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2014.06.27

パリのホテルで習う、コーヒーに合うスイーツ・レッスン【インタビュー編】

コーヒーとスイーツは、相性抜群。たとえばワインとチーズのように、コーヒーの種類によって組み合わせの妙を楽しんでみたらどうだろう?美食の都パリでも味覚と感性を注目される一流ホテルのシェフパティシエに、そのコツを聞いてみた。

編集部:
今日は、コーヒーとスイーツのマッチングについてお話を聞かせてください。

シェフ:
「コーヒーとスイーツのマッチング」というと、ふたつの意味がありますね。ひとつめは「コーヒーを飲みながら食べるスイーツの合わせ方」、もうひとつは「スイーツの素材としてコーヒーを使うときの相性」。フランスにはエクレアやオペラなど、コーヒーを使ったスイーツの名作がありますね。僕は職業柄、後者を考えてしまうけれども。

編集部:
なるほど、そうですね。今日は「コーヒーを飲みながら食べるスイーツの合わせ方」でお願いします。シェフはどんなコーヒーがお好きですか?

シェフ:
僕はブラック派。ランチの後はぐっと濃いエスプレッソで、それ以外の時間帯は薄めにいれて飲みます。エスプレッソのお供には、バターたっぷりのお菓子が欲しくなる。さくさくのサブレなんかいいですね。バターのまろやかさがコーヒーの苦みと対極にあるので、それぞれがぶつかり合う「コントラストの美味しさ」が味わえます。それか、コニャックなど洋酒を使ったチョコレートボンボンもなかなか悪くないですよ。洋酒のスモーキーさが、コーヒーの焙煎香と絡み合って...ああ、話していると食べたくなってきた(笑)。より薄めのコーヒーなら、柑橘類など酸味のある素材を使ったクリーミーなケーキを合わせたい。僕のレモンのタルトはコーヒーにすごく合うから、レシピを教えてあげましょう(次ページ掲載)。コーヒーの酸味とフルーツの酸味が素敵に絡んで、その後をクリームが心地よくまとめてくれますよ。

Shangri-la hotel Paris(シャングリ・ラ ホテル パリ)のシェフパティシエ、フランソワ・ペレさん

編集部:
苦みの立つコーヒーにはまろやかなバター系を、薄めのコーヒーにはフルーツの酸味を寄り添わせる。それが合わせ方のコツ、と言えますか?

シェフ:
どんなコーヒーでも、その中心にある風味の軸を意識することが第一歩ですね。苦み、酸味、焙煎香。それと正反対の味わいでコントラストを楽しむか、似た味でハーモニーを楽しむか。量のバランスも大切です。大きなケーキを食べるにはエスプレッソじゃ足りないけれど、たっぷりのフィルターコーヒーなら、リッチなシュー菓子でもじっくり味わえるでしょう? ラテ系コーヒーにはすでにミルキーさがあるので、マドレーヌのようなシンプルな焼き菓子をほおばるのがいいですね。

編集部:
日本で人気のアイスコーヒーは?

シェフ:
アイスにすると焙煎香を強く感じるので、洋酒を使ったものがいいかな。アルマニャックを効かせた大人っぽいオペラなんて合うかもしれない...今度、試作してみようかな? 実は今、コーヒーの生豆を使うレシピを試しているんですよ。コーヒーチェリーの香りも面白いから、スイーツに使ってみたいなぁ。機会があったら、コーヒーを使ったスイーツの話をしましょう。それもまた、美味しくて楽しいですよ。

文・髙崎順子 / 写真・吉田タイスケ
更新日:2014/06/27

フランソワ・ペレ
François PERRET

1980年フランス東部ブール・アン・ブレス生まれ。17歳で製菓技能免状CAPを取得後チョコレート専門店で修業を始め、2000年よりパリの高級ホテルに勤務。「オテル・ムーリス」「フォーシーズンズ・ホテル ジョルジュサンク パリ」を経て、2008年、「ロテル・ランカスター」のシェフパティシエに就任。2010年、「シャングリ・ラ ホテル パリ」オープニングに際して現職に迎えられる。

Shangri-la hotel Paris
シャングリ・ラ ホテル パリ

香港を拠点とするシャングリ・ラ グループが2010年開業した、ヨーロッパの第1号ホテル。ナポレオン1世の子孫の旧居を改造し、ラグジュアリーながら個人邸宅らしい親密な雰囲気でパリジャンに愛されている。メインダイニングはミシュラン・ガイド二つ星を持つ。

10, Avenue d’Iéna Paris, 75116
+33(0)1 53 67 19 98
www.shangri-la.com

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