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コーヒー・ワンダーランド

コーヒーと世界遺産 Vol.8

ホンジュラスで愛される、コーヒーの飲み方とは。
コパンのマヤ遺跡

738年に建設された球技場では、ゴム製ボールを用い、天と地の恵みを願って奉納試合が行われたという。

 カリブ海と太平洋にはさまれた中米の国ホンジュラス。その西端に位置し、グアテマラと国境を接するコパン県に、世界遺産に登録された有名なマヤ文明の遺跡がある。コパンのマヤ遺跡だ。
「コパンは中米各地に点在するマヤの大遺跡の中でも最南端にあります。紀元前426年に王朝が開かれ、8世紀前半に最盛期を迎えました。美しい石碑が立つ大広場、二千以上の神聖文字が刻まれた階段、神殿、球技場など、現在目にすることができるのは5世紀~8世紀につくられたものが中心です」
 と語る寺崎秀一郎先生。遺跡はホンジュラスの大切な観光資源であり、今も発掘や保全の作業が続けられている。さらに、コパンの魅力としてあげられるのが有機栽培コーヒーだ。アメリカ大陸において、ブラジル、コロンビアに次ぐコーヒー生産量を誇るホンジュラスの中でも、コパンは有数のコーヒー産地として知られている。

左から:王朝史上、もっとも権勢をふるった第13代王ワシャクラフン・ウバク・カウィル(在位695年~738年)の石碑。/コパン遺跡から車で約30分。サンタ・イサベルにある「ラス・カスカーダス農園」にはカフェも併設。

コーヒー栽培の始まりは、スペイン植民地時代から。

左から:ホンジュラスの通貨、1レンピーラ紙幣。表側にはレンカ族の首長レンピーラの顔、裏にはコパン遺跡の球技場が表象されている。/パンと並んで、ガジェタと呼ばれるクッキーのようなお菓子もコーヒーに浸して食べる。表面に砂糖をまぶしているものが多い。/ホンジュラスのコーヒーの収穫期は主に10月~3月。

「コパン・ルイナス市は遺跡観光とコーヒー栽培で成り立っています。標高650mに位置する遺跡から少し離れた山の斜面でもコーヒー栽培が盛んに行われています。ホンジュラスの人たちはコーヒーが大好きで、よく飲みます。私が遺跡調査で現地に滞在するときの下宿先では、2歳の子どももコーヒーを飲んでいます。現地では砂糖をたっぷり入れるのが基本なので、子どもも大好きな甘い飲み物なのです。

 面白いのは、トウモロコシの粉でつくった〝パン〟と呼ばれる甘い菓子パンを砂糖入りのコーヒーにドブッと浸しながら食べること。最初は甘すぎてぎょっとしましたが、慣れてくると、仕事から疲れて帰ってきたときなど、不思議と疲れが飛んでいく気分になります。ただしこのスタイルはホンジュラスだけのようで、中米の他の国でやると、〝お前、ホンジュラスから来ただろ?〟と言われてしまいます(笑)」

 コーヒー栽培が始まったのはスペイン植民地時代以降のことで、古代マヤの人々はコーヒーを知らなかった。
「古代マヤで重要だったのはカカオ豆の栽培でした。古代マヤ人はカカオの栄養価の高さや薬理作用を知っていたのです。アフリカ原産のコーヒーが今では中南米でアフリカよりも多く栽培され、逆にカカオ豆は原産地の中南米を離れてアフリカで多く栽培されている。面白いものですね」

寺崎秀一郎(てらさき・しゅういちろう)
早稲田大学文学研究科博士後期課程史学(考古学)専攻満期退学。現在、早稲田大学文学学術院教授。専攻分野は中南米考古学、文化資源学。著書に『図説 古代マヤ文明』(河出書房新社)、『比較考古学の新地平』(菊池徹夫編、同成社)ほか。

監修・写真 寺崎秀一郎 / 文 牧野容子
更新日:2016/04/15



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