを見るのと同じようにコーヒーを見て、よりよい品質のものを求めているのです」

 750の企業・焙煎家が加盟するフランスコーヒー協会では、この消費者の変化を大きなチャンスと捉えている。

「マシンの影響で消費者の舌は育ちましたが、コーヒーを一番美味しく飲む方法は何と言っても、飲む直前に豆を挽いて、いれること。その習慣をもっとアピールしながら、消費者を満足させられる高品質の豆を提案・販売していきたいと考えています」

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France
フランス

フランス主要情報
■ 面積 : 54.4万平方キロメートル
■ 人口 : 約6,560万人
■ 首都 : パリ
※外務省HPより(2013年5月現在)

更新日:2013/09/9



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