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コーヒーと私

大森美香【脚本家】

仕事と私とコーヒーと。 Vol.13
大森美香【脚本家】

大ヒット作『あさが来た』をはじめ数々の人気ドラマを生み出す大森美香さん。執筆の作業中、その傍らにはいつも温かいカフェオレが。

 脚本の執筆中はいつにも増してコーヒーを飲む量が増える。日頃は家でドリップ派だが、忙しくなるとインスタントコーヒーで手軽にすませることも。
「ドリッパーは最近では円錐形を愛用しています。根をつめて書いている時、少しずつお湯を注ぎながらコーヒーの粉が膨らむのを見つめていると、一種の気分転換にもなります。温めた牛乳を注いでカフェオレにしていただくのが好きですね。緊張状態の脳と体がじんわりほぐされていく感じがします」

好きになった原点は、コーヒー牛乳。

Illustration by takayuki ryujin

 子供の頃、両親がいつもインスタントコーヒーに砂糖と粉末クリームを入れて飲んでいた。真似して作り、父や母に出してあげることもあったが、自分では飲み物がどうして美味しいのか、不思議でならなかった。
「小学校高学年の時、母がコーヒー牛乳のゼリーを作ってくれました。それが美味しくて気に入って……刷り込まれたようにコーヒー牛乳を飲むようになりました。中学生になっても、試験勉強の時はもっぱら牛乳を入れたコーヒー。眠くならないようにコーヒーを少し多めにすることもありました」
 大学を出てテレビ局に入社。事務職に就いた。新入社員時代は男性社員にコーヒーを出すのも仕事の一つだった。
「約15人分のコーヒーを朝と午後3時に出しました。この部長さんはお砂糖とクリーム一つずつ、課長さんはブラックと、一人ひとりの好みを先輩から引き継いで頭に叩き込んで。コーヒー1杯でも人それぞれ微妙に味の好みがあるんだなあと面白かったですね」
 24歳で退社。ADを経て脚本家の道に。多くのヒットドラマを手がける中でも2015年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』は平均視聴率23.5%と、朝ドラとしては今世紀最高を記録した。
「以前にも朝ドラを経験していましたが、その時とは状況が大きく違い、幼稚園に通う娘を育てながらだったので、どうやって仕事の時間を捻出するか、格闘しながらの日々でした。156回、半年間の連続ドラマを書くのに約1年半かかります。後半、書けなくなって、もうダメだー!と叫んだら、夫が娘を連れて実家に3泊4日で帰ってくれて、その間に追い込んで書いたということもありました」
 ここ数年は徐々に自分なりの仕事のリズムが掴めるようになってきた。
「今は娘に合わせて、夜の9時〜10時頃に寝ています。そして3時か4時に起きて、ゆっくりとコーヒーをいれて朝まで仕事。この時間は静かなのでけっこうはかどります。娘が小学生になって、午後にかけても少し時間がもてるようになったので、カフェに行って仕事をすることもあります。隣の席の女子高生の話がすごく面白くて、思わずメモをしてみたり(笑)。カフェにいると、生身の人間はこういう会話をするのか、としばしば驚かされます」
 この仕事を始めて以来、ずっと大切にしている思いがある。
「見た人が生きているのも悪くないなと感じて、元気になるようなドラマを書いていきたい。娘が子供ながらに一生懸命、私の書くドラマを見てくれるようになって、なおさらその責任を強く感じるようになりました」

文・牧野容子 / 写真・大河内禎
更新日:2018/08/23

Profile

大森美香(おおもり・みか)
1972年、福岡県生まれ。青山学院女子短期大学芸術学科卒業。名古屋テレビ放送東京支社を経て、フジテレビの契約アシスタントディレクターに。98年、脚本家・演出家としてデビュー。2000年からフリーに。05年『不機嫌なジーン』で第23回向田邦子賞を史上最年少で受賞。05〜06年、NHK連続テレビ小説『風のハルカ』、17年『眩〜北斎の娘〜』、18年『未解決の女 警視庁文書捜査官』ほか。『宇宙兄弟』『ひみつのアッコちゃん』など映画の監督、脚本も手がける。

協力/MONKEY CAFE(TEL.03-5728-6260) http://monkeycafe.jp/

大森美香【脚本家】


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