世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
アメリカ、ロサンゼルスでは、サードウェイブが定着し、人気のコーヒー専門店は豆の生産環境や焙煎にこだわったハンドドリップのコーヒーを楽しむ愛好家でいつも賑わっています。そんなロスでいま話題なのは、自宅でコーヒーを楽しむためのオリジナルグッズ。Vol.27では画家と陶芸家のペアがクリエイトする作品をご紹介します。

"ロサンゼルス・タイムズ"紙も絶賛、温かいグラフィックのコーヒーグッズ。

Vol.27　アメリカ：キャット・アンド・ロジャーセラミクス（Kat and Roger Ceramics） www.katandroger.com

画家と陶芸家ペアとして活動するキャットとロジャーは仲のいい夫婦でもある。ロサンゼルスらしく明るい開放的なスタジオには、コーヒーマグやボウルなど日常で使いたい作品のほか、彼らの芸術作品も並ぶ。一息つきたい時にロジャーがハンドドリップでいれるコーヒーは二杯分たっぷり作れるカラフェで。

　コーヒーをより高い意識で楽しむサードウェイブは、カフェだけではなく、自宅で味わうコーヒーにも寄せてきている。自分のコーヒーだからこそ、パーソナルなこだわりでアプローチしたい。いま、ロサンゼルスで話題の、コーヒーを自分流に楽しむためのグッズをご紹介する。

 

[上]絵付けをするキャット。[左下]コーヒーマグ,ドリッパー各52ドル。カラフェは価格未定。[右下]窯入れを待つドリッパー。

　「毎朝、自分の好きな豆を挽いて、マイマグにドリッパーをのせる。適温に沸かしたお湯をそのドリッパーにゆっくり注いで、コーヒーができるのを待つ。一連の過程は僕の1日を始める儀式だから自分でいれるんだ」とは、ロサンゼルス在住陶芸家のロジャー・リー。画家であるキャット・ハターとのコラボレーションブランド「キャット・アンド・ロジャーセラミクス」のコーヒーマグとハンドドリッパーは、"ロサンゼルス・タイムズ"紙の「ホリデーギフトセレクト」のNo.1に選ばれた人気作品だ。
　二人がスタジオで手作りするモダンデザインのマグとドリッパーは、どこか懐かしさを感じるグラフィックな模様、温もりのある質感がいい。品ぞろえのセンスに定評のあるインテリアや雑貨ショップだけでなく、メンズファッションのセレクトショップからも注文があるというのも納得できるし、少し大きめのサイズ感もコーヒー好きや男性にはうれしい。

 

作家もののカップやマグをはじめ、コーヒーグッズもライフスタイルの一部として扱うヴェニスの人気雑貨店「ジェネラルストア」。

　コーヒーブレイクが日々の習慣になっているロジャーは、コーヒーを美味しくいれるための努力を怠らない。ドリッパーの形状や溝の深さ、穴のサイズなどをいまも試行錯誤しているという。画家のキャットは絵つけをしながら、「スタジオを訪れてくれる人に、来客用のマグでコーヒーを出すこともあるの。私たちのドリッパーやマグでコーヒーを飲めばそのよさがわかる。家でも使ってくれることが多いわ」と語る。
　二人の作品は、ロサンゼルスの「ジェネラルストア」などで購入できるが、入荷とともに売り切れてしまうほどの人気。運よく手に入れることができれば、自宅でいれるコーヒーをレベルアップしてくれるにちがいない。