ホーム > コーヒーと美容 > 【連載第2回】ストレスはお肌の大敵。コーヒーでリラックス!

コーヒーと美容

コーヒーと美容

美人をつくる、コーヒーの飲み方

【連載対談】

近藤和雄(医学博士)
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倉田真由美(美容ジャーナリスト)

近藤和雄(医学博士)×倉田真由美(美容ジャーナリスト)

朝の目覚めや仕事のブレイクタイムになにげなく飲んでいるコーヒー。そのコーヒーに美容効果があることは、科学的にも証明されつつあります。では、コーヒーを飲んでキレイになるためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

全日本コーヒー協会では、“コーヒーと健康”を研究するドクター・近藤和雄さん&美しい人生を追求する美容ジャーナリスト・倉田真由美さんに「美人をつくる、コーヒーの飲み方」について語り合っていただきました。

就職や異動など環境の変化が多い季節、ストレスを上手にリリースしてくれるコーヒーの成分と香りの作用を解明していきます。

連載第2回

ストレスはお肌の大敵。
コーヒーでリラックス!

時計と女性

倉田 現代は「ストレス社会」と言われるほど、誰もが精神的な悩みを抱えています。特に女性は、「ストレスと肌荒れ」の関係もあって、問題は深刻なのですが、コーヒーを飲むとリラックスができて、ストレスも和らぐという人は多いですね。これを科学的に研究した調査があるそうですね。

近藤 杏林大学医学部の古賀良彦教授らによる研究で、コーヒーの“香り”に、リラックス作用があるのではないか――という研究で、なかなか興味深い内容です。コーヒーの香りを嗅いだ20代女性10人の脳波の動きを分析したところ、リラックス状態を示す「α波」と、集中力が高まっていることを示す「P300」という脳波のいずれもが、普通より多く出現したのです。

倉田 コーヒーの香りには、リラックス効果と集中力を高めるという二つの作用があるということですか。

近藤 コーヒーの香りを嗅ぐと、誰もが「いい匂いだ」と思いますよね。つまり人間は、経験的に「コーヒーの香りは心地いいもの」という“事実”は知っていたんです。ただ、それを裏付ける“証拠”がなかった。今回の研究は、まだ全容解明には至っていないものの、それを明らかにする方向性を示したものといえます。

倉田 私が面白いと思ったのは、ブラジルサントスやモカマタリ、グァテマラなど六種類の豆で比較試験をしているところです。α波を多く出すのはグァテマラとブルーマウンテン、P300を多く出すのはブラジルサントスやマンデリンとか……。豆の種類によって、機能性にも違いがあるんですね。

近藤 これはまだ研究段階で、豆の種類ごとの作用の違いは明確には出ていません。誤差の範囲と考えていいでしょう。私が興味を持ったのは「リラックス」と「集中力」という、一見「相反する作用」があるという点です。

倉田 言われてみるとそうですね。

近藤 人間の交感神経には、気持ちを高ぶらせる交感神経と、逆に静めようとする副交感神経があります。活動的な時には交感神経が優位になり、休息する時には副交感神経が活性化する。つまり、「リラックス」は副交感神経、「集中力が高まる時」は交感神経が優位になるのですが、コーヒーはこのいずれの作用も持っていることになるのです。コーヒーの成分のカフェインには集中力を高める作用があり、そして香りにはリラックスさせる作用……。カフェインの効果は解明されていますが、香りの作用については今後の研究がまたれます。楽しみですね。

エストロゲンという女性ホルモンは、
肌の若さと健康を保つ上でとても重要な存在です。
(倉田)

倉田真由美(美容ジャーナリスト)倉田 ストレスが肌の健康に良くない理由はいくつか考えられるのですが、知られているのは二つです。一つは、ストレスを感じることで血管、特に毛細血管が縮小する、というもの。肌は血液から酸素や栄養を取り入れているので、血流が滞ると健康が保てなくなるんです。もう一つは、ホルモンへの影響。副腎皮質で作られるDHEAというホルモンが転化して性ホルモンになるのですが、ストレスが多いとコルチゾールやアドレナリンというホルモンが増えて、DHEAの性ホルモンへの転化を邪魔する傾向があるんです。特に女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンが肌の若さを保つ上でとても重要な存在なので、ここが阻害されるととても困ることになります。

近藤 女性ホルモンが増えないと、女性らしさが失われていきますからね。

倉田 女性特有の美しくてしなやかな肌を作り出す上で、エストロゲンの役割は非常に大きいんです。逆に男性のたくましい体格や強靭な肉体も、男性ホルモンによって作られますよね。

近藤 ストレスは女性だけでなく、男性にとっても“敵”でしかないわけです。でも、体はそれを知っていて、ストレスがたまったり、疲労が蓄積されてくると、自然にリラックスを求めようとする。疲れた時に「コーヒーが飲みたい」って思うのは、まさに体が休息を求めている証拠なんです。

倉田 午後3時になると、時計を見なくても「そろそろコーヒーを……」って思いますよね。

「コーヒーを飲みたい」と思う時は、
体が「リラックスしたい」と思っている時。
(近藤)

近藤和雄(医学博士)近藤 これはコーヒーではないのですが、抹茶を使った実験があるんです。抹茶を飲んだあと、時間の経過とともに血中のポリフェノールの濃度の変化を測定したところ、血中濃度が最も高まるのは飲んだ2時間後で、その後は次第に低下していった。つまり、ポリフェノールの作用が一番上がるのは「2時間後」なんです。

倉田 2時間おきにコーヒーやお茶を飲むと“効果的”ということになりますね。

近藤 そうです。しかも私たちは、誰に教わることもなくそれを実践しています。“朝の一杯”を皮切りに、午前10時、お昼ご飯、午後3時、そして夕食時――と、ポリフェノールの濃度が下がらないように、コーヒーやお茶を飲むのが習慣になっている人はとても多い。

倉田 本当ですね! でも、夜眠っている間は飲めませんね。

近藤 睡眠中はメラトニンという抗酸化ホルモンが分泌されるので、体外から摂取する必要はありません。逆に、メラトニンの分泌が終わる朝のコーヒーのほうが重要です。

倉田 目覚めのコーヒーってとてもおいしいけれど、あれは体が有効成分を欲しているからなんですね。

近藤 「コーヒーを飲みたい」と思う時は、体が「リラックスしたい」と思っている時。そんな“体の声”に耳を傾けることが、ストレス社会に生きる私たちには大切なことなのかもしれません。

構成・文:長田昭二(医療ジャーナリスト)
写真:平岩享
イラストレーション:カイフチエリ
更新日:2015/06/01

Profile

近藤和雄(こんどう・かずお)
医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養部室長、お茶の水女子大学大学院教授・生活環境教育研究センター長を経て、現在東洋大学食環境科学部教授。日本栄養・食糧学会会長。 赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防の効果をいち早く実証し、世界的な医学雑誌『Lancet』で報告。
近藤和雄
Profile

倉田真由美(くらた・まゆみ)
美容ジャーナリスト。女性誌編集部、編集プロダクションを経て独立し、女性誌の美容ページや新聞のコラムなどで執筆活動を続ける。現在は「フィガロジャポン」(CCCメディアハウス)をはじめ雑誌などで活躍。また近年は、美容や健康にまつわる講演を行なうなど活動の場を広げ、 女性のライフスタイル全般における啓蒙活動にも力を注いでいる。近著は『しあわせ美人のつくりかた』(ぶんか社文庫)。
倉田真由美


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