COFFEE BREAK

インタビュー

インタビュー-Interview-

2012.02.27

米田 功【アテネオリンピック・金メダリスト/メンタルトレーナー】

米田 功【アテネオリンピック・金メダリスト/メンタルトレーナー】

コーヒーをいれる過程も、贅沢で素敵な時間だと思う。
米田 功【アテネオリンピック・金メダリスト/メンタルトレーナー】

アテネオリンピックの日本男子体操でキャプテンを務め、団体で28年ぶりの金メダル獲得という快挙を成し遂げた米田功さん。現役体操選手の頃も今現在も、毎日必ず飲む〝マストなコーヒー〟とは!?

 小学生の頃からコーヒーが大好きでした。母がコーヒー好きで、家でよく飲んでいた影響もあり、自然な流れで、砂糖と牛乳をたっぷり入れたインスタントコーヒーを飲むようになりました。いわゆる〝コーヒー牛乳〟ですね。家族でファミリーレストランに行ったときも、親のマネをしてコーヒーを注文し、それがとても美味しかったので、ますます愛飲するようになりました。

 そうして子どもの頃から慣れ親しんできたコーヒーは、いつしか僕にとって、最も身近で安心感を与えてくれる飲み物になっていました。朝はもちろん、夜寝る前にもコーヒーを飲むと、落ち着いてよく眠れるんです。

気軽に飲める缶コーヒーは、海外遠征のマストアイテム。

シックなカフェやホテルのラウンジでコーヒーを飲む時間は、心から優雅な気分に浸れるひととき。 取材協力:Cafe&Bar Espion

 体操の練習中も、常に缶コーヒーを1~2本飲む習慣があったので、海外遠征のときは大変です。スーツケースに滞在する日数分の缶コーヒーを、必ず入れて出かけていました。1日1本、10日なら10本! それだけで、もう大荷物(笑)。日本なら自動販売機を見つければいつでも飲めますが、海外には缶コーヒーがないから持って行くしかない。男子体操団体で金メダルを獲得したアテネオリンピックでも、選手村に置いてある僕の荷物には、たくさんの缶コーヒーが入っていました。

 今、振り返ると、アテネオリンピックは、行く前の方が、「失敗したらどうしよう......」と、緊張していました。でも、アテネに到着するとそこまでのプレッシャーは感じなかった。選手村にはテレビがなかったので現実味もなく、夢の世界にいるような感覚で意外とのびのびできました。オリンピック出場という一番の目標が実現し、〝日本代表として日の丸を背負っている〟という心境も、自分のモチベーションを高くしていた。現在は、解説者として試合を客観視する立場になりましたが、実は、観ている方が緊張するんです。細かい部分まで冷静にとらえてしまい、自分が出場していたときより、ずっとドキドキしています。

 引退後、痛感するのは、社会人は、自分のための時間をおろそかにしがちだということ。これは、自身で反省している点でもあり、みなさまにも気に留めてほしいことです。例えば、慌ただしく仕事をしながら何杯もコーヒーを飲むのと、ちょっと手を止めてゆっくりと1杯のコーヒーを飲むのとでは、味わいも気分も全然違います。僕は、家では自分でコーヒーをいれるのですが、コーヒー豆を用意して、お湯を沸かし、少しずつドリップしていく。その過程も、徐々に部屋に広がるコーヒーの香りも、すべてを楽しむ。こういう時間をつくるのは、すごく贅沢で素敵なことです。そして、「美味しいな、幸せな時間だな」と感じて飲むことで、より心が豊かになります。ちょっとした時間でそういった気分に浸れるのも、コーヒーの魅力のひとつ。みなさまも、ゆとりあるコーヒータイムを意識し、是非、楽しんでください。

文・高橋さやか / 写真・大河内禎
更新日:2012/02/27
INFORMATION
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PROFILE
米田功 (アテネオリンピック・金メダリスト/メンタルトレーナー) 7歳から体操を始める。2004年、アテネオリンピックの日本男子体操でキャプテンを務め、団体で28年ぶりとなる金メダル、種目別の鉄棒でも銅メダルを獲得。引退後は指導者、メンタルトレーナーとして活躍。2011年11月、米田功体操クラブを開設。
米田功
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