COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2014.10.15

Vol.8 ブラジル:イル・バリスタ(Il Barista)

世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
コーヒーの国、ブラジルで人気なのが、場所を選ばず美味しいコーヒーをサービスすることができる「出張カフェ」です。Vol.8では各種イベントにひっぱりだこのバリスタの活躍ぶりをご紹介します。

コーヒーでイベントに華を添える、バリスタの出張サービス。

Vol.8 ブラジル:イル・バリスタ(Il Barista)
www.ilbarista.com.br/

イル・バリスタ

イベント参加者にエスプレッソを入れるバリスタたち。大型エスプレッソマシンで臨むことが多いが、顧客の好みや場所の都合によってはカプセル式マシンで応じる。現在は輸入のカプセルを使用しているが、来年1月には「イル・バリスタ」ブランドのカプセルを発表予定。

 南米一の商業都市サンパウロでは、見本市やコンベンションなど企業イベントが目白押しだ。コーヒーがビジネスマンのコミュニケーションの潤滑油として愛されるこの街でいま、バリスタの出張サービスが人気上昇中だ。
 去る9月、外資系有名ホテルで行われた出版業界の講演会では、聴講者のためにホテル側が用意した食事のサービスに加えて、エスプレッソを入れるバリスタのブースが設けられた。アッパーミドルなブラジル人のコーヒーの嗜好が感じられる風景だった。

モルンビー・ショッピング内の店舗

(上)イル・バリスタは創業2003年。写真はモルンビー・ショッピング内の店舗。
(下左)店舗経営と出張サービスの二足のわらじを履くオーナーのジェルマ・フランコさん。(下右)イベントでサービスしたエスプレッソ、カフェラテとシャンテリークリーム、ライムの皮をトッピングしたコーヒー。

 今回出店した「イル・バリスタ」は、市内に4店舗を経営する人気チェーンで、カフェとしてはいち早く2006年にバリスタの出張サービスを始めた。
「主にビジネス街で店舗を展開していますが、お客様からお勤め先のイベントでのアテンドを相談されたのが出張サービスを始めたきっかけでした。美味しいコーヒーを提供することは、イベント主催者による招待客へのもてなしなのです」とオーナーのジェルマ・フランコさんは語った。
このたびのイベントでコーヒーをいれたのは、「イル・バリスタ」出身で今ではフリーランスとして独立したバリスタたちだった。
「バリスタという職業がバーテンダー同様に認知されるようになったから、フリーランスでもやっていける」と言うのは、バリスタ歴4年のアルアン・フェラーリさん。繁忙期にはひと月15〜20回出張サービスを行っているそうだ。日々異なる環境で仕事をすることが刺激的で、店舗勤務を辞めて出張サービスに転身したのだという。

バリスタとラテ

(左)フリーランスのバリスタたち。アルアン・フェラーリさん(左)とアンジェリカ・レーモスさん。 (中)トッピング用のライムの皮は新鮮さが身上。ブラジルではレモンより普及するライムを使うのが一般的。 (右)「こんにちは(Boa tarde)」と書いたラテ。イベント参加者に喜ばれる。

 イベントでコーヒーを飲んだ参加者から別の機会での出店を依頼されることも多い。一度信頼を得ることができたら継続して仕事を受注できる。
 いま人々が最も欲するものは、"印象に残る体験"ではないかとフランコさんは見ている。
「コーヒーのテイスティングや、お客様にバリスタの仕事を体験していただくサービスも行っています。コーヒーを通じて、イベントに華を添えることこそが私たちの仕事であり喜びです」と語った。

〈カフェ情報〉

イル・バリスタ(Il Barista)

www.ilbarista.com.br/

モルンビー・ショッピング店:Av. Roque Petroni Jr., 1089 Piso Lazer

Tel.+55-11-3297-9349

ショップ 月〜土:10:00〜22:00

日曜・祝祭日:13:00〜20:00

休日なし

*1レアル=約44円(2014年9月現在)
写真・文=仁尾帯刀
サンパウロ市在住
更新日:2014/10/15

PAGE TOP