COFFEE BREAK

美容

美容-Beauty-

2015.11.01

【連載第3回】バランスのいい食事、コーヒーでダイエットを。

コーヒーと美容

美人をつくる、コーヒーの飲み方

【連載対談】

近藤和雄(医学博士)
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倉田真由美(美容ジャーナリスト)

朝の目覚めや仕事のブレイクタイムになにげなく飲んでいるコーヒー。そのコーヒーに美容効果があることは、科学的にも証明されつつあります。では、コーヒーを飲んでキレイになるためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

全日本コーヒー協会では、"コーヒーと健康"を研究するドクター・近藤和雄さん&美しい人生を追求する美容ジャーナリスト・倉田真由美さんに「美人をつくる、コーヒーの飲み方」について語り合っていただきました。

女性にとっていちばん気になるテーマはダイエット。コーヒーがダイエットの味方になる、という研究結果も報告されています。今回は、コーヒーとダイエットの意外な関係に迫ります。

連載第3回

バランスのいい食事、コーヒーでダイエットを。

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倉田 私の知り合いの女性が、「コーヒーを飲んで30分くらい経ってから有酸素運動をするとダイエットにいい」という話を聞いて実践しているんです。化粧品でも、「スリミング・ボディ・ローション」には大抵カフェインが入っています。カフェインが細胞を活性化して、余分なものを排泄する働きをするんですね。

近藤 コーヒーを飲むと、体内で脂肪燃焼を促す酵素を増やす----という多くの報告があります。コーヒーに含まれる様々な成分の働きで交感神経が優位になると、脂肪燃焼率が高まって肥満予防につながる可能性は十分考えられます。ただし、これには条件があって、コーヒーをノンシュガーで飲むことが大前提です。

倉田 そうですよね! 私は毎朝、フレンチローストのコーヒーを飲んでいますが、シュガーは入れません。甘くするとせっかくの香りや味わいが薄れてしまうので......。

近藤 コーヒーは本来ノンシュガーで飲むほうが美味しいはずなのですが、日本人は砂糖を入れる人が多いですね。逆に、緑茶に砂糖を入れる日本人はいませんが、海外では多くの人が緑茶に砂糖を入れて飲んでいる。"お国柄"の違いなんですね。

倉田 お国柄といえば、日本人は「△△がダイエットにいい」と聞くと、それだけにのめり込む人が多い。何事も"極端"は危険なので、注意したいところです。

ダイエットに成功している人の食事は、色鮮やかで、見た目にも美しい。(倉田)

近藤 ダイエットについて、一つだけ明確にいえることがあるとすれば、「本当に痩せたいのであれば、食事をきちんと摂るべき」ということ。「食べないで痩せる」という考え方はよくありません。

倉田真由美(美容ジャーナリスト)

倉田 たしかにそうですね。カロリーオーバーにならない範囲で、三食きちんと摂るほうがいいのでしょうね。ただ、そうなると、食事メニューの内容が重要になってきます。一つの食材に偏ると、どうしてもカロリーが多くなってしまう。

近藤 食生活や食事内容とダイエットに関する調査や研究は各方面で実施されていますが、それらの結果から明らかになってきたことは、「野菜はどんなに食べてもダイエットの邪魔をしない」ということなんです。食事は野菜から摂ることで満腹感を持たせて食べ過ぎを防ぐ----という考え方がありますが、野菜にはそれだけでないダイエット効果があることは確かなようです。そもそも野菜だけをおなか一杯食べたところで、100キロカロリーにも届きませんから。

倉田 肥満傾向の人の食事を見ていると、食べ物の色合いが全体的に茶色っぽく見えるんです。お肉とか揚げ物が多いからなんですね。ところが、ダイエットに成功している人の食事は色鮮やかで、見た目にも美しい。言い換えれば、食事の色合いにちょっと目を向けるだけで、栄養バランスは取りやすくできるものなんですね。

コーヒーを飲んでリラックスすれば、効率的なウエイトロスにつながります。(近藤)

近藤和雄(医学博士)

近藤 食事とダイエットを考える時、もう一つ重要になってくるのが"時間"です。夕食は午後6時から7時のあいだに摂るのが最も効率のいいダイエットにつながるんです。

倉田 私もなるべく夕食が遅い時間にならないように気を付けてはいますが、「7時まで」となると、かなり早い夕食になりますね。

近藤 欧米では、この時間のレストランはまだ閑散としています。現地の人とディナーの約束をすると、始まるのは「8時過ぎ」。でも、考えようによっては、夕食の時間が遅いから欧米人には肥満が多い----という見方もできるのかもしれません。日本人が長寿なのは、夕食の時間が関係しているのかもしれませんね。

倉田 そして食後にコーヒーを飲めば、ダイエットにもつながる(笑)。ただ、あまり早い時間に夕食を済ませてしまうと、寝る前に小腹が空いて、つまみ食いをしてしまう人もいます。

近藤 それが一番危険なんです。仕事帰りにお酒を飲んで、まっすぐ帰らずにラーメン屋さんに寄ったりすると、昼間どんなに健康に気を遣っていても意味がなくなってしまいます。

倉田 私も夜遅くに小腹が空くことはありますが、そんな時は意識を切り替えるようにしています。小腹が空くということは、成長ホルモンが分泌されるタイミングになっている証拠。成長ホルモンが出れば代謝が良くなるのでダイエットや美肌効果が期待できる。だから小腹が空いた時は「食べるのを我慢する」と考えるのではなく、「いま肌や体が若返っているんだ!」と、ポジティブに思うことで、意外に乗り切れるんです(笑)

近藤 「食べ過ぎない」「バランスよく食べる」「食べる時間に気を付ける」の三点に注意し、食後にコーヒーを飲んでリラックスをすれば、効率的なウエイトロスにつながるはず。極端な取り組みや、体に無理が生じるダイエットよりも、よほど健康的だと思いますよ。

構成・文:長田昭二(医療ジャーナリスト)
写真:平岩享
イラストレーション:カイフチエリ
更新日:2015/11/01
PROFILE
近藤和雄(こんどう・かずお)
医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養部室長、お茶の水女子大学大学院生活環境教育研究センター長を経て、現在東洋大学食環境科学部教授。日本栄養・食糧学会会長。 赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防の効果をいち早く実証し、世界的な医学雑誌『Lancet』で報告。
近藤和雄
PROFILE
倉田真由美(くらた・まゆみ)
美容ジャーナリスト。女性誌編集部、編集プロダクションを経て独立し、女性誌の美容ページや新聞のコラムなどで執筆活動を続ける。現在は「フィガロジャポン」(CCCメディアハウス)をはじめ雑誌などで活躍。また近年は、美容や健康にまつわる講演を行なうなど活動の場を広げ、 女性のライフスタイル全般における啓蒙活動にも力を注いでいる。近著は『しあわせ美人のつくりかた』(ぶんか社文庫)。
倉田真由美
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