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ART

コーヒーと世界遺産 Vol.1

ルーブル美術館所蔵、ポンパドゥール夫人のコーヒーミル。

 パリが世界に誇る美の殿堂、ルーヴル美術館。そこはかつて歴代のフランス国王が暮らした宮殿であり、パリという街が歩んできた歴史を物語る建造物の一つとして、世界遺産(「パリのセーヌ河岸」)に登録されている。館内には「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」など、名だたる名品が並ぶ。その中で、フランス王室の調度品を中心とする工芸品部門は、宮廷文化を鮮やかに彩った王家の愛用品を間近に見ることができる貴重な空間だ。

豪華さの中に気品漂う、王室調度品の逸品。

Moulin à café
コーヒーミル

ポンパドゥール侯爵夫人のコレクション
制作年:1756-1757 年
作者:ジャン・デュクロレ(1708-1776 年)
素材:金、象牙
サイズ:高さ9.5㎝ × 直径5.2㎝
所蔵先:ルーヴル美術館
©Daniel Arnaudet/RMN-GP (Musée du Louvre)/amanaimages


 制作者のジャン・デュクロレは、18世紀のパリで活躍した名高い金銀細工・装身具細工師。当初、取っ手の部分には宝石の一種“碧玉”が使われていたが、現在は象牙に替わった。

「上品な金色の輝きでしょう? このコーヒーミルはポンパドゥール夫人の所蔵品です。コーヒーの木の枝や実が全面に描かれた装飾に、18世紀のパリのコーヒーへの熱狂ぶりを感じますね。しかも、地のイエローゴールドの上に、コーヒーの実はピンクゴールド、葉はグリーンゴールドという異なる3色の金が贅沢に使われているのです」と話すのは、西洋美術史が専門の大野芳材先生。

 フランス国王ルイ15世(在位1715~1774年)の寵姫であったポンパドゥール夫人は知性と教養にあふれ、政治にも強い影響力を与えたとされる。フランス王室にトルコ帝国からコーヒーがもたらされたのは17世紀後半。その味と香りはたちまち宮廷を魅了し、ルイ15世のヴェルサイユ宮殿の庭園にもコーヒーの木が植えられた。そして、王自らがコーヒーをいれて客をもてなすこともあったという。

昼食

制作年:1739 年
作者:フランソワ・ブーシェ(1703 ~1770年)
油彩・キャンバス
サイズ:81.5㎝ ×65.5㎝
所蔵先:ルーヴル美術館
©The Bridgeman Art Library/amanaimages


 18世紀のフランス貴族の典型的な朝食の情景を描いた作品。給仕がコーヒー(またはショコラ)をいれている。コーヒーは宮廷から上流階級の人々にも広まり、1689年にパリに最初のカフェがオープンした。

「当時は複雑な曲線を用いた優美なロココ様式の美術品や建築物が主流でしたが、古代ギリシャ・ローマの様式を手本とするシンプルな新古典主義が、徐々に芽吹きつつある時代でもありました。このコーヒーミルは、素材は豪華ですが、形はそれまでのものと比べると、非常にすっきりとしたものになっており、新しいスタイルを先取りした例といえるのではないでしょうか」

 まさに、流行に敏感な夫人らしい持ち物。その洗練された美しさは、今も衰えることなく輝き続けている。

大野芳材(おおの・よしき)
1954年生まれ。東京大学人文科学系大学院美術史専攻博士課程、パリ第四大学博士課程でフランス17・18世紀美術を学ぶ。現在、青山学院女子短期大学芸術学科教授。フランス近世美術専攻。著訳書に『18世紀の美術』(共訳、岩波書店) 『シャルダン』(翻訳、西村書店) 『フランス近世の美術』(財務省印刷局)など。

監修・大野芳材(青山学院女子短期大学 教授) 文・牧野容子
更新日:2012/06/27



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