COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2013.11.01

Vol.37 ベルギー・ブリュッセル市在住 ジャルモ・ピックジャムサさん

ベルギー・ブリュッセル市在住 ジャルモ・ピックジャムサさん

コーヒーは世界の友達。地球上の至るところで味わい、楽しまれている飲み物です。全日本コーヒー協会では、各国の"コーヒー大好きピープル"たちに現地取材。"地球人のコーヒーブレイク"を紹介します。

エチオピアのコーヒー文化に惚れ込んだ、オーナーの気概。
Vol.37 ベルギー・ブリュッセル市在住
ジャルモ・ピックジャムサさん

Jarmo Pikkujamsa(ジャルモ・ピックジャムサ)
職業:Aksum Coffee house (アクスム・コーヒーハウス オーナー)
1967年/フィンランド・トゥルク生まれ

 ブリュッセル一番の観光名所グランプラスに程近い、小さなカフェ「アクスム・コーヒーハウス」。コーヒーの発祥地ともいわれるエチオピアのコーヒーを専門に扱うこの店のオーナーは、フィンランド人のジャルモ・ピックジャムサさん。大半がサウジアラビアに輸出されるハラールコーヒーを始め、各種の豆を自家焙煎して販売もしている。
 ジャルモさんは、アフリカ文学を学び、何度も大陸を訪れるうちにエチオピアのコーヒー文化に魅了された。その後、縁のあったブリュッセルでこの店を開いたと言う。「美味しいビールで有名なブリュッセルでは、カフェと言えばビールやワインを楽しむ場所。自家焙煎のコーヒーをゆっくりと楽しむという文化が広がり始めたのはつい最近のことです」。それがこの街のコーヒー事情らしい。

エチオピアのコーヒーハウスのようなインテリアデザイン  店内の片隅にはコーヒー・セレモニーに使われる道具が飾られている

 「常連さんの多くは、色々な種類のコーヒーを試して自分の好きな味を見つけようとしてくれる。私は、そんな中で生まれる対話も大切にしているんです」。そう語るジャルモさんの店では、コーヒーだけではなく、エチオピア的な「コーヒーハウス文化」も大切な売りなのである。ホスピタリティに溢れ、人と人との繋がりを大切にしたエチオピアのコーヒー文化は、客の前で生豆を煎るところから始める独特の「コーヒー・セレモニー」の習慣も生み出した。

コーヒーアメリカーノ(3ユーロ)と、エチオピア料理のインジェラ(1皿2ユーロ)

彼は今、店の運営の傍ら、そんな文化の歴史に関する本を書いている。「コーヒーの味わいと共に、その興味深い文化背景についても、より多くの人に知ってもらいたい」。それが、このコーヒーハウスの亭主の願いなのである。

*1ユーロ=約119円(2013年11月現在)
写真・文=ユイ・キヨミ
アムステルダム市在住
更新日:2013/11/01

PAGE TOP